「レ・ミゼラブル」('13/9/12ソワレ)

††キャスト††
ジャン・バルジャン 吉原光夫
ジャベール 福井晶一
エポニーヌ 平野綾
ファンテーヌ 和音美桜
コゼット 若井久美子
マリウス 原田優一
テナルディエ KENTARO
マダム・テナルディエ 森公美子
アンジョルラス 野島直人

ガブローシュ 松井月杜
リトルコゼット 原田くるみ
リトルエポニーヌ 木村青空

司教 田村雄一
工場長 石飛幸治
バマタボア 宇部洋之
グランテール 丹宗立峰
フイイ 神田恭兵
コンブフェール 原慎一
クールフェラック 高舛裕一
プルベール 杉野俊太郎
ジョリ 川島大典
レーグル 持木悠
バベ 櫻井太郎
ブリジョン 森山大輔
ラクスー 土倉有貴
モンパルナス 大津裕哉
ファクトリーガール 池谷祐子
かつら屋 般若愛実
買入屋 柳本奈都子
マダム 吉川恭子
女 浅野実奈子
女 藤咲みどり
女 石田佳名子
女 穂積由香
女 岡井結花
女 松本ほなみ




大阪フェスティバルホールにて。
平日ソワレのため、「もしかしたら行けないかも…」と3階席を取りました。
舞台が遠い分、映像による背景のあら(粒子の粗さ)が見えず、絵画のような美しさを堪能できました。
あとは、拍手の素晴らしさ。
1階席でも、わかるかもしれませんが…、フェスは本当に拍手の反響が素晴らしいんです。
以前のフェスでは、1階席ではいまいちわからなかったんですが、2階席に座ったときに何より拍手に感動したんですよ。
その時はコンサートでしたが、歌い手さんが「フェスは神が作ったホール」と仰っていた意味がわかった気がしました。
新しくなっても、その素晴らしさは変わっていなくて、本当によかったです。
また、フェスは大きすぎるんじゃないだろうか…と心配をしていたんですが、梅芸より見やすくて音もよかったように思います。
1階席の最後方だと違うかも知れないけど…。

ふかふかの赤い絨毯(レッド・カーペットなんて言い方は相応しくない豪華さ!)が敷かれた大階段。
シックな照明に、3階まで吹き抜けのロビー。
左右にボックス席があって、極上のホールとなっておりました。

レミもよかったけど、フェスティバルホールそのものが素晴らしくて、それだけでも一見の価値ありです。
最初は、レミがフェスで上演されるのは、「なんでわざわざ?」だったんですが、今はフェスでやってくれてありがとー!です。
そうでなければ、新しいフェスに来る機会はきっとなかったでしょうから。

レミの感想を書く前に、ホールについて語ってしまいましたが、やっぱりフェスは良いホールでしたvv



さて、ここからは、レミ本編の感想です。
マイクの関係か、ホールの関係か、どちらが原因かは分からないのですが。
歌声がとっても響いています。
エコーが効いている? それとも、ホールの反響がすごいの?
でも、聞いている分には心地よくて、よかったです。

そして、先にも書きましたが、画面が美しいです。
仮出獄のバルジャンが、農村で働くシーンなどは、「落ち穂拾い」のよう。
「Stars」の時の星空も綺麗でした。
帝劇で見たときは、(これも先にも書きましたが)画像の粒子が粗くて、あまり美しいとは思えませんでしたが、3階席からだととっても素敵でした。

コーラスなどのまとまりは良くて、一つの作品として、質の高さを感じました。
ただし、上質、という感じで、圧倒的な迫力とまではいかなかったですけど。


■バルジャン
やさぐれ感が素晴らしいです。
野性味あふれるバルジャン。
歌は全般に、よかったです。
声もよく出たし。
「彼を帰して」だけ、細い声を作ろうとしすぎて?アニメ声っぽい感じが付与されたのが残念。
コゼットと別れてから力が抜けていく感じ、良かったです。
でも、もっと慈愛あふれるバルジャンだといいな。


■ジャベール
歌がどれも良かったです。
「星よ」も「自殺」も、気持ちも入っていてとても良かった。
これが聞き納めなんて、残念すぎるー。

演技は、やっぱり初めは真面目なお巡りさん。
悪への嫌悪は感じられません。
ファンテの手を振り払うのが、ものすごく不自然に感じるほど、いい人オーラ出ています。
バルジャンを追うのも、宿命とか使命とか、そこまでは感じられないかな。
目の前に現れたから捕まえよう…という感じ。
それが、バルジャンに助けられて心が揺らぎ、ガブの遺体を見て更に心が動き…自殺に繋がったように思えます。
その辺り、ラッセル・クロウ寄りだなーと思った前回の感想から変わらず。

ただラッセル・クロウだと、ジャベは自殺しなくてもいい気がしますが、福井さんのジャベはやはり死ぬしかない気がします。
それは、真面目で誠実な人だから。
そういう形でしか、決着をつけられなかったんだろうと思いました。

ところで、今回、幕間で「ジャベールの人めっちゃうまいな!」と言っている人がお出でになりました。
そやねーと聞き流していたんですが、その方の次の発言に、思わず声を上げて笑ってしまいました。
「映画と全然違うやん」
すごいぞ、福井さん。ラッセル・クロウ超えだ〜!


■ファンテ
声が綺麗でした。
薄幸の美女らしい歌声でいい感じでした。
新演出では、ベッドから下りなくなったんですね。
前回、そこを見落としていたかも。
そして、ラストのお迎えは、ロングヘア?
綺麗なときのファンテ、という演出でしょうか??
でも、ここは、映画と同様、旧演出と同様でいいと思うんだけどな。


■コゼット
コゼットも透明感のある声でした。
「心は愛に溢れて」のラスト、ちゃんと上がりきっていました。
でも、「夢ではないわーーーー」が「夢ではないわーっ」と短くしかもラストがぶちっと切れた感じだったのが残念。
さらに、2幕のコゼ×マリ×バルジャンの三重唱では、若干音がずれていた…。


■マリウス
美声でしたが、飛び出して目立つ!ということはなく。
学生達の一人として、お上手でした。
ただし、カフェソングは、良かったです。
…あの演出(キャンドルサービス)が無ければもっと感動した気がする。


■アンジョルラス
初め、俳優さんを確認していなくて、上原さんだと思いこんでいました。
マリウス同様、飛び出して目立つということはなく、学生さんのお一人。
よく見れば、あ、アンジョだ…という感じ。
このフレーズ、旧演出ではアンジョだっけ…今回は、別の学生が歌っているんだなあ…あれ?アンジョだった、という感じで。
上原さん、いまいちカリスマ性とか感じられないなー、三階席までは声も届かないかー、若干マリウスに負けてる時もあるじゃん!
…って思って、幕間で確認したら、野島さんでした。
これには、かなりびっくり。
動画で聞いた(製作発表の時?)の「民衆の歌」がかなりふらふらで心許なかったのですが、普通にお上手になっていたので。
ところで、アンジョはいつバリケードの向こう側に落ちたのでしょう?


■エポニーヌ
マリウスが好きなんだけど、素直にそれを表せない。
わざと突っ張って見せる、いじっぱりな女の子。
そんな役作りに感じました。
私としては健気なエポが好きなのですが、こういうエポもありですよね、と見ていたんですが…。
「恵みの雨」の演技が、私にはダメでした。
ついでに言えばその前にマリウスを庇うところ、庇っているように見えなかったのもマイナスポイントです。
マリウスが撃たれそうになって、駆け寄って巻き込まれた…という感じに見えた。
もしくは、庇おうと思ったけど、マリウスが自分でよけたので、飛び出した意味無し…といってもよいかと。
その時点でかなり残念だなーだったのが、「恵みの雨」で更にマイナスに。
傷ついて、痛みに呻く演技が、あまりにも大袈裟。
身体が跳ね上がっているんですよね。
痛みに耐えきれず、思わず声が出てしまった…という感じではなくて。
麻酔無しで手術をしていて、暴れている感じ?
あまりのことに、一気に冷める。
ここは、改善した方が絶対よいと思いました。


■リトルコゼット
前回東京で見たときのリトルコゼットが酷かったので、期待していなかったんですが、普通によかったです。
ちゃんと歌えるって、いいね!


■リトルエポ
マダムと同じ動きをしているところが可愛かったです。
この日は、九時を過ぎてからカテコだったので、子役さん達が出てこられなかったのは残念。


■テナルディエ夫婦
マダムは、登場しただけで空気が変わって、さすがの存在感でした。
テナもマダムとお似合いで、結構いい感じのご夫婦でした。


■学生
粒ぞろいで、良いお声。
みんな、お上手だなーって思います。
ハズレの学生さんがいないのが嬉しかったです。


カテコでは、福井さんと吉原さんがハイタッチしてがっしり抱き合っていました。
こういうのいいですね!
一階席は見える範囲、スタンディング。
しかし、平日ソワレだったせいか、長々と拍手が続くことなく、比較的あっさり。
次回は、休日。
福井バルジャンと吉原ジャベールです。
楽しみー!