「サウンド・オブ・ミュージック」('11/2/27マチネ)

††キャスト††

マリア 井上智恵
トラップ大佐 村俊秀
修道院長 秋山知子
エルザ 西田有希
マックス 勅使瓦武志
シュミット はにべあゆみ
フランツ 青山裕次
シスター・ベルテ 佐和由梨
シスター・マルガレッタ 矢野侑子
シスター・ソフィア あべゆき
ロルフ 石毛翔弥
リーズル 松元恵美
フリードリッヒ 海宝潤
ルイーザ 今井利奈
クルト 廣瀬孝輔
ブリギッタ 初鹿野菜月
マルタ 内田花音
グレーテル 内田愛


男性アンサンブル
前田貞一郎/井上隆司/白倉一成/長手慎介/亀山翔太/中橋耕平/蛭沼建徳/柳隆幸


女性アンサンブル
松尾千歳/山本志織/吉田千恵/小島由実子/浅井美波/伊吹悠/深見雅子/原彩子


コンダクター
田英夫

見たいキャストさんがいたわけではありません。
生オーケストラと賛美歌を聴きたくて、行ってきました。


行って良かったです。
コーラスの素晴らしさは、指揮作品の中でも随一ではないかと思います。
冒頭の修道院のシーンは、本当に聖堂に足を踏み入れたようで、敬虔な思いにとらわれます。


修道院長とシスター達の賛美歌。
マリア。
ハレルヤ。


どれをとっても、その完成度の高さにうっとりです。



10ヶ月ぶりの井上さんのマリアは、気負った感じが無いというか…。
すごく自然体で、前方列ではなかったせいもあるでしょうが、若々しい女の子に見えました。
井上さんを見ていて凄いなあと思うのは、いつ見ても、コンディションが安定しているように見えること。
今日の井上さんの歌はいまいちだなあ…と思ったことがありません。
(たまたま運がいいのかもしれませんが)


すごく魅力的で、マリアらしいマリアに感じました。



実はちょっと不安だった、村さん大佐。
でも、実際に見てみたら、全然気になりませんでした。
はじめ厳格で頑なな大佐であるのが、父親の顔になっていくのがよかった。
そして、父親になると、本当に素敵なパパで。
子ども達を愛してるよき父、というのがピッタリ。


早い展開であるにもかかわらず、子ども達と分かり合うところは、とても自然な気持ちの移り変わりが読みとれました。
また、歌が素敵なんですよね。


音楽祭の所なんて、もう、素晴らしい。
エーデルワイスは勿論ですが、その他の歌でも、低音を効かせてくださって、すごく素敵です。


また、マリアに惹かれていることも自然に伝わりました。


祖国と家族を愛する父。
やや年配にも感じますが、マリアが惹かれるのは、そういった大佐の父性なのかもしれないと思いました。
格好いい大佐で、思わず恋に落ちる…というタイプではないですが、時間をかけて惹かれていったのはわかる気がします。



1幕ラストの「全ての山を登れ」は圧巻。
これを、主人公ではなく修道院長が歌うところに、この作品らしさがあるのかも。
そして、ラストの歌も、マリアの歌ではなく、シスター達の祈りの歌。


全ての山を登れ
全ての道をたどれ
全ての虹を追いかけよ
自分の夢を見つけるまで


もともとこの歌は好きですが、こうやって聞くと、いっそう。
本当に、シスター達の歌を聴けただけでも、行った甲斐がありました。



子役さんたちは、いろいろ。
グレーテルは、「ドレミの歌」で音を外したり、一生懸命演じてる感じ。
見た目、可愛いんですが、難しいですね。
フリードリッヒの「グッバーイ」は出ていたけど、綺麗なボーイソプラノ…には、ちょっと惜しい感じ。
ルイーザはちょっと身長が高くて、フリードリッヒと同じくらい。
(フリードリッヒが低いのかな)
それでも、子役さん達はよく声が出ていて、お上手でした。


リーズルは、トラップ家の長女らしく。
マリアと歌ったりしていると、ちょっと満足できないんですが、子役さんの一人とすると、よく声が出ていました。
実際は子役じゃないけど…でも、子役の一番年長…という感じの歌だったなー。


ロルフは、声が伸びないし、あれ?という感じ。
ちょっと籠もった声に聞こえました。
歌声になってないような?


不満というほどでも無いのですが(それほど目立たないし)残念だったのはこのお二人だけ。
(大人キャストで)
子役さんの一人と思えば、まあ、いいかな。
…いや、ロルフは、本当の子役さん達より声が出ていなかったけど。



エルザは綺麗でした。
彼女が帰っていくところ、好き。
毅然とした、強い女性で。



マックスは、板に付いてる感じです。
軽くて、へらへらしてて…でも、実は…というところがいいな。



音楽は勿論名曲ばかりですが、それを聞かせる実力派が揃えられていて、本当によかった。
(若い恋人はおいといて)
生であのコーラスを聴く機会、もう当分ないんだろうなあ。
また聞きたいな。
もちろん、生オケで。