「アイーダ」名古屋公演通算300回公演

††本日のキャスト††
アイーダ 雅原慶
アムネリス 佐渡寧子
ラダメス 田邊真也
メレブ 有賀光一
ゾーザー 飯野おさみ
アモナスロ 川原洋一郎
ファラオ 石原義文
ネヘブカ 勝間千明

男性アンサンブル
朱涛/田井啓/清川晶/品川芳晃/中村巌/桧山憲/川村英/影山徹

女性アンサンブル
恒川愛/井上佳奈/花田菜美子/濱田恵里子/川井美奈子/駅田郁美/岡本有里加



2ヶ月ぶりのアイーダ
井上智恵さんのアイーダと、田邊さんのラダメスの掛け合いを見たかったのですが、その期間には行けず、残念でした。
メレブ、ゾーザー、アイーダが、順番に2週間ずつお休みを貰われた感じでしょうか。
これがローテーションだとしたら、アムネリスも、近々光川さんに戻られるのかな?
そして、ラダメスもどこかでお休みを取られるのか…それともWSSが終わって阿久津さんと交替されるのか…。
などなど邪念は入りますが、そういうことは全部おいといて、井上さんのアイーダと田邊さんのラダメス、見たかったなあ…。



アイーダ
冒頭から中盤まで、総じて不機嫌というか、仏頂面というか、表情が怖かったです。
ラダメスやメレブを真っ正面から見ず、斜に構えて、唇を噛みしめ、悔しそうな顔。
それが、心を許していくと、ふっと優しくなったり、可愛くなったり。
頑なな王女が、心を開いていく様子が見えたかな。
洗濯の後の「わかりません…」が、本当に自分の心が見えなくて迷っている感じがよかったです。
「もう一度言ってくれ…命令だ」の後のやり取りが、心を許しあった感じでよかったです。
もうちょっと、ラダメスへの愛の深さが伝わると、もっと良いんだけど…というのは、私の個人的な感想です。

「ローブのダンス」と「神の愛するヌビア」は、共にラストの音を上げていらっしゃいました。
「ローブ」の方は、音が上がることで、気持ちが高揚する感じ。
これまで、名古屋の秋さんアイーダでしか聞いたことが無かったのですが、ぞくりとする感動。
若干、悲鳴に近いような声ではあったのですが、その分、想いというか覚悟が伝わった気がしました。
「神の愛するヌビア」の方は、初めて聞いたバージョン。
びっくりもしましたが…、こちらは初めて聞いたせいもありますが、通常バージョンの方がいいなあ…と思いました。

ラダメス、アムネリスが、華奢な分、ややふっくらしたお顔のアイーダが、悪役風にも見えてしまいました。
舞台に近かったため、頬と首の境目に虫さされのようなふくらみがあるのが見えて、気になりました。
あと、アイメイクが、エジプト風で、まさに「ホルスの目」の縁取りで凄かったです。
エジプトの壁画とかから抜け出してきたアイーダでしたw


■アムネリス
綺麗でした。
歌は、はじめの方はちょっとパワーダウン?と感じました。
あと、CDで聞く、伸ばした部分で音を上げるのがなく、高音がきついのかな?とも思いました。
「時は古代エジプトの〜」で上がるところとか、「運命に導かれて〜」で上がるところとか。
「真実を見た」は切なくて良かったです。
心情が伝わって来ました。

可愛くて、綺麗で、大人の女性で、最後は女神。
最後の許しの笑顔は、神々しかったと思いました。


■ラダメス
「勝利ほほえむ」が、セクシーな感じになってました。
兵士たちも若々しく感じられ、ちゃんと彼らのリーダーである様子がうかがえました。
前回からは、だいぶ、イメージが変わりました。

でも、やっぱり爽やかで、気品があって、誠実そうだというイメージは変わらず。
ときどき、セリフを忘れた?というくらい、間が空くことがあって、ちょっとドキドキでしたが、たぶん、演技プランなのでしょう。
「嫌なヤツ」にはなりきれない、根っこの部分でいい人、というのがよく見えました。
アムネリスの寝室に来てアイーダに謝るところ等、本当に真っ直ぐな人柄。
ゾーザーに対しては、子どもっぽいところもあるかな。
晩餐会で、結婚の祝いを言いに来た男性に対して、仏頂面だったのも、お子さまです。
(他のラダメスは、父親以外には、不満そうな様子は見せなかったので)
あと、一箇所だけ、「やなヤツだな」と思ったところ。
アムネリスが「私たち話題にさえことかく間柄だって事?」と言った後の「うざいなあ…」という表情。
いや、素直に気持ちなんだろうけども、こいつ酷いヤツやな…と思ったのでした。

歌は、高音が苦手なんですね。
そして、ラダメスの歌って、意外と高音域なんですね。
アイーダとのデュエットや、コーラスになるところ、やっぱり弱くて、そこが残念でした。

あと、全然、関係ないけど…。
博物館で身につけている時計、黒のバンドが目立ってました。
前もこんなだっけ?少なくとも他のラダメスの時は、金属バンドだった気がする。
あれって、役者さんの私物なんかな?
ついでに、博物館で雅原さんを見るとき、まず目がぎょろりと動いていくのが、怖かった…^^;


■メレブ
可愛くなってました。
歌は、とっても聞きやすくて、心が籠もっていて、良かったです。

「奴隷の格好をしているのが見たいの?」と言われたときの慌てた顔。
その後の、厳しい表情への変化。

ローブを差し出すときの強い瞳。
受け取って貰った後の感謝の表情。

洗濯場でアイーダを見送るとき、ラダメスを見送るときの、辛そうな顔。
「あり得ない」を全身で言っているような。

「まさか、将軍から?」と言ったあとの、表情。
アイーダを責めているのではない。でも、苦しくて苦しくて仕方ない。

ネヘブカを失った後の、アイーダを見つめる目。
打ちひしがれて、「諦めて欲しい」と歌う声の切なさ。

桟橋でラダメスを見たときの、驚いた、そして申し訳なさそうな顔。
ラダメスの下に走っていくアイーダを、驚いて見送った顔。

くるくると変わる表情は、とても魅力的でした。
死に様は、激しいバージョンで、本当に苦しそうでした。
アイーダを守ろうと言うより、アイーダに縋り付いている感じで、「お役に立てず」はとても辛かった。
自分を責めている感じがしました。

メレブ、可哀想すぎた…。


■ファラオ
裁判の時、アムネリスの顔を見守るファラオが、慈愛にあふれていて悲しかった。
娘の成長を見て、安心しているような微笑み。
遺していく娘に、エジプトを託せるという思いと、一人にしてしまう事への申し訳なさと。
そんな想いを感じました。


■ゾーザー
作戦室での、アムネリスにたいする態度が、悪そう〜と感じました。
「非人道的だわ」と言われて、「ち、小娘が」という表情をするところ。
そして、すぐ、にっこりと笑うところ。

でも、最近、不思議に思っているんですが、ゾーザーは、何故ファラオを殺そうとしたんでしょう?
ラダメスに王位を継がせて、自分が権力を握るため?
既に、ファラオの信任を得て、宰相まで上り詰めているのに?
それこそ、自分がアムネリスと結婚することで、ファラオになりたい、とかならわかるんだけども。
ツタンカーメンの宰相アイのように。


■アモナスロ王
迫力あったー。
そして、「ヘヌか!」と言ったときの声が、ちょっと泣いていて良かった。
「ヘヌ」という人とアモナスロとの関係が見えるような気がしました。
(たまたまなのかもしれないけども)


■アンサンブルさん
ゲバイヤさんは、やっぱりジャンプが高い!
ネヘブカさんが連れて行かれるとき、アイーダの口をふさぐのは、田井さんでしたが。
お許し下さい王女さま、は別の人が言ってました。
見間違いかな?
ついでに、この時、アイーダからは、全然、エジプト兵の様子が見えないです。
はじめに女性に剣が突きつけられたとき、周りの空気がざわっとなって、アンサンブルさんたちの隙間から、アイーダはそちらを覗きます。
そのときには、メレブが剣を突きつけられていて。
そのあと、諦めた風でエジプト兵が出ていくときにはほっとして、赤ちゃんを抱いた女性に何が起こったか、全然見えていない。
だから、ネヘブカが飛び出したとき、一瞬、何が起こったかわかっていなかった。
あの人垣、意外と、しっかりしてた。ちゃんとアイーダを隠せていたんだなあ…と今更。



■クリスマスカテコ
ネタバレになりますが…。
公式にもあるように、まず、アムネリスが、光る球体を持って登場。
きよしこの夜」を英語で歌います。
続いて、客電がついて、視界のはしっこに歩いてくる人影が。
上手サイド通路にラダメス、下手サイド通路にアイーダ
二人が、日本語で「きよしこの夜」を歌いながら、舞台へ。
(今まで見たことのない階段が両サイドに設置されていたのですが、このためにあったのかと納得)
三人が舞台中央で、ラスト部分をハモって、最後、アムネリスが手に持っていた明かりを吹き消して終了。
そのあと、上手にはけるラダメスとアイーダ。下手にはけるアムネリス。
一人で帰るアムネリスが、可哀想でした。

続いては、ゾーザーによる「ホワイトクリスマス」。
博物館での衣装に着替えたアンサンブルさんたちが登場し、コーラスに加わります。
アムネリスとファラオも登場します。
…メレブとアモナスロ王の姿が見えませんが??
アンサンブルさんたちは、それぞれ、カップルの人たちはカップルになっていて、田井さんは歌の最後で勝間さんをぎゅっと抱きしめていたのが素敵でした。
(他のカップルさん達は、そういう動きが見られなかったような)

そのまま、終わりかなあ…と思っていたら、ホルスの目のソリ(電飾付き)を引っ張ったメレブ(サンタ帽子にトナカイの角付き)が登場。
ソリには、サンタ帽子をかぶってサンタ風ボレロを着たアモナスロ王がw
皆さまから「メリークリスマス!」とお声がかかって終了でした。

が、もう、めちゃめちゃトナカイメレブが可愛かったです!
完璧な出落ちで、してやったりの表情。
おいしいとこ持っていくな〜、メレブw