「私のDarlin'」2013/4/20ソワレ

††キャスト††
黒木瞳 橘夢子/ルレーヴ

石川禅 小谷仁/ヴェット
坂元健児 竜崎龍二/ドラゴン
音羽麗 竜崎麗香/グリッター

町田慎吾 浅井良雄/グッド
古川雄大 立石大輝/ブライト
村井良大 青木悠真/トゥルー
大河元気 森本隼人/ファルコン
愛原実花 吉岡美咲/ラブリー

玉野和紀 隅田川虎衛門(橘純一郎)/アーザー

福永悠二/藤原桂香 “LOVE FATE”の店員


作・作詞・演出・振付 玉野和紀


サンケイホール・ブリーゼで観劇です。
1階席の下手ブロック、通路側でしたので見やすかったです。


夢子と虎衛門は夫婦で、間もなく出会って10周年。
10周年記念パーティの準備をしながら、思い出を振り返る…という形式です。
右隣の獣医、仁ちゃん。
左隣の夫婦、龍二と麗香さん。
夢子は便利屋をやっていて、自宅は事務所もかねているため、従業員や両隣の住人、虎衛門の担当(虎衛門は小説家)なども気軽にリビングに入ってきます。
10周年記念のパーティでは、自分たちや彼らをモデルにした小説を発表することになっていました。
しかし、その小説を巡って、虎衛門と夢子はちょっとした喧嘩をしてしまいます。
「ちょっと散歩に行ってくる」と出かけた虎衛門。
そして、翌日。


冒頭は、二人の出会いからでした。
舞台奥に噴水があったのですが、二人で噴水に落ちたのにはぴっくり!
勢いよく水が「ざばーん!」

そのあと、噴水の鯉たちが歌い踊るのは、なかなかにへんてこりん。
そこで、両隣の住人達が紹介されるという演出でした。

そのあとも、二人の出会いは運命か?という実験(←なんだそれは?と思いましたがw)でも再び噴水に落ちる二人。
この時は、お風呂に入っていたと、髪を拭きながら再登場でした。


設定として、夢子はみんなから頼りにされているしっかり者で明るい元気者。
虎衛門はあんまり売れていない感じの小説家で、夢子をとっても大事にしている優しい人。
なんですが、私だったら夢子とはあんまり友達になりたくないなあ。
「夢子さんは絶対」「夢子さんは正しい」という雰囲気があって、夢子自身も「私が正しい」と思っている節が感じられる。
このお話では周りがそう思っているからいいけど、自分の友達だったら「自分のことは何とかするからほっておいて!」と言いたくなりそう。

でも、虎衛門は優しいんですよね。
私には自分勝手にしか見えない夢子のすべてを包み込んで見守っている感じに見えます。
まあ、そういう虎衛門だからこそ、夢子も自由奔放に生きていけるんだろうなあ。
チラシを見たときには、メイクぎんぎんだった玉野さんですが、舞台では前髪をおろしていてラフな格好で、自然体で素敵でした。
(メイクはもしかしたらぎんぎんだったかもしれないですが、客席から見る分には自然だったんです)
最後まで、とことん優しくて、切なかったです。


二幕では、不可思議な世界「LOVE FATE
天から降ってくる台本を演じる人たちの世界です。
台本は、書いた本人にしか変えられない。

冒頭は、タキシードを着て、ハットを被り、ステッキを手にタップを踊る皆さま。
玉野さんと黒木さんのデュエットもあり、玉野さんのソロもあり。
さすが玉野さん…というタップがたっぷり。

台本がふってきてからも、玉野さんと黒木さんのタップがあって、見応えがありました。
(一幕でも、二人のタップはありました)

この世界は、非現実世界である…ということを示すかのように、机、椅子、プレゼント、噴水、そういったものがすべて紙に書いた絵のようです。
その世界で、台本を変えようと奔走するルレーヴ。
最初こそ、「一幕とどう繋がる?」でしたが、すぐそれもわかりました。
ここでも、やっぱり自分勝手に見える夢子。
そして、やっぱり優しい虎衛門でした。


お話自体は、結構ベタな感じかな。
随所にタップがあったり、お遊びがあったり、楽しませてくれる要素がいっぱい。
お話だけを繋いだら、結構薄いお話かもしれません。
でも、見終わったときには、そのベタなお話にしっかり泣かされてました。
自分勝手な夢子だからこそ、ああいうことをやろうとしたのだろうと思います。
何でも思い通りにできると思っていたからこそ、運命だって変えてみせると思ったのだろう、と。


ちなみに、お遊びは…。
坂元さんのアクロバット。(宙返りに半ひねりが入っていた気がする)
古川さん、村井さん、大河さんの「テニスの王子様」ごっご。(「氷帝」とか言っていた)
愛音さんと黒木さんによる「ベルサイユのバラ」ごっこ。(もしくは宝塚ごっこ

あと、お遊びではないと思いますが、坂元さんのロングトーンもありました。
プログラムには、石川さんによる「同じ劇団の先輩でもっと長いのを聞いたことがある」というコメントがありましたが。
それって、きっと山口祐一郎さんだと思われるw

もひとつ、玉野さんの無茶ぶりだと思われる「六甲颪ゲーム」というのもありました。
毎回ネタが違うんじゃないのかなーと思わされましたけども。
惜しむらくは、「六甲おろし」の歌詞がワンフレーズしか歌えず、音程も間違っている部分があった。
大阪でやる以上、ここはしっかり下調べしとかなあかんやろ?