「七月大歌舞伎」('14/7/12夜の部)

関西・歌舞伎を愛する会 第二十三回
七月大歌舞伎

大阪松竹座に行って来ました。


幟が、雰囲気を盛り上げてくださいます。


††演目††

一、伊賀越道双六
 沼津

二、岡村柿紅作
 新古演劇十種の内
 身替座禅

三、三遊亭円朝口演より
 真景累ヶ淵
 豊志賀の死

四、女伊達



††出演者††
【沼津】
呉服屋十兵衛 坂田藤十郎
お米 中村扇雀
池添孫八 片岡進之介
雲助平作 中村翫雀

【身替座禅】
山蔭右京 片岡仁左衛門
太郎冠者 中村橋之助
侍女千枝 中村梅枝
侍女小枝 中村児太郎
奥方玉の井 中村翫雀

【累ヶ淵】
豊志賀 中村時蔵
お久 中村梅枝
噺家さん蝶 中村萬太郎
勘蔵 坂東竹三郎
新吉 尾上菊之助

【女伊達】
女伊達木崎のお秀 片岡孝太郎
男伊達淀川の千蔵 中村萬太郎
男伊達中之島鳴平 中村国生


午後4時開演だったんですが、全部終わったら午後9時を過ぎていました。
びっくりした!
幕間でお弁当を食べたりしましたが、その時間を入れても5時間って!
以前、蜷川さんの舞台で途中1時間の大休憩というのがありましたが、それに匹敵しますね。
歌舞伎って…すごい。
通しではないから、出ずっぱりではありませんが、昼の部があって、別演目で夜の部があって。
しかも月がかわると別の演目で別の舞台に立つとか、当たり前だと思うと、歌舞伎役者さんって本当にすごいなあと思います。
そして、そんなにハードな舞台にお立ちになっているのに(いや、いるから、でしょうか?)、あの身体能力の高さ!
すごすぎ…。


以下、各演目の感想です。

【沼津】
藤十郎さんがお若い…。
翫雀さんと親子役で、実際と逆の配役。
それを逆手に取って笑いも取っていらっしゃいました。
お茶目でかわいいかったです。


【身替座禅】
仁左衛門さん、初めて生で拝見しましたが、何ですの!この美しさ!
綺麗です。格好良いです。うっとり見ほれます。
こんな綺麗な人、見たこと無い…ですよー!!

また、スタイルも良くて、姿形どこをとっても美しい。

私が、仁左衛門さんを認識した一番はじめは、大河ドラマ太平記」の後醍醐天皇でした。
その時も、綺麗だーと思ったのですが、生で拝見する仁左衛門さんの美しさは、その時の比ではなかった…。

橋之介さんも、頭身が高くて格好いいのですが(だから身替わりも納得できるのですが)、仁左衛門さんの匂い立つ美しさとは比べられません。
そう、まさに「匂い立つ」という表現がぴったりの美しさ。
ただそこにいらっしゃるだけでうっとりですが、演技が加わると更に素敵。

うきうきとされていたり、奥様を怖がったり、ほんのり酔っぱらったり…。
お見事です。

私にとって、この日の一番の見所は、ここでした。

演目は、奥方がかわいくて、仁左衛門さんもかわいくて、とっても楽しかったです。


【累ヶ淵】
怪談。
二十歳も年下の恋人を信じられなくなった女師匠のお話でした。
江戸時代に二十歳も年が違って、恋仲になるとか…すごいなあ。
弟子の新吉が、献身的で、なのに師匠が疑心暗鬼で、非常に可哀想です。

女師匠・豊志賀さんも可哀想なんですけどね。
ちょっと自業自得に思えるところもあって。
でも、病気故かな。
それに疲れてしまって、逃げ出してしまった新吉も、責められ無いです。
お久を無事送り届けたら、きっとそこで気を取り直して、新吉は戻ったと思う。
「なんだかんだいったって、あの人にはあたしが必要なんだから…」って言って。
たまたま、巡り合わせが悪かったんでしょう。
それが、物語というものですが…。


【女伊達】
踊りの演目。
孝太郎さん、お父さんのような美しさはありませんが、愛嬌があって素敵でした。
踊りって苦手なんですが、飽きずに見られたのは、孝太郎さんのかわいらしさ故です。

それから見分けられませんでしたが、橋之介さんの次男さんが男伊達のお一人でした。
時の流れって…早いですね(^^;;



通しものでない歌舞伎を見るのは初めてでしたが、とても楽しかったです。
年に一回くらいは、頑張って行ってみようかな〜。