「逆鱗」('16/3/24ソワレ)

NODA・MAP 第20回公演
作・演出 野田秀樹

††キャスト††
NINGYO 松たか子
ガリ・サマヨウ 瑛太
鵜飼ザコ 井上真央
キモリ・オモウ 阿部サダヲ
鵜飼綱元 池田成志
イルカ・モノノウ 満島真之介
鰯ババア(逆八百比丘尼) 銀粉蝶
柿本魚麻呂 野田秀樹


大阪公演の、見切れ席販売(追加販売)で取れたチケット!
1階席でした!!
最下手だけど、十分見やすかったです。

初め、阿部さんの声が嗄れていて、大丈夫かなあと心配になりましたが、お芝居が進むにつれ、回復されていった気がします。
東京の劇場と比べると、劇場の作りがよくないのか、舞台後方を向いて話される台詞がちょっと響きが悪い気がしました。
というか、東京芸術劇場、2階席でもすごく台詞が聞き取りやすかったなーと。

しかし、やはり1階席は、熱がダイレクトに伝わってくる気がします。
それに、一度見ていて台本も読んでいるから、一つ一つの台詞に、「あ、そういうことか」と思わされます。
冒頭の、NINGYOのモノローグも、悲しく重たい気持ちにさせられます。

東京で見たときは、エッグのように、実は過去、という設定かと思ったのですが。
過去でもあり、現在でもあり。
見えない船は、現在でもあるんですね。
見えない船が見える男は、現在でも必要なのだと、思っている人達がいる。
・・・と野田さんは、おっしゃっているのでしょう。

その船が、本当に見えない船なのか。
それは、また別の議論として。


きらきらと輝く鰯の鱗。
仲間を救うために、自らの鱗を散らす。
それもまた、一つのメタファー。

まっすぐな、曇りのない眼のイルカ君。
それも、成る程。
同じような瞳の若者達がたくさんいたのだろう。

キモリさんの、叫びは、胸に刺さって。
「もう、オレは自分の言葉で話していいのか?」
何とも言えない思いで、胸が痛かったです。


今回、東京とあわせて2度目の観劇でしたが。
やっぱり、舞台は2度見た方がいいな。
まっさらな気持ちで一回。
もう一回見ることで、隠されたメッセージにも気が付けるように思います。
もちろん、3度、4度見れば、もっといろんな思いを抱くのだろうけど。
NODA・MAPはそれができない(1枚チケットを取るのも大変)なのが、残念です。