「赤毛のアン」('10/10/9マチネ)

††キャスト††

アン・シャーリー 笠松はる
マシュー・カスバート 日下武史
マリラ・カスバート 木村不時子
ステイシー先生/スローン夫人 五東由衣
ギルバート・ブライス 斎藤准一郎
ダイアナ・バリー 山西里奈
レイチェル・リンド夫人 中野今日子
バリー夫人 横山幸江
スペンサー夫人/パイ夫人 原田真理
ブルーエット夫人 金原美喜
マクファーソン夫人 佐藤夏木
店員ルシラ 松本菜緒
ジョシー・パイ 吉良淑乃
プリシー 桜小雪
ベル 郄野唯
ティリー 奥平光紀
ルビー 菅谷有希
フィリップス先生 鈴木周
郵便配達アール/チャーリー 鈴木智
農夫セシル 近藤聡明
牧師/駅長 玉真義雄
キット 山本道
ジェリー 名児耶洋
ムーディー 大空卓鵬
トミー 笹岡征矢




今回の座席は、実質2列目センターブロック。
勿論、ギルバートにちっちゃい人が来るかも知れない!と取ったチケット。

残念ながら、ちっちゃい人は登場されませんでしたが、よい舞台でした。
前回公演の、吉沢さん・日下さん・木村さんで、完璧なアンの世界だ!と思っただけに、不安もあったんですが。
笠松さんのアンは、吉沢さんとはまた違う魅力があって、よかったです。



笠松アン
はるちゃんといえば、小夜ちゃん、マリア(WSS)、クリスティーヌ。
マリア先生(SOM)は未見なので、コミカルな演技って想像がつきませんでした。

基本、演技は真面目かな。
大まじめに、あの大仰な台詞を言うから、おかしいかもw

もうちょっと、切り替えるところが、緩急があると、もっと面白いかも…と思いました。
切り替えずに、そのまま流れてしまうので、勿体ないです。

歌はさすがにお上手です。
「だから私でいい」は、声の伸びがよかったですし、気持ちが歌にこもってるのか…。
歌を聴くと、心の奥の方がふるふると震える感じ。

ブルーエット夫人のところでのやり取りも、台詞や表情より、歌に涙した気がします。
吉沢さんの時は、マリラを見たその表情で、涙だったんですけど。
「あたし、両親がどんな人だったか、想像しなければならなかったの」とかの台詞も。

でも、はるちゃんだと、その前の空想の歌で、泣けてしまいました。
理由はわからないんですけどねー。

どちらがよいじゃなくて、それぞれに感動させていただけた感じです。

グリーンゲイブルズに帰ってからの、テーブルふきは、力こもってたw
この辺も真面目なアンだと思ったところです。

はるちゃんのアンは、コミカルにって感じじゃなく、とにかく真面目に大袈裟w
そこが、おかしさに繋がってるかなーと思います。

そして、はるちゃんの歌は、何でだかわからないけど、心に染み入って泣けるのでした。


■日下マシュー
登場シーンから、泣ける…。
莫迦みたいに、だーだー泣いていました。

ただ、本気でしんどそうだから、ものすごく心配になります。
ハムレットの時は、まあ、お元気そうだったし…。
演技だよねって思うけど、それでも、心配。

だって、カテコとか、どの辺ご覧になってます?って感じですし、カテコですら笑顔が少ないんですもの。

でも、ホントに、日下さんのマシューがいて初めて、ラストシーンが泣けるんですよね。


■木村マリラ
マシューと比べるとまだ元気なマリラ。
毎回思う、最初のシーンでつけてるブローチ。
ああ、これって、紫水晶のブローチだよねぇ。

お祈りの時に「自分の言葉で、神様とお話しするんですよ」ってところとか、
リンド夫人に「まだ、お茶を飲んでいないんじゃないの」ってところとか。

台詞にないマリラの気持ちや、リンド夫人との友人関係とか、そんなモノが見えて大好き。

今回、「マシュー、卵に気をつけて」はちょっとタイミングが早かったです。

ラストシーンは、毎回泣ける…。
リンド夫人が言う「あんた達がグリーンゲイブルズそのものなんですよ」って言う台詞とか。

両手を開いてアンを迎えるところとか…。
いかん、思い出すだけで涙が…。

マシューとマリラ、もうこのお二人が揃うのを見れるのは、最後かも知れない。
そんな風にも思いつつ、今回、見に行って良かったです。


■五東ステイシー先生
改めて、五東さんの声っていいなあ!
あまりにも勿体ないってわかってるけど、ソンダンのゴッド・ヘルプのソプラノパートに来て欲しい。
最初のコーラスでも、ひとり際だっています。
めっちゃ素敵ー。
かわいい声で、透明感があって。

「アンです。アンがいたから」からの台詞にも歌にも、ものすごい説得力がありました。
もう絶対ないんだろうけど、一度でいいから五東さんのクリスティーヌも聞いてみたかったな。


■斎藤ギルバート
今まで見た中で、一番、やんちゃなギルバート。
ダンスはさすが。
望月さんのような優雅な感じはちょっとないけど。

くるくると表情豊かで。
悔しがるときの表情が、顔をすごーくしかめる感じなんですが、そこがちょっと気になったくらい。

これまでのギルバートは、かなり早い段階から、大人になっていたイメージでした。
田邊さんは、ホントに最初から、一歩大人だったし。
望月さん、有賀さんも、「おめでとう」って言うときには、ひとつ階段を上っていた感じ。
みんなの後ろからついていくギルバートに、あ、大人になった…という感じを受けていました。
でも、斎藤さんは、その三人のギルバートと比べると、もうちょっとお子さま。

斎藤さんのギルバートが、ひとつ階段を上るのは、アンに呼び止められて帰ってきたとき。
二人一緒に、ひとつ大人の階段を上った、そんなイメージでした。

有賀さんのギルバートを見たときは、40代になったギルバートを想像できるなーって思ったんですが。
斎藤さんのギルバートはそんな先まで見えない、まだまだ、若いギルバート。

プログラムには、有賀さんのお名前もありましたが、お稽古写真はすべて斎藤さんだったし。
有賀さんの出番はなさそうです。

正直言って、若々しくて、とってもギルバートらしいギルバートでした。


■子ども達
ダイアナはお稽古写真見るよりかわいかったです。
ダンスのあと、すごーく汗をかいていて、そのまま演技しているのがちょっと気の毒だった。
酔っぱらいのシーンは、上手かったですw

ジョシーは、目力があって、ちょっと怖かったですねw
その他の女の子は、見分けられず。

男の子も、チャーリーとムーディー以外はわからずです。
学芸会でインディアン役の男の子「はおっ」って言う男の子、もうちょっと元気よく言って欲しいかな。


■フィリップス先生
だから、犯罪だって。
フィリップス先生は、本当はもっと若いと思います。
あれじゃあ、ただのロリコンじゃないかw


■アールとセシル
前回公演に比べると、ちょっと歌が…。
ここって、歌枠だと思うんですが、声がもう一つ出てないかなーと。
二人で女性コーラスに勝てないと!

そして、二人は、店員ルシラに惚れているんですねw
あと、アールは、ジョシーのサンドイッチ、一口食べて、そっと捨ててたw


■牧師さん
実は、牧師さんの時は思わなかったんですけど。
駅長さんの時に(学芸会の時)、この人格好いいじゃないか!と思いました。
ちょっと渋めで、素敵ですw

牧師さんの時は普通だったけど、駅長さんで髭をつけていたのがよかったのかしら?


■ご婦人方
リンド夫人は、そんなに太ってないですよねー。
でも、無神経でお人好しで、らしくていいな。

スペンサー夫人は原田さんだったのかー。
マダム・ジリーですよね。
スペンサー夫人の「捨てる神ありゃ拾う神あり」の「ありゃ」がいつも気になります。

ブルーエット夫人は、なんだか、マダム・テナルディエみたいだわ。
高島田さんと比べると、ちょっと、無理している感じ。
お顔を見ながら、「天童よしみさんに似てる」と思ってました。


ところで、近くの席の方が、「何故、ピクニックに牧師がでてくるの?」と言っていましたが。
日曜学校(教会主催)でピクニックに行くからですよ〜。
ここで言っても仕方ないけどw