「ケルベロスの肖像」

ケルベロスの肖像」
著:海堂尊


「バチスタ」シリーズ、ついに完結!
おお、終わるのか!終わるなら、読まねば!と図書館で借りてきました。
螺鈿迷宮』での伏線もきっちり回収して、たしかに終わりました。
そういう意味で、すっきりしました!

このシリーズを読むと、いつも思うんですが、田口先生の語り口が違和感がある…。
「俺は」とかいう人に思えないんですよね。
でも、きっと田口先生の1人称は、ずっとそうなんだと思うんですけど。
田口先生の1人称でないお話ででてくる田口先生のイメージと、1人称の田口先生のイメージがずれてるんです。
でも、それは、私だけではなくもしかしたら東城大の皆さんもそうなのかも。
そんな風に田口先生は、皆を騙しているんだきっと。

このお話は、東城大に「破壊予告」が送られてきたことからはじまります。
基本的には、それに立ち向かっていく話。
そして、同時にA.I.センターを立ち上げていく話。
途中まで、面白かったです。
でも、だんだん情念が吹き出してきて、その辺は辛かったなあ。
そして、もっと田口先生に活躍して欲しかった。
最後にちょっとだけ、いいとこ見せてますが、ホントにちょっとだった。

しかし、いろんなお話が収束していくので、これまでのお話を読んでいるなら読んだほうがよい!という一冊でした。
(『ブラックペアン』『ブレイズメス』も含めて)
(速水の話は、極北で終わってしまうのかどうかわかりませんが、こちらとは違う筋に成った模様です)