「キャッツ」

福井さんのマンカスが見たくて見たくて、行ってきました。
今回の座席は、ほぼ中央で、回転席のちょっと後ろ。
よく見えますーといいたいですが、キャッツは舞台がぐるっとひろいから、見るべき所、いっぱいありすぎて(^^;;
上手、下手、中央下手より、上手より、中央…それぞれの席でそれぞれに見えやすいポイントがあるんでしょうね。
だから、今回は真ん中を中心に拝見いたしましたよw


劇場は、五反田の時より天井が低く感じました。
たぶん、後方席が高いからかなー?
で、2階席がない分、後ろからはいると狭く感じるのかも。
実際に席に着くと、天井が低いとは思わなかったので、やはり構造上の問題かと思われます。


猫を見るのは、1年半ぶり。
でも、前回は、ほとんどの猫を見分けられたのですが…。
なんでだ、今回、見分けられない…。


その理由のひとつが、ジェリロでした。
前回は、秋さんのジェリロでしたので、見分けるまでもなくわかったんです。
でも、今回、ジェリロがわからない。
グリドルボーンの時はわかったけど、他の時はほとんど見分けられなかったです。


こんなことなら、もっとしっかり予習しておくべきでした。
でも、まあ、今回の主目的はマンカスですし、副目的はミストでしたから、この2匹は見分けるまでもなくわかったからよいとしましょう。
この2匹は毛並みからよくわかるので、ありがたいです。


■オーヴァチュア
暗くなって、猫が現れると音楽に混じって、悲鳴らしきものが聞こえる…。
どうやら、本日参加の女子高生、女子中学生のみなさんのようですw
ちょっとした絶叫マシーンのような悲鳴でしたw
若いっていいことねw


開演前に「コリコパットが見分けられない」と言っていたら、ちょうど目の前に登場してくれました。
「あれが、コリコ」と教えていただいたのですが、綺麗な猫さんでした。
顔細いし、女の人みたい。
その他にも、男性猫に結構細面の方がいらっしゃって、美しかったですw



■ジェリクルソング
舞台が近いので、声がしたときにそちらを向いていないと、猫が見つけられないことが。
「その孤独を」でグリザの声はすれども、姿は見えず…。
しばらくして、後ろの方で、ちょこちょこっと踊ってらっしゃる早水さんを発見。
なんというか、バリバリ踊ってらっしゃる皆さまと比べて、一生懸命ついていこうとされてる早水さん。
かわいかったですw



■ネーミング
「ジェリクルキャッツを知っているか?」を生で聞けましたーvv
格好いいわー、いい声やわーvv
そして、何故か、笑い声。
女子高生には、ここ、笑い所なんですか?
いつも笑いが起こると聞いて、なんとなく、不思議な気持ちです。


そして、猫たちが客席に散りますが…。
目の前の通路に現れたのはミストフェリーズ。
ワタクシ、なんとなくぼやーと見てた視線の先にミストが現れて、しばし睨み合ってしまいました。
いや、睨み「合って」はいないと思うんですが(^^;
ガン見してました。
…というか、目を逸らすのも、なんだか、失礼な気がしません?
1m程先にいらっしゃって、こちら方面を向いてらっしゃるのに、マンカスさん探すのも…ねぇ?
というわけで、通り過ぎられるまでは、目を逸らせませんでした。
真横を通られたときには、耳元で台詞が聞こえて、ちょっとドキドキでございましたw


ヴィクトリアのソロダンスは、いつ見ても綺麗。
でも、今回も、ここでヴィクトリアに惚れることはなかったです。
(私、ここで、ヴィクトリアに惚れて、猫を飼った経験がございますw)



■おばさん猫
おばさん猫、かわいかったです。
マンカスさんがおばさんのファスナー降ろすところ、一瞬「引っかかった?」という感じに見えて、心配してしまいましたが。
いらぬ心配だったようですw



■つっぱり猫
第1声で、こけそうになりました。
えええ? タガーってこんな声だっけ??
慣れるまで、しばらく時間かかりましたよw


このナンバーだったと思うんですけど、ミストの尻尾がかわいかったです。
尻尾の先だけ、ちょろんと出てて、それをちょりんちょりんと振ってるのが、激かわいい!
寝てる猫に「おーい」って声をかけたときに、尻尾だけ振って答えてくれる、あの感じ。
意地悪だとわかっていても、寝ている猫の名前呼んで、尻尾振らせてたなあ…なんて思い出しました。
ミストが…というより、自分の飼っていた猫を思い出して、かわいい…と思っていました。



■娼婦猫
グリザが現れると、みなさん、ものすごい威嚇をなさいます。
でも、そこまで嫌わなくても…。
正直、何故、グリザが皆から嫌われるのかがよくわかりません。
猫なんだから、娼婦でもいいじゃん…。
とか、思いつつ、もしかしてマグダラのマリアと掛けてるのかなぁ?と思いました。



■大人物猫
ご馳走リレー、今まで、あんまり注目してなかったんですが、ミストが楽しそうで目が行ってしまいましたw
ときどき、リレーし損なったでしょ!って時もありましたがw



■泥棒猫
ランペルティーザがかわいいーvv
マンゴジェリーと完全なユニゾンになってない部分があったのがちょっと残念ですが、楽しいナンバーでしたw
最後にみんなが現れて、逃げ損なったマンゴが、必死で盗んだ袋を抱え込んでるのが面白かったです。



■長老猫
みんながオールドデュトロノミーを崇めるような表情になるのがすごいですね。
特に、マンカスさん。
ものすごく敬虔な表情に見えます。



■ジェリクルボール
踊ってる!マンカスさんが踊ってます!
うわー、マンカスさんって、こんなに踊れる人だったんだ。
体育館のトニーを見ていたら、まさか、これほど踊れる人だとは思えなかったですよ!(←失礼


ミストを中心に、同じように踊るマンカスさんを見ていて、すごいなあ…と思ってしまいました。
ちっちゃくない黒猫ミストも、でっかいマンカスさんの隣にいると、ちゃんと「小さな黒猫」に見えますねw
でも、胸板が厚すぎですけどもw


このシーンは、他の猫たちのダンスも素晴らしくて、どこを見ていいか迷います。
アプローズみたい…と、的はずれな感想を持っていたのは、内緒でございますw



■メモリー
♪引き裂かれたコート、引きつれた頬♪
を歌っている猫がわかりませんでした。
あれがジェリロ…と幕間に教えていただいたのですが…ホント、わからんかった。
いまいち、声に伸びがないような記がします。



■幸福の姿
ここでのマンカスさんの視線の先について、他の方の日記で「何を見ているのか」とあったので、マンカスさんに注目していました。
気になったのは、他の猫たちがすりすりしあっているのに、マンカスさんは他の猫とは一線を画しているように見えたこと。
決して、仲が悪いとかそういうわけではないのだろうけど…。
誰か、特定の猫と仲良くすることはない、そんな立ち位置なのかな…と思いました。


そして、遥か彼方を見つめるマンカスさん。
そのとき、タガー(福井さん演)は、雌猫さんといちゃいちゃしているそうです。
後で、そのことを聞いて、いろいろ考えてしまいました。
そのことについてはまた。


舞台を観ていたそのときには、マンカスさんは、リーダーという立場にあって、全ての猫に等しく接する猫なのかな、と思いました。
オールドデュトロノミーを敬愛し、仲間の猫たちを守る。
そういう立場の猫であるから、誰か特定の猫と、深い関係を持つことはないのかなあ?


その場を去るとき、他の猫たちをふっと見やる目は、淋しそうで。
また、オールドデュトロノミーの歌を聴いているときは、長老が語る「本当の幸せ」について考えているようでした。



■劇場猫
今回、一番感動したのがガスです。
老いた役者が、どこまでも舞台に立ちたいと願い続け、演じることに執念を燃やす。
その姿に、いろんな役者さんの姿がオーバーラップして。


役者さんの性(さが)を感じさせて、素晴らしかったです。
こんなに感動したガスは初めて。


いつもは、「♪喝采浴びた当たり役、この世の名残に見せようか?」で拍手するのは、お約束だから、なんですが。
今回は、「この老役者の当たり役を見てみたい」と本気で思いました。
だから、自然と拍手をしてしまっていました。


グロールタイガー幕では、一転、殺陣も迫力があって良かったです。
ギルバートさんがちょっと台詞が怪しかったけれど、動きは俊敏ですし、なによりかわいかったw


この時に、ミストとマンゴがいろいろコントをしているそうなのですが、全然注目していなかったのが心残りです。
あと、グリドルボーンの「ソノクイ」は、今まで聴いた中では一番短く、あれれ?な感じで、残念でした。
尻尾踏まれたリアクションも、いまいちだったです。


あと、妙に印象に残ってるのが、ラストに4枚の旗を合わせるところ。
下の旗をぴっと引っ張って、隙間を閉じさせた、その動きが格好良かったんですw
ちなみに、それは、松島さん担当でしたw



■鉄道猫
楽しいんですが、楽しすぎて、どこに注目していいやら…。
とにかく楽しかったです。
やくざなマンカスさんの、怒られて照れた感じもかわいくて楽しかったですw



■犯罪王
すごい悪いヤツですねー、マキャヴィティって。
オールドデュトロノミーの振りをして現れるところ、初めは喜びに溢れるマンカスさん。
でも、何か不吉なものを感じ取るマンカスさん。
この変化が良かったです。
まだ、他の猫が気がついていないのに、マンカスさんだけが何かを感じとるんですねーvv
(訂正:一番に気がつくのはディミータで、ディミが気づいたことでマンカスさんも気がつくそうです)


マキャヴィティと戦い傷を負ったマンカスさん。
戦いの後、マンカスさんの傷を舐めるタントミール(だった?)
マンカスさんにしてみれば、仲間を守ることは当たり前なんですが、そのことに感謝されて、いたわられて、なんだか、驚いた表情。
幸福の姿のときに見た、誰からも等しい距離感を保つマンカスさんだから、その距離を飛び越えて来たことに驚いたのかなあ。
マンカスさんからすれば当たり前のことなので、感謝されるのは意外だったのかな。
などなど、いろいろ考えました。



■マジック猫
すみません、私、ミストは手品師だと思っていたんですけど、あれ、魔法使いの領域でしたね。
種仕込まず、オールドデュトロノミーを連れてくるの、おかしいもん。
そう考えると、この猫、本気ですごい猫なんですねー。


松島さんの、ぐるぐると大きく舞台を周りながら開脚ジャンプ、見応えありました。
…ソンダンで、しっかり松島さんを拝見したい…、今更だけど。


ここのシーンは、ひたすら、ミストのダンスに見ほれておりました。



■メモリー
主に、マンカスさんに注目しておりました。
グリザが現れた時は、みんなを守るように両手を広げて、グリザを睨み付けるんですね。
他の猫たちは、グリザが歌い始めると聞き入るような感じなんですが、マンカスさんだけはグリザを威嚇しているようで。
でも、グリザの歌を聴くうちに、威嚇していた両手から力が抜けて。


この時のグリザ。
私は、先日聞いた、新妻さんの言葉を思い出していました。


「私はここにいる。私に触れてみて。そうすれば、本当の幸せがどういうものなのかわかるわ。」


新妻さんは、メモリーのラスト部分をそんな風に語られました。
若いときには光り輝くような人生を送ってきたであろうグリザ。
老いていくとともに、苦しみや悲しみ、いろいろな苦難に遭ってきたであろうグリザ。
そういったものを乗り越えて、幸せとは何か、それを見いだしたグリザ。


日本語詞では「お願い、私に触って。私を抱いて、光と共に。わかるわ、幸せの姿が」で主意は同じですが。
私は「お願い」という言葉にかなり引っ張られていたんです。
皆から排斥されたグリザが、「光が私を包み込むように、あなた達も私を受け入れて」とお願いしているように感じていました。


でも、新妻さんの言葉を聞いて、そんな弱いグリザじゃなくて、もっと強いグリザなのかもしれない…と思いました。
そう考えると、マンカスさんがこの時何を考えていたのかな。
「幸福の姿」で「本当の幸福とは?」と答えを求めていたマンカスさん。
グリザの歌を聴いて、グリザを見て、本当の幸せの片鱗を知ったのではないでしょうか。


だから、彼女が歌い終わったとき、真っ先に(シラバブには負けましたが)彼女に手を差し伸べ、押し頂くように彼女に触れたのかなと。
シラバブには過去がないから、グリザの過去にも頓着しない。だから、真っ先に歩み寄れるのかなと思います。


マンカスさんが行くのは、やっぱり本当の幸せの姿を見せてくれたことへの敬意の表れであると思うのですけど。
天上へ彼女を送り出すのも、オールドデュトロノミーが何かをいうより前に、みんなで選んでますよね。
オールドデュトロノミーが選ぶのではなくて、誰もが納得してグリザを選びましたよね。


ここから、ちょっと妄想なんですけど、オールドデュトロノミーも若い頃に、こんな風にして本当の幸せの姿を目にしたんじゃないかなあ。
その頃のオールドデュトロノミーはマンカスさんみたいに若くて、みんなを守るリーダー猫で。
時間が経って、そのことを知る者が自分一人となって、長老猫として、若い猫たちに本当の幸せを伝えようとしているのかも…と思いました。



■ごあいさつ
というより、カテコでしょうか。
握手はできませんでしたが、松島さんに頭を殴られたのはいい思い出です。
でも、すっごく勢いがあって、正直、殴られた瞬間は何が起こったのか、わかりませんでした。
教えていただかなければ、それが、松島さんの「どつき」だとは、きっと最後までわからなかったと…。


それも、また、いい思い出ですかw




■最後に
今回は、マンカスさんに注目していたのですが、マンカスさんって、ちょっと特殊な猫に感じました。
そして、マンカスさんとタガーって、いろんな場面で対のように現れますよね。
「幸福の姿」で遥か彼方の幸福を見つめ、見つけられないでいたマンカスさん。
一方、タガーの福井さんは「幸福の姿」で目の前の雌猫といちゃいちゃしているそうで。
まさに、目の前の刹那的な時間だけしか見ていないタガー。
ある意味、背中合わせのキャラクターなのかも、と思ったりしました。


そう思うと、マンカスさんとタガー、それぞれをじっくり見てみたくなります。
できれば、福井さんで。
だって、演技プランはきっとそれぞれでしょうから。
福井さんのマンカスとタガーを見比べてみたいと思ったのです。


そんなわけで、次回、猫を見るなら、福井さんタガーで拝見したいです。
(もちろん、マンカスさんもまだまだ見切れていないので、こちらも見てみたいですw)