「オペラ座の怪人」

オペラ座の怪人
ガストン・ルルー著。


読むのは2度目ですが、初めて読んだのは…すっごい前。
劇団四季の「オペラ座の怪人」が話題になって、原作本を読みたい!と思って読みました。
そのころは、まだ、ミュージカルを見ていなくて、事件ルポ風の文体に慣れなかったです。


久しぶりに読み返してみて、成る程、と思うところ多数。


「ファントム」では、フィリップ・シャンドン伯爵だったのに、「オペラ座の怪人」では、ラウル・シャニュイ子爵なのは何故かとか。
「可愛いロッテ」と「音楽の天使」の関係とか。


ファントムを追って、地下へ下りていくときに、ねずみ取りとすれ違うのも原作を踏まえているんですねー。


また、原作とミュージカルは別物、と思うのもありですが、原作のあの部分を踏まえているんだなーと思うと、別な感慨も。
(※ラストシーン)


エリック(ファントム)は、クリスティーヌによって最高の幸せを味わったし、クリスティーヌはエリックを大切に思っていた。
クリスティーヌを解放したあと、エリックの秘密を知る「ペルシア人」に最後のお願いに来るエリックを見ていると、切なかった。
ラスト1行は、泣ける。


ラウルを思い、エリックを憐れむクリスティーヌも、いいなと思う。
必死で戦っている感じがする。


ラウルはひたすら、クリスティーヌを追いかけるんだけど、結局はクリスに守られている。
でも、一途。
若干、彼もストーカーw


フィリップは、ラウルのお兄さんで、父親代わり。
貴族らしく、踊り子のパトロンだったり、そういうところ、「ファントム」のシャンドン伯爵風。
本気でクリスに惚れたラウルに、身分違いを言うのとか、常識的です。


カルロッタは、正確無比に歌うことのできるプリマ。
機械のように完璧に歌うけれど、心が入っていない。


クリスは、もともと端役で歌っていたけれど、そのときは全然ぱっとしなかった。
それは、父親の死で、彼女が本気で歌わなくなったから。
ファントムに指導され、技術は勿論、ファントムのために心を込めて歌う心情が高く評価されて、脚光を浴びた。


メグは、ファントムを怖がるダンサーの一人で、マダム・ジリーの娘…という以外に、特に、活躍無し。


マダム・ジリーは、5番ボックスのお世話係で、ファントムとの連絡係をしたり。
ミュージカルでは、原作の「ペルシア人」の役割を与えられている感じです。


比較しながら読むのも面白いですが、この本自体も面白いです。
とにかく、エリックがかわいそうで。
ミュージカルで、ファントムがいい!と思われた方で、まだ原作をお読みでない方。
いらっしゃいましたら、是非、一度お読み下さいませ!