「アイーダ」



††キャスト††
アイーダ 雅原慶
アムネリス 佐渡寧子
ラダメス 田邊真也
メレブ 有賀光一
ゾーザー 飯野おさみ
アモナスロ 川原洋一郎
ファラオ 石原義文
ネヘブカ 勝間千明

男性アンサンブル
朱涛/田井啓/清川晶/品川芳晃/中村巌/桧山憲/川村英/影山徹

女性アンサンブル
恒川愛/井上佳奈/花田菜美子/濱田恵里子/川井美奈子/駅田郁美/岡本有里加



2012年観劇納め。
カウントダウントーク目当てで行ってきました。
最前列を譲って頂き、目の前でメレブーvvという至福の時を何度も過ごしつつvv
残念ながら、カウントダウントークは、メレブ登場とはなりませんでしたが、興味深いお話が聞けたので良かったです。

そして、前回は下手でしたので、だいぶ視点が変わり、観劇自体も楽しいものとなりました。
下手からだと後ろ姿しか見えなかったメレブの横顔とか正面顔とかが見られるんですよ。
それ以外でも、今回の観劇で、いろいろと思ったところがありましたので、そちらを簡単に…。
この日の感想なので、別日だとまた違う感想が出ると思われます。


■ラダメス
理知的な将軍でした。
非常に頭良さそう…。
きっちりと物事を計算しており、部下たちへの指示も的確。
アイーダがばたばた暴れているのに対しても、余裕の表情。
「私のがある。遠慮はいらぬ」も力でねじ伏せている感じではなく。
一人二人を斬り殺したところで、状況は変わらないが?それでも、剣で斬るかな?という感じでしょうか。
「お前はもう奴隷だ」というセリフでもそうですが、現在の状況を見て行動するようアイーダに促す感じでした。
その辺も含めて、「理知的」。
しかし、理性で捉えられない事への対応が苦手。
自分の中の「感情」をうまく制御できていない。
感情に引きずられて行動はしたものの、どうやっていいかわからず口ごもってそのまま逃げてしまう…。
成る程、と感じさせられるラダメスでした。
アムネリスの寝室から去るときや、「私の国の王なのよ…」と言われて何も言えずに去るときなど。
理性で考えると、自分の行動の矛盾点が見えるから、何も言えなくなってしまうのかなあと。

ただ、そういう役作りの上で、「こいつ…っ!」だけはちょっと合ってない感じを受けます。
ラダメスが怒るのってそこだけなんですよね。
桟橋の「すべてが嘘だった!」は怒ってるというより苦しんでいるし。
「こいつ…っ!」も納得できるラダメスになったら、もう完璧wなんて、勝手に思ってます。
(歌声はちょっと苦手なところもありますが。演技は素晴らしいですから)

あ、でも、この日限定で。
裁判のシーン、アムネリスが退場した後、アイーダと目を合わせて「ふーっ」と溜息をついたんですけど。
これは、ちょっと、嫌でした。
アムネの言葉に反応するなら、アムネの成長に驚くとか、感謝するとか、そういう演技であって欲しいんですよね。
そこだけはアムネへの気持ちを表して欲しい。
でも、あの溜息は、自分のこと、そしてアイーダのことしか考えていない溜息だったから。


アイーダ
この日で、だいぶ、印象が変わりました。
前回は、強面とか、そんな風に書いた気がしますが…。
この人、ずっと突っ張ってるんだな、と。
自分のせいで、侍女たちを危険にまきこんだ。
そのことに対して、罪の意識を持っていて、自分を責め続けているのだろうと思いました。
敵の将軍に対しては、弱みを見せまいと突っ張っている。
でも、決して「アイーダは素晴らしい」という程の人でもないような気がします。
ローブのダンスで、ヌビアの民たちの純粋に王女を求める気持ちに触れ、変わりはじめる。
神の愛するヌビアでは、見事に王女として人々を勇気づけるけれども。
実は、彼女は、ちょっと気の強いだけの人ではないのかな。
気の強い…いや、実際は弱いんだけども、強い振りをしている人。
ちょっと、そんな風に感じたアイーダでした。


■アムネリス
歌は前回よりは迫力がありました。
演技は、安定しているけども。
裁判のシーンは、前回とちょっと違いました。
どこがどう違う?と言われるとわからないのですが…。
前回は、ファラオがあたたかく見守る感じだったのが、今回は気圧されているように感じました。
ファラオさえも圧倒する迫力、という感じでしょうか?
博物館の最後の微笑みが、あたたかく優しく、印象的でした。


■メレブ
違うかも知れないけど…違うかも知れないけど…。
スパでの、アイーダの振る舞いはすべてメレブの仕込みと感じました。
ラダメス将軍の話を、こういう形で持ち出せばよいですよ、とか。
ファッションに興味がある王女だから、染め物の話題はいけますよ、とか。
「これがアムネリス王女です」と指差して示すところや、裁縫部屋に引っ込むときの笑顔など、メレブが仕込んだと考えられそうだなあ。
「ローブのダンス」に繋がる「私に何を求めるの?」からの流れは、「では、お見せしましょう。何を求めているのか」というように感じます。
アイーダが逃げ中央に引き戻したときに、ぐっとアイーダの肩を掴むのも「これが私たちが求めているものです!ご覧なさい!」という気持ち。
やっぱり、メレブがいなければ、アイーダは王女として立てなかっただろうなあ。
そんなメレブの最大の失敗が、ラダメスとアイーダを近づけたこと。
ラダメスのいいところを言ったり、ラダメスを気にしているアイーダをちょっと面白がったり…。
二人が恋に落ちるなんて絶対ないと思っていたから、何気なくやったこと。
無論、メレブがいなくても、二人は恋に落ちたでしょうが、メレブとしてはそれを察知してそうならないように手を打たなければならなかった。
それができなかった。だから、最大の失敗。


とりあえず、今回の印象に残ったところだけ。
他で言えば、目の前で見たゾーザー軍団、めっちゃかっこよかった!とか?
ゲバイヤさんは、直前までメレブと話し込んでいるのにいきなり元気に「ゲッバイヤー!」と飛び出すからびっくり!とか?
神の愛するヌビアのとき、赤ちゃんを抱いた女性の隣にいるのは朱涛さんじゃないのか?とか?
ネヘブカ、めっちゃかわいいー!とかw


そして、メレブは勿論なんですが、ラダメスがなかなか興味深くて、はまりそうですw