「アスペクツ オブ ラブ」

アスペクツ オブ ラブ 恋はすべてを変える」

††キャスト††
ローズ・ビベール 佐渡寧子
アレックス・ディリンガム 中井智彦
ジョージ・ディリンガム 村俊秀
ジュリエッタ・トラボーニ 笠松はる
マルセル・リチャード 寺田真実
ジェニー・ディリンガム 栗城唯
ヒューゴ 佐久間仁
エリザベス 佐和由梨

男性アンサンブル
畠山典之/斎藤洋一郎/浜名正義/白瀬英典/名児耶洋/塚田拓也/水野言

女性アンサンブル
岡本瑞恵/小島由夏/廣本則子/大岡紋/石川杏菜/川井美奈子/徳永真理絵




ソワレ公演を仕事帰りに見に行って来ました。
京都だと、定時に職場を出れば行けるのが嬉しいです。
この日は、プレステージイベント開催日だったせいか、平日にしてはカテコも長目で、スタンディングも多かったです。
座席は、J列センターブロック。


「アスペクツ オブ ラブ」は初見。
ALW作曲だし、楽しみにしていました。

オープニングは音楽とともに浮かび上がる女性の姿。
照明と、紗幕の奥の風景が綺麗でした。
その後、アレックス登場で物語は過去へ。

正直、1幕は退屈でした。
物語が細切れで、バラバラに思えて。
音楽も特に残る感じではないし。
冒頭のアレックスの歌は、カントリーソングのような懐かしさがあったけれど。

それが、2幕にはいると、物語に引き込まれました。
1幕で張り巡らされた伏線が、きっちり回収されて、見事に一つの物語に織り上がっていく感じ。
あの、細切れでバラバラに感じたひとつひとつの場面が、それぞれ意味を持っていく。

終わってみれば、面白かった!
登場人物に共感とかはできませんが、ちょっと源氏物語風でもあり…。
(全然違いますか?)
螺旋階段のように、時を経ても同じ物語が繰り返されていくのが面白かったです。

最後のアレックスの台詞「恋は繰り返す」で、まさか、このあとも繰り返すの?と思わされました。
私個人の好みとしては、このまま大団円がいいんだけども。
(まあ、決して大団円ではないのですが)


今回、印象に残ったキャストさんは、村さんと笠松さん。
村さんは、1幕のちょっと渋めのおじさんもよかったけど、2幕の老いた父親はもっとよかった。
1幕では恋人に執着しないのに、2幕での執着っぷりが、年老いたんだなあと。
最後の方は、娘に執着しているのか、娘を通して先妻を見ているのか、わからなくてちょっと怖かったです。

笠松さんは、とにかくよかった!
これまでは、小夜ちゃん、マリア(WSS)、クリスティーヌ、アン、マリア(SOM)と若い役しか見たことがなかったけど。
大人の女性で、格好良かったです。
挑むような目も格好良かったし、余裕のある態度も格好良かった。
役の幅が広がった感じで、この先もいろんな役を見てみたいと思いました。

その他では、ラスト近くのお葬式のシーンで、「斎藤さん??」と今更気づいたり。
帰宅してからキャストシートを見て、「白瀬さん??」と驚いたり。
斎藤さんは、准一郎さんと比べるとちょっとアゴがすっきりしている感じで、目元も涼やかに感じました。
(目元はメイクのせいでしょうが)
白瀬さんは、気づいていたら、もうちょっと声を聞いたんですが…。
ただ、全体に、コーラスはよかったから、気がつかなかったのかも。

シーンとして好きなのは、お葬式のシーン。
歌もダンスも格好良かったです。
スペイン風の哀愁を帯びたマイナーな音楽も格好良かった。
クラップのリズムや、足踏みのリズムがフラメンコ風で、そこも格好良かったです。

音楽は全体的に、半音階が多くて、不安定に感じるところも。
それは、登場人物の不安定な心情とか立場とかも表しているのかな。

1幕を見終わったときには、リピートはないと思いましたが、もう一回見てみてもいいかな、と思い始めています。
もう一度見ると、1幕でもいろいろな発見がありそうです。