大阪平成中村座「法界坊」

十一月大歌舞伎・大阪平成中村座
隅田川続俤 法界坊」

††キャスト††
法界坊 中村勘三郎
道具屋甚三郎 中村橋之助
手代要助 中村勘太郎
野分姫 中村七之助
仲居おかん 中村歌女之丞
仲居およし 澤村國久
芸者おいく 中村仲之助
芸者おさき 中村扇一郎
荵売りおため 中村蝶紫
荵売りおはつ 中村いてう
講中婆おくの 中村小三郎
講中比丘尼 中村勘之丞
講中 内田紳一郎
講中 板東彌七
講中 中村橋幸
講中 梶浦昭生
講中 もとのもくあ
代官家来 土橋慶一
代官家来 板東彌風
駕籠屋 中村勘之丞
駕籠屋 中村橋幸
花園若党山上文治 中村橋吾
澤田弥九郎 中村山左衛門
道具屋市兵衛 中村小三郎
番頭正八 片岡亀蔵
山崎屋勘十郎 笹野高史
永楽屋権左衛門 板東彌十郎
永楽屋お組 中村扇雀

花四天
中村扇之助/中村扇一朗/中村橋弥/中村橋幸/板東彌七/板東彌風/板東彌紋/土橋慶一/梶浦昭生/山岡弘征/谷坂寛也/高崎隆二/生駒利治/井上秀之/後藤忍/目黒政博/江花肇/向井啓介/萩田博之

串田和美:演出・美術

序幕 第一場 深川宮本の場
   第二場 八幡裏手の場

二幕目 三囲土手の場

大喜利 隅田川の場「双面水照月」




座席は竹席で、1階右二列のやや後ろより。
上手端が見にくいですが、花道は真っ正面だし、舞台も近いし、客席を通っていく演出もあるし、大きな不満はありませんでした。
平場じゃないぶん、荷物の置き場所もあったし、足も楽だったしよかったかも。

勿論、一番のお席は、お大尽席。
お大尽が来られると、お茶子さん(劇場案内の人)が「お大尽さまですー」と先触れして、お席までご案内。
平場もイス席も、結構ぎゅーぎゅーなのに対して、お大尽席はゆーーったり。
お茶とお食事も出るみたい。

何より、クライマックスの絶景を満喫出来るお席ですw

いいなあ、こんな席。
いつか、座れる日が来るといいなあ!

…みんなから、めっちゃ見られるけどw


この小屋、お芝居が楽しいのは勿論ですが、小屋自体もとっても面白い。
ぎゅーぎゅーに座るのも、江戸時代再現なんでしょうね。
ぎゅーぎゅーだからこそ、観客の息も合うというかw
熱気がぎゅっと凝縮する気がします。

また、プログラムにもあったんですが、お茶子さんたちが、面白い!
トイレの誘導をする間も、しっかり笑わせてくださいます。
平成中村座のトイレは、日本一早いトイレです。気を抜かずお進み下さい」
トイレに並んで、「気を抜くな」っていわれたの初めて!
大笑いしていると、それに対して「本当なんですよ、アキレス腱を伸ばしてお進みくださいね」とツッコミも入るw
アキレス腱ってなによーと笑うヒマもなく、ホントにさくさくと列が進み、次のお茶子さんが、また面白い。
「こちらでご案内した番号のトイレにお進み下さい。スリッパが出て参ります。急ぐあまり怪我をされませんよう、アキレス腱を今のうちにお伸ばしください」
な、なるほど、だから、アキレス腱かい!

トイレに並ぶ壁の脇には、各界から送られた胡蝶蘭がずらりと並べられています。
それも、とっても立派な。
全部合わせたら、百万はくだらないでしょう…ってくらいです。
しかし、そんな胡蝶蘭をじっくり見るヒマもなく、さくさくと列は進んでいきます。

仮設トイレは、いわゆる仮設トイレらしくない、立派なトイレでしたw
あ、ちなみに、5つくらいのトイレが並んだ小部屋が四つでした。
手洗いは小部屋にひとつずつ。
お化粧直しなんてのは、通路にある「なんちゃって鏡でお願いします」w
とにかく、楽しく、でも素早く回転させていて、休憩時間終わりには、ほぼ皆様着席。
お見事でしたvv

何より、きっと誰にも不快な思いをさせないよう、心配りをしてくださっていたことに、感動。
これこそ、プロですよねー。
各劇場のフロア担当さんに一度観てもらいたいくらいですw




さて、お芝居は、素晴らしかったです。

二幕と大喜利、という構成ですが、休憩は1度。
序幕・二幕・休憩・大喜利という形です。

ちなみに、時間は…。

序幕・二幕
 12:00〜13:55
休憩
 13:55〜14:25
大喜利
 14:25〜14:50

休憩までが、ほぼ二時間と長丁場ですが、長さを感じさせない面白さでした。

なんといっても、勘三郎さん!
自在なアドリブで、笑いをとるとるw

橋之助さんや勘太郎さんをネタにしたり、お芝居の自体をネタにしたり。
お大尽にネタ振ったり、平場のお客さんをいじったり。

受ける橋之助さんは、基本とっても真っ当に役をこなしてるんですが、それが、勘三郎さんのアドリブとぶつかるとまた面白いw
時に、まじめな顔でネタもしてくださるしw
基本、とっても二枚目な役で、格好いいんですよ。
その格好いいままで、アドリブを受け流したり、打ち返したりが面白いw

勘太郎さんは、のんびりおぼっちゃん風。
百両借りる書き付けを書くときの、黒子さんとの掛け合いが面白かったです。

七の助さんは、やっぱり綺麗だー。
おっとりお姫様なところがとってもかわいくて笑えるw

あと、笹野さん。
どこまでやるんよーってくらいにノリノリでした。
途中、一節歌も披露されていましたよw

他にも笑えるところが満載で、序幕はほぼ笑いっぱなし!
二幕では、残酷な場面も出てきますが…。
大喜利での見事さは、びっくり。
とにかく豪華絢爛です。

知っている人は知っている、ラストの大仕掛け。
これは、ほんとにびっくりでした。
こんなことが出来るのも、仮設小屋ならでは…ですね。

カーテンコールでは、オールスタンディング。
歌舞伎でスタンディングってあるん?と一瞬躊躇したけどw
ただ、イスの上でスタンディングしていたお母さん。
それは、ちょっとマナー違反だと思いますよ?

とにかく、ホントに素晴らしい舞台でした。
夜の部の「夏祭浪速鑑」も見てみたいなあ。
当日券も出ているみたいで、立ち見だと三千円。
たちっぱなしでも全然辛くない舞台だと思う!
どうしようかな、行っちゃおうかしら…。