壽初春大歌舞伎「雷神不動北山櫻」

壽初春大歌舞伎
通し狂言

雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)
  市川海老蔵五役相勤め申し候

  発 端    深草山山中の場
  序 幕    大内の場
  二幕目    小野春道館の場
  三幕目第一場 木の島明神境内の場
     第二場 北山岩屋の場
  大 詰第一場 大内塀外の場
     第二場 朱雀門王子最期の場
     第三場 不動明王降臨の場


座席は、3階右。
舞台上手が見切れてしまう席です。
また、早替えもちらっと見えたりする席ですが、花道で見得を切るところなどは正面で、結構美味しいところもありました。


はじめに、海老蔵さんの口上がありました。
新年のご挨拶や、演目の説明などのあと、「にらみ」というものをやってくださいまして。
浮世絵とかの役者絵で見たことはありましたが、本当にあんな目をするんや!とびっくり。
いわゆる絵の誇張かと思っていたのですが、違ったんですね。
なんか、縁起物見た感じです。



演目の感想は…。
市川さんちの歌舞伎は、こういう風なんだなあ…。


これまで、歌舞伎は2回見ましたが、いずれも中村さんち。
勘三郎さんの歌舞伎は、結構客いじりがあったり、台詞も自然だったり、ぴょんぴょんと飛び上がったり。
…というイメージで、あまり伝統芸能っぽく感じたことがなかったんです。
見得を切ったりはするけど、なんだかんだいって現代に通じる面白いお芝居、という印象でした。


でも、市川さんちのは、伝統文化を重んじている歌舞伎という印象です。
歌舞をふんだんに取り入れている感じ。
軽やかな動きと言うよりは、優雅とか典雅とか言うほうがふさわしい感じでしょうか。


海老蔵さんが五役されているのも見所ですが、早替えが少ないのがちょっと残念。
大詰め第三場は、もっと場面転換が早いと「おお!」となるんでしょうけど、待ちが長く感じました。
ここ、あえて五役にせず、ぱっと変わる方が面白いんじゃないかと思うんですが、それは素人故の意見なのかも。


通し狂言ですが、場面の繋がりがちょっとわかりにくかったりもしたので、番付がないと難しかったです。
むしろ昼の部の「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」などの一幕を観た方が面白そうかも。
機会があれば、幕見席で観てみようかと思っています。