「Wicked」

††キャスト††
グリンダ 苫田亜沙子
エルファバ 江畑晶慧
ネッサローズ 小笠真紀
マダム・モリブル 八重沢真美
フィエロ 北澤裕輔
ボック 伊藤綾祐
ディラモンド教授 前田貞一郎
オズの魔法使い 松下武史

男性アンサンブル
三宅克典/宇都宮直高/斎藤准一郎/白倉一成/須永友裕/町田兼一/松尾篤/光山優哉/分部惇平

女性アンサンブル
石野寛子/木内志奈/熊本梨沙/花田菜美子/原彩子/金恩亨/有阪佳子/三井莉穂/西浦歌織


雨のため、ダイヤが乱れ、開演5分前に劇場に到着。
すでに、ロビーに人はなく、ドアもきっちり閉められている…。
ええー、5分前じゃないの? もしかして私の時計、遅れてた??
客席係のおねーさんについて中に入ると…まだ、明るいやーん!
席に着いたときは、汗だらだらでしたが(隣の人、ごめんなさい)、ドラゴンが動き出す前にはなんとかおさまりました。
思ったよりは、余裕があったようです(^^;A


さて、前回と変わっているのは、グリンダとフィエロ、そしてネッサ。
苫田さんのグリンダは、おばからしいところが好きです(誉めてます)。
それに、ダンス・パーティの途中から、エルファバににっこり微笑みかけたり、秘密の打ち明けっこでエルファバのほっぺをちょんとつついたり…「大嫌い」からの気持ちの変化がはっきり見えるのもよいです。
エメラルドシティで、「二人の」「夢が」「かなう」のあとで、サングラスこつん!も好き。(山本さんはやっていなかったので淋しかった)
とにかく、友達だと認識してからのグリンダが、エルファバ大好き!というのが伝わってくるのがよいです。
それに「人に愛される才能」「人を動かす才能」を持っているのがわかるのもよいなー。

グリンダとエルファバの喧嘩のシーン。
「自由を求めて」でも、ネッサの死のあとでも、遠慮がなく、本当に仲のいい友達が真剣に喧嘩している感じなのがよいです。
喧嘩して、でもやっぱり仲良しで。

ま、ちょっとやりすぎなところも、あるけどw
フィエロと初めて会ったときの髪の揺らし方とか。
そこまで露骨だったら、笑いしか取れないって!

でも、そういうちょっとやりすぎなところも、ひっくるめてグリンダって感じなのがよいです。
エルファバと同室になってしまうところも、とっても自然で、しっかり笑いを取れていたし。
「うふっ」とかきゃぴきゃぴした感じも、わざとらしいといえばそうなんだけど、グリンダらしくも見えたり。

歌は、冒頭がいまいちと感じることが多かったですが、この日はばっちりでした。
そういう点も含め、すごく満足できるグリンダでした。


江畑さんは、この間よりは、ちょっと声が戻っていた感じ。
かつての圧倒的…には、まだまだなんですが、「自由を求めて」のラストは迫力でした。
「闇に生きる」は、最初の「フィエロー」がちょっと弱かったけど。
でも、グリンダを本当に友達と思っているのが伝わってきてよかったです。
苫田さんと江畑さんのコンビ、いいなー。


フィエロの北澤さんは、やっぱり歌が上手いなあ!
ところどころで、声がかすれたりもしましたが、それでもお上手。
そして、背が高いのは、格好良いのだ…と改めて感じました。
すらりと立っている姿が格好良く見えるんだからなあ。
(勿論、お顔も格好良いですが)

ラストのかっくんは、最後まであってよかったです。
「おいで」も優しくてよかった。


ネッサの小笠さん、綺麗でした。
控え目な妹キャラで、好みの役作りです。
歌もよかった。
一箇所だけ「あれ?」と思ったのは、歩けるようになってエルファバの所へ行くかと思ったらボックを呼ぶという所。
全くエルファバに目もくれないため、エルファバの所へ行くとは思えなかったです。
でも、「一人では生きていけない」というのは納得できるネッサでした。


あと、ちょっと思ったことで。
「僕は初めからグリンダに心を奪われていたんだ」
この「心」が「ハート」で、ネッサもボックの「ハート」を奪おうとして「心臓」を奪っちゃったんですよね。
でも、あんなにネッサのことも思いやれていたボックが、こんな風になってしまったのは、グリンダのせいだと思うと、「ハート」を奪ったのはネッサではなくグリンダなのかも…とか。
そんなことを、ふと思ったのでした。


さて、今回の観劇で、名古屋ウィキッドも見納めになりそうです。
次の上演地がまだ決まっていませんが、近辺ではないでしょうから、当分はウィキッドとお別れでしょう。
そう思うと、最後としてはよい舞台を見られたと思います。