「WICKED」③('11/2/13)


ようやく、本編の感想、終了です。

2幕、はじめのお祝い幕、2階席だと最前列でも見えないのかー。
大丈夫の筈だけど、幕がたらんとなるとき、一瞬、橋上の人にぶつからないか、どきっとします。

「あたしだって、エルフィーに合いたい」からのグリンダの台詞は結構聞き入ってしまいました。
「君だって、みんなから愛されることを望んでいるんだ」「そうかもね。でもそれっていけないこと?」
最後だからかなあ…。
グリンダの言葉に、何とも言えない重みを感じました。

フィエロが退場してからのグリンダの歌は、沼尾さんの辛そうな歌を思い出していました。
あの歌は、「幸せ」といいながら、全然幸せそうじゃなかったよなあ…と。

あと、ここのシーンで、グリンダが民衆に手を振るのにあわせるように、後ろで手を振っているモリブル先生が妙に気になります。
微妙にシンクロしているの…意図的なんだろうなあ。


総督の部屋では…。
おおおお!
ネッサが、総督らしくなって見えた!
凄み、出てきたんじゃないですか?

靴に魔法をかけられるときは、スカート、ひらひらさせていなくて、靴下があんまり目立っていませんでした。
私は、この場面で、「あ…靴下、一緒だ」と思ったので、ひらひらはさせた方がいいと思うんですけど。
「燃えるように真っ赤」の「燃える」とも合致しているところだと思っていたんだけど。

エルファバの「歩いている、やっと救えた、あなたを」が実感がこもっていてよかった。
ちゃんと歩けてはいないけど、それでもネッサが自分の足で立って歩いているのをみて、心底喜んでいるのが伝わります。
そのエルファバの気持ちに、結構シンクロしてしまいました。

ボックに、立ってみせる時の嬉しそうなネッサの顔。
本当に幸せそうで。
そのあと、ボックから「ネッサ」と呼びかけられたときも、はち切れんばかりの幸せ。
それが、ボックの告白で、暗転。

「僕ははじめから、グリンダに心を奪われていたんだ」

この台詞…英語での意味を教えて貰って、成る程でした。
はじめの「僕にも心はあるんだ」と合わせて。
ネッサの「あなたの心、離さない」もね。

この時の、ネッサの歌は、やっぱりちょっと残念だったのですが。
(こどもっぽく聞こえてしまうので)
それでも、演技でしっかり大人の女性で、縋り付く怖さが出ていてよかったです。

退場シーンでは、またも、微妙に動きが早くて。
うむ、このネッサはすばしこいな!と思っておりました。


オズの陛下との再会シーン。
「ワンダフル」で、ライトが集中するの、好きな演出です。
エルファバをくるくる回すところも好き。

ディラモンド先生に「わからないの?」と言うところは、もうちょっと言い方が違うといいな。
でも、フィエロに「…なんですって?」と言うところの間と、声の調子はかなり好きです。


そのあとの、フィエロとエルファバのデュエット。
まさかの、フィエロ、声がひっくり返り。
北澤さんの歌の失敗って初めて聞いたので、すごくびっくりでした。
箇所は「君に会って」の「あーー」って部分。
同じフレーズの「さあ行こう」は無難に歌えていたので、ほっとしました。


グリンダとエルファバの再会。
喧嘩、かなり、ふたりとも必死。
「おーほほほほほほっ」も力一杯で、素晴らしい(^^)

「ただ、彼女を愛しているだけなのよ」は、しっとりと間を取って。
さっきの喧嘩からは想像もつかないけれど、グリンダは、二人を許しているようで。
フィエロが「すまない」と言うのも、すんなりわかる。
それ以外、何も言えないですよね。


続く「闇に生きる」は、凄いの一言。
「DG」よりこちらの方が、凄かった。
…勿論、それは当たり前というか。
「DG」は前を向いて進んでいく歌だったけど、「闇に生きる」はとことん後ろ向きな歌といえるものなあ。

「こんなに愛しているのに救えないのは何故?もういい!」

どんなに頑張ったって、どんなに一生懸命になったって。
結局、大切なモノはすべて手からこぼれ落ちる。

エルファバの絶望。
エルファバの孤独。

闇の底から、呻くしかない。
そんな声。

「DG」に希望を感じただけ、こちらの絶望が突き刺さる感じでした。


魔女狩り隊の場面では、ボックの親指が直角だ…と変なところに目が行ってしまい。
あれって、固定されてるのかな?
見てると、固定されているくらいに、ぴたっと角度が変わらなかったんですけど。
普通に考えれば、自分でされているのでしょうが、だとしたら、凄いな。

モリブル先生は、悪そうで、いいですよね!
ここで、グリンダの巻き毛をいじりながら「お嬢ちゃん」って言うところ、悪役らしくて大好きです。


泣きじゃくるドロシー。
2階席からだと、地下牢の中がのぞけそうで、前屈みになりたくなる衝動と戦ってました。
実際は見えないでしょうけど、でも覗いてみたかった!

「死んだ人の靴をくすねるなんて、最低よ」は全くその通りだよなあ…と思います。
勿論、ドロシーサイドから見れば、そんなこと、わかるはず無いんでしょうけど。

つか、グリンダ、いくらドロシーの靴がボロボロだったからって、ネッサの靴をあげちゃだめでしょ。
…いや、「あの小娘がネッサの靴を持っていくのを黙ってみていた」だから、実際はあげたわけじゃないのかな?
原作と映画では、グリンダが東の魔女の靴をあげてたと思うんだけど。


前回、このあとのシーンで、エルファバはグリンダを騙したのかなあ…グリンダに全部押しつけたのかなあ…と思ったんですが。
だとしたら、グリンダ、可愛そうすぎる…。

でも、今回は、決して押しつけた訳じゃないんだな、と思いました。
エルファバは降参しただけで。

「いい魔女グリンダ」でなければ利用できない、とまで思ったのかも…と前回思ったんですが、さすがにそれはないな、と。
本気で、「あなたには、みんなに愛されたままでいて欲しい」と思ったのだろうと。
愛されたグリンダのままでいて欲しいんだろうなと。

そのあとのグリンダの生き方は、エルファバに触発されたにせよ、グリンダ自身が選んだ生き方。
…やっぱり、私は、グリンダが好きだな。
自分で、偉大なことを始めるとか、できないかもしれないけど、誰かのつけた道を広げていくことなら、できるかもしれない。
これからのグリンダは、心にエルファバと過ごした日々を抱きながら、戦って行くんだろうと思います。


ラストシーンのエルファバは、いつも綺麗だなあと思います。
すべてを脱ぎ捨て、ある意味、生まれ変わった姿で。
「知らない方がいい。誰にも知られちゃいけないんだ」


細かく言えば、いろいろとあります。
それでも、総じて、大阪最後の公演に相応しい、いい舞台だったと思います。
1年4ヶ月、大阪にいてくれてありがとうございました。

そして、おまけのカーテンコール。
こちらは、公式にすでに動画がupされていますが…。
私は、大感動でした。

おそらく、何に感動したか、おわかりでしょうが…。
次回、カテコについて書かせていただき、長々しいこの日記を締めたいと思います。