「songs for a new world」

musical
songs for a new world
−新しい世界の扉を開ける14の物語−

作詞・作曲 ジェイソン・ロバート・ブラウン
演出 田尾下哲

††CAST††
浦井健治 Man1
昆夏美 Woman1
濱田めぐみ Woman2
米倉利紀 Man2

††BAND MEMBERS††
前嶋康明 Conductor&Piano
鎌田裕美子 Keyboard
吉田聖也 Bass
萱谷亮一 Drums
石崎陽子 Percussion

††Musical Numders††
1.オープニング:ザ・ニュー・ワールド〜新しい世界〜
2.1492年 スペイン船のデッキの上で
3.たったの一歩
4.何も恐れない
5.河は流れない
6.星と月と
7.彼女の涙
8.スティーム・トレイン/蒸気機関車

9.世界は踊っていた
10.スラバヤ・サンタ
11.クリスマス・ララバイ
12.キング・オブ・ザ・ワールド〜世界の王者〜
13.あなたさえいれば
14.1775年 籏を縫う人
15.故郷へ
16.この歌を聴いて


濱田さん出演ということで、行ってきました。
チラシなどによれば、オムニバスミュージカル。
どういう感じになるのかな?と思っていたんですが、ミュージカルというよりライブというかショーというか。
1曲ごとに物語があって、そのシーンを役者さん達が演じている感じです。
オープニングのあと、いきなり濱田さんが旦那の浮気を疑って詰め寄る妻になって、その切り替わりに「???」
その曲が終わると、また全然別の場面。
その辺りが、ライブぽいかなと。

ただ、もう一つ、各シーンに入り込めなかったです。
シーンごとに、簡単な説明があれば良かったなあ。
説明というか、そのシーンへ至るまでの簡単なお芝居。

2幕に入って、各シーンは全く別々の物語だけど、どこかで繋がっているのかな?と感じました。
若いカップルが婚約し、でもいよいよというときに男性が逃げてしまう。
置き去りにされた花嫁と、次のシーンのサンタの奥さんの若かりしころがオーバーラップ。
更に次の曲は、タイトルが「クリスマス・ララバイ」(ただしこれは、プログラムで確認するまでは気がつかなかった)
アメリカ独立戦争へ行った息子を案じる母の次は、故郷を思う兵士の物語、というように。
でも、その繋がりが解るところと解らないところがあったので、この辺も簡単な導入があればわかりやすいなと思いました。

あと、濱田さんの役所は、シーンは変わっても、年齢がちょっと上設定の、不二子ちゃんみたいな女性。(母役の時だけ違う)
昆さんは、純粋な可愛い女の子。
もうちょっと、いろんな女性像でもいいのに…。

しかし、それも実は演出だったことが、プログラムで判明。
シチュエーションは違えど、Woman1、Woman2、Man1、Man2の性格づけは同じらしい。
そして、シーンごとに別の話だけど、どこかで一本の話に繋がるようにしたいというのも演出。
それだったら尚更そういう意図が見える工夫が欲しかったなぁ。
脚本が存在する以上、無理なのかも知れないけど。


そんな中で、印象に残ったのは1幕ラストのゴスペル風の曲。
曲は覚えていないけど、格好良かったです。
それから、2幕のサンタの奥さんと故郷を思う兵士の歌。
あと、違う意味で印象に残ったのが、世界の王者。
浦井さんの歌だったんですが、仮面ライダーで世界を守っていたのに、今は捕らわれてる…とか?
と、解釈もできるなーとw

先にプログラムを読んでおけば、もう少し楽しめたかも知れない作品。
でも、それは逆に言えば、そういう知識をどこかで事前に得られるように工夫すべきなんでは?
…もしくは…そういう知識がなくても、場面の繋がりとかがわかるような演出・演技ができていればよかったということ。
偉そうになるから、書くべきか迷ったけど。
皆さん、歌はお上手ですが、各場面ごとにそれぞれの世界観を出せていたかというと、残念ながら…。
その中で、昆さんは可憐な少女を上手く演じていらっしゃいました。
まあ、演じやすい、わかりやすい役柄、と言えばそうなんですが。

歌を楽しむということならよい感じ。
でも、もうひと味あれば、もっと楽しめるのになあという、ちょっと惜しい作品でした。