「ミュージカル カルメン」('14/6/21マチネ)

「ミュージカル カルメン



††キャスト††
カルメン 濱田めぐみ

ホセ 清水良太郎
ガルシア 米倉利紀
カタリナ 大塚千弘
預言者 JKim

イネス 香寿たつき

市長 別所哲也

スニガ SHUN
インマル Spi

逢沢優/上垣内平/西川卓/堀江慎也/三井聡/森山大輔/香月彩里/小嶋亜衣/白木原しのぶ/伯鞘麗名/松島蘭/美鳳あや



音楽:フランク・ワイルドホーン
脚本:ノーマン・アレン
歌詞:ジャック・マーフィー
演出:小林香


天王洲 銀河劇場



マチネ公演。
上演時間は、休憩含めて2時間40分(予定)。
座席は、1階D列の上手サイドブロックのやや壁寄り。
銀河劇場は、E列からが段差ありで、ちょっと見えにくい感じ。
更に、端っこに近いので、上手奥が見えにくかったです。


冒頭シーン。
オレンジ色の光線にシルエットで浮かび上がる人影。
ちょうど「アイーダ」でヌビアから連れて来られた女たちが桟橋を降りているシーンの様な感じです。
こういうシーン、綺麗で大好き。
アイーダと違って、絵画のように止まっているのも素敵でした。

ストーリーは、オペラとは違い、結構びっくりしました。
なんだか、カルメンが実は一途…という感じで、ラストも健気モード。
私としては、悪女のカルメンを期待していたので、少し残念と言う感じ。
健気な一面もあって良いと思いますが、移り気で気ままな女だからこそ、ラストの悲劇性がいきると思うのですけども。


不自由で、こういう風にしか生きられなかったカルメン


プログラムにはそうありましたが、不自由な中でのし上がっていく強さがあって欲しかったな。
今回の舞台で楽しみにしていたのは、そういう強烈な色のついたカルメンだったので。
悪の華のような、黒いカルメンを見たかったなあ。


以下、個別の感想。

カルメン
はじめの方は、あばずれ感がすごい。
ホセを誘惑しようとしたり、小馬鹿にしたり。
しかし、ホセに「守られた」というところから、いきなり一途な小娘に変わるんですね。
カタリナ(ホセのフィアンセ)と、「ホセを守ろう」と約束したりしているのを見ていると、カルメンってカタリナとそんなに年からへんの?
そう考えると、ラストシーンも、納得できるし、イネスに「あたしがあんたみたいなるの?」というのもわかるんですが。
貫禄があって、ちょっと小娘には見えない(^^;

アイーダだって、小娘だったんだよなあ。
それ、ちゃんと伝わってたんだけど。
相手役が若すぎるから、若い男の子をもてあそんでいる年上の女って風に見えてしまうのかな。

歌は、やっぱり迫力あります。
フラメンコも頑張っていらっしゃいました。

でも、濱田さんの色を出すなら、やっぱり悪女で、ホセをもてあそんで、最後には裏切る…そんなカルメンが良かったかな。


■ホセ
テレビとかで見ていると、もっと歌がお上手かと思っていました。
いや、決して、下手って訳じゃないんですけど、かなりお上手だと思っていたので、意外だなーって感じ。
音がふらふらしている?と感じるところもありました。

カルメンに知らず知らず引きつけられ、守ってやらねば…となる辺り、納得できる感じです。
「何も恐れない。君が愛してくれなくなる以外は」みたいな台詞があって、ラストへの伏線か!と思ったら、違いました。
なんというか、「坊や」って感じです。
でも、カルメンのために一生懸命です。

やはり、このままオペラのように裏切られてしまって…というホセが見たかったかも。
似合うと思うんですよ。


■ガルシア
もっと怖いと良かったかな。
どんなに凄んでも、怒鳴っても、本質的な部分で怖さを感じなかったです。
カルメンを「モノ」としか見ていない、冷徹、冷酷、非道な人物らしさがもっと出てくれば、カルメンの不自由さも生きたと思う。
歌うと、どこかに爽やかさが感じられて、ちょっと違うなあ…。


■カタリナ
ただのお嬢ちゃんかと思ったら、カルメンと分かり合ったりして、意外と強い。
でも、印象は薄いです。


預言者
運命を語るみたいな役所?
この人は、存在しているのか、それとも別次元の人なのか。
カルメン預言者を見るし、預言者カルメン達の運命を歌うし…。
でも、言葉を交わすわけではなく、異空間に存在しているみたいでもある。

もともと占い師だったのを、預言者に変えたのだそうですが、サーカス団の占い師が時折、運命を歌う…でよかったのでは?


■イネス
イメージは、「ラ・カージュ」のジャクリーヌ。
正直、香寿さんの使い方、もったいない!
そして、役柄としては、カタリナの伯母で、かなり年上らしいんですが。

若いよー。
すごく綺麗だし、おばちゃんには見えない。
声の出し方、演技で、おばちゃんに見せているけど、見えない。

森くみさんとか、やったら似合いそうかも。


■市長
安定していました。
実は腹黒くて、悪い奴というのが、すんなり納得できます。
ガルシアもこれくらいだとよかったのになー。


■インマル
良い奴なんですが…。
なんだか、ちょっと台詞が軽くて。
ホセの唯一の味方で、もっと良い役になるはずなのにな。
残念。


うーん、こうやって書くと、全般に残念…って感じですが。
何より、ストーリーそのものが、「え〜」って感じだったので。
そういう話だと分かった上で、もう一度見たら、感想は変わるかもしれません。

男性ダンサーさんの中に、お一人すごく綺麗な動きの方がいらっしゃって、見応えありました。
その辺も二度見ると、もっと楽しめるかも(^^)