「アイーダ」初日

††初日のキャスト††

アイーダ 濱田めぐみ
アムネリス 佐渡寧子
ラダメス 阿久津陽一郎
メレブ 中嶋徹
ゾーザー 飯野おさみ
アモナスロ 石原義文
ファラオ 勅使瓦武志


男性アンサンブル
黒川輝/朱涛/田井啓/徳永義満/品川芳晃/中村巌/江田あつし/森健太郎


女性アンサンブル
加藤久美子/須田綾乃/宝生慧/杏奈/高橋亜衣/濱田恵里子/駅田郁美



一瞬の出会いから
人生を変えるような愛が始まる。


関西凱旋公演、と銘打った「アイーダ」が始まりました。
アイーダ、アムネリス、ラダメス、ゾーザーの4名が初演の初日と同じ。
さすが、凱旋公演…といったところでしょうか。


細かいところはいろいろとありますが、全体の大きな物語として、とっても安心して見ていられました。
とっても個人的には、「久しぶりに『アイーダ』を見たなあ」という気持ち。
本当に「アイーダが帰ってきた」と思える舞台でした。


特によかったのが、群舞です。
「ピラミッドを建てよう」
「ローブのダンス」
など、素晴らしかったです。


ゾーザー軍団、ヌビアの民、それぞれ、どのシーンのダンスも、迫力があって、本当に素晴らしかった。


あと、照明と音楽がピッタリ合ってるのもよかったです。
特に、「ピラミッドを建てよう」ですけど。


全体にゾーザー軍団に大柄な人が増えた気がして、それがまた迫力があって格好良いんですvv
見応えありましたわーvv



一方で、プリンシパルに関しては、歌がうーん?でした。
音楽に対して、前のめり?
心持ち、歌にはいるのが早い…ってことが多くて。


特に濱田さんと飯野さんで、そういう傾向が気になったかなあ…。
音響テープが、練習の時よりゆっくりなん?と思うくらいの、歌早め。


とはいえ、みなさん、存在感抜群で、素晴らしかったですけど。



■濱田アイーダ
先に書いたように、所々で早く出るなあ…という歌もありましたが…。
「ローブのダンス」でローブをもぎ取ってからの歌は、圧巻でした。
舞台上の生声が、2階客席まで届いていました。
すごい声…というより、思い。


そして、このシーンは、ヌビアの民の思いも半端なく伝わってくるんです。
お互いの思いがぶつかりあって、あのシーンになってるんだなあと思います。


「神の愛するヌビア」も同様。
一人歌い始めたアイーダの思いに呼応していく人々が素晴らしかったです。


また、メレブの手をふりほどくときの表情。
自分で自分の気持ちを測りかねる思いが出ていてよかったです。


「星のさだめ」では、歌は勿論よかったですが、ラダメスから「僕の願いも聞いて欲しい」と言われたときの表情が好き。
ラダメスが何を言うのか、わからないけれど辛そうな表情で、それが「国へ帰れ」で本当に驚いて。
「…どういうこと?」
どこまでも、自分を思ってくれるラダメスの思いに、また、心が引き裂かれるようで、それでも、為すべきことがあるから去っていく。
強くて弱いアイーダ


裁判のあとの、「迷いつつ〜リプライズ〜」は、自分に語りかけるように淡々と歌い始めるのが好きです。
ひとつずつ、自分のしたことを確認しているように感じます。
そして、結論として、「この道しかなかった」と確信したように感じます。


あ、そうそう。
ラダメスからお守りを貰ったときの演技は可愛かったです。
恋人からプレゼントを貰って、はしゃいでいる女の子という感じで。
「愛してるわ…」はラダメスの背中に言ってるけど、聞かれたらぱっと照れた感じ。


「儚い喜び」も、可愛かったです。
でも、ちょっと…ドナっぽかった(^^;
「あなたは何百年も前から人が住んでいる場所へ行って、新しい土地を見つけたぞーって言いたいのよね?」
あたりの責め方が、なんとなく。
(密かに私の頭の中に「♪おーぼーえてるわーあの裏切りー」とか流れてましたw)



■阿久津ラダメス
将軍サマでした。
オレ様でしたw


アイーダが兵士を捕まえ、それに対し女達に剣を向け、「いかがですか?」って雰囲気のあのシーン、緊張感のある間でよいですよね!
船中ではとっても意地悪で、そのくせ、アイーダに生きる術を教える優しさ。(素直じゃないけど)
「私のがある。遠慮はいらぬ」は声を張り上げる訳じゃないのに、緊迫感があってよいです。


メレブを見つけたときは、手を大きく広げて、「帰ってきたぞー」アピール。
「みな女ですから、鉱山では一日と持ちませんよ」とゾーザーに意見するところは、ゾーザーの考えがわかった上での発言。


晩餐会で、杯を投げつけるところ、投げる、じゃなくて、地面に叩きつける、なんですね。
袖まで入らなかった杯を、奴隷さんが走って拾いにいき、そのまま退場。


「儚い喜び」では、「船から飛び降りて走るの」とはしゃぐアイーダに惹かれてるのがよくわかります。
アムネリスの寝室での「僕たちはもう9年も婚約をしているんだよ」(アムネの手をとってぽんぽん)は、相変わらずのたらしっぷりw
そのあと、アイーダに話しかけるのは声を潜めていて、こそこそしている感じが出てました。


で、全般にこの辺り(その後のお洗濯シーンも)まで、とってもオレ様な将軍サマが、「迷いつつ」で変わるのがよいです。
「わからないのか…」
前に見たときは、「わからないのか?(わかってるだろう?」って感じだったんですが、今回は、「わからないのか…(しょぼーん」って感じでした。
アイーダが好きで、一生懸命頑張ったんだけど、わかって貰えなかった?どうやったら伝わるんだろう…という気弱な感じ。
まさに「自信に満ちたいつもの俺」じゃなくなってしまったラダメスでした。


歌い始めて一歩近づくと、アイーダも一歩遠ざかる。
と、次の一歩を踏み出せない。
思い切って、もう一歩。
今度は、アイーダはそのまま。
よし、じゃあ、近づくぞー、と近づいて、触れようとすると逃げられる。
追いかけるけれど、まだ、不安で…という、この辺の機微、よかったです。


アイーダと出会い、変わっていくラダメスというのが、よく見えた気がします。
ゾーザーに刃向かうのも、「自分の人生が気に入らなければ変えればいい」というアイーダの言葉故ですよね。


ひたすら自信満々だったラダメスも嫌いじゃなかったけど、このラダメスも好きだな。


そして、「しはーい」はちょっと歌いにくそうではありましたが、ちゃんと声が出ていて、それだけでよかったーって思えるのって、どうよw



佐渡アムネ
歌が、今までより地声ぽく感じました。
ちょっとはじめは喉押しぽいかんじもありましたが…。
全般に迫力があってよかったです。


スパのシーンは、ものすごい緊張感で、この人が「装っている」ものがよくわかる感じです。
それが、アイーダの前ではぽろりと剥がれてしまう…というのも、よくわかる。
その剥がれる瞬間がきちんと描かれるので、アムネという人がよく見える感じ。
さすがだなあ…。


森川さんや鈴木さんのような可愛いアムネではない、アムネ。
王女らしい威厳があって、でも、そのうちには寂しさを秘めているアムネ。


基本、私は、森川さんのアムネが大好きなんですが、佐渡さんのアムネもよかったなあ。
解釈は違うアムネですが、佐渡さんのアムネも、好き。



■中嶋メレブ
台詞が…かくかくしてました。
歌は高音部が辛そう…。
歌で言えば、金田さんメレブが一番いいのかなー?
高音もすっと出そうだし。



■飯野ゾーザー
宰相サマ、「ピラミッドを建てよう」のダンスが格好良いです!
歌は、先にも書いたように、出だしが探り探りな感じ。
(音を探るんではなく、タイミングを探る感じ)


「ピラミッドを建てよう」のラストで、飯野さんが音を上げられたの初めて聞きました。
ちょっと辛そうでしたが。
「この父親にしてこの息子あり」もラストを上げて、で、ちょっと声がひっくり返ってしまってました。
飯野さんのこういう失敗は初めてだったのでちょっとびっくり。
でも、総じて歌は、心地よく聴けたのでよかったです。



■勅使瓦ファラオ
…って、マックスおじさん!
と、びっくりしてました。
SOMの千秋楽って、先週じゃなかったっけ??


声がよく通って、ちょっと若々しいですが、ファラオらしいんじゃない?と私は思いました。
典雅な雰囲気のある声だと思います。
アムネを見るときの目が、優しくてよかったなー。



■石倉ネヘブカ
個人的に、好きだったのが、「私たちに分け与えているのです、何もかも!」のところ。
元気いっぱいにアイーダに向かって、「もらったのー」アピールじゃなく、アイーダに声をかけて貰えて初めて「貰いました」って見せるのとか。
ちょっと遠慮気味で、アイーダの一歩後ろで控えている感じ。
それなのに、いざというときには、飛び出す強さ。
そんなネヘブカに感じました。



■アンサンブルさん
女性は見分けられず…。
杏奈さんがいたのが嬉しかったです。(見分けられなかったけど)


男性は、ゲッバイヤーが徳永さんでした。
朱さんと徳永さんが並ぶと、大きくて、格好良いです。


アイーダだと、ゾーザー軍団でもヌビアの民でも、完璧に田井さんを見分けられます。
なんで、ウィキッドでは見つけられなかったんだろう…。


そして、今回、川東さんがいらっしゃらないことがちょっと残念。
これまでの観劇記録を振り返ってみると、川東さんはほぼ毎回いらっしゃったんですよね。
マンゴジェリーに配役されるまでは、私の観劇日には必ず川東さんが…。
(時点は杏奈さんw)



しかし、とにかくアンサンブルの皆様は素晴らしかったかと。
あ、細かい台詞で、あれー?ってところはありましたけど。
とにかくダンスがよかったー。
…あ、ベリーダンスは見落としてた…あそこ好きなのに。


アンサンブルさんが入れ替わらない内に、もう一回くらい見たいかもですw