「Wicked」


千秋楽までのカウントダウンボード



††キャスト††
グリンダ 山本貴永
エルファバ 江畑晶慧
ネッサローズ 齋藤さやか
マダム・モリブル 八重沢真美
フィエロ 松島勇気
ボック 伊藤綾祐
ディラモンド教授 前田貞一郎
オズの魔法使い 松下武史

男性アンサンブル
三宅克典/斎藤准一郎/白倉一成/品川芳晃/須永友裕/町田兼一/松尾篤/光山優哉/分部惇平

女性アンサンブル
石野寛子/木内志奈/小澤真琴/熊本梨沙/花田菜美子/原彩子/有坂佳子/三井莉穂/西浦歌織




キャストボード
こんな風になっているのに前回は気がついていなかった。
よい感じですよね。




名古屋の次回公演、「アイーダ」宣伝ボード


名古屋にウィキッドがいるうちに行っておきたいな、と思っていたのと。
松島さんのフィエロを見ておきたいな、と思ったのと。
江畑さんの「自由を求めて」に圧倒されたいな、と思ったのと。
そんな理由から、見に行ってきました。

座席は、1階F列センターブロック。
オープニングで飛んでくる紙テープの芯が二度ほど頭にぶつかりました。
勿論、痛くはないけど、時間差もあったのでびっくりしましたことよw


以下、個別感想。

■山本グリンダ
上品なグリンダ。
表情がお人形のように感じるところもあります。
でも、基本的に…普通の女の子であるグリンダ。

「おばか」には見えないです。
そして、扇動者にも見えないなぁ。
クラスメイトがエルファバに「目障り」等と言うのに対して、「みんながあたしの味方をしてくれてるわ」と喜んでいる感じです。
みんなを上手く乗せて、エルファバへの嫌がらせをしているようには見えなかったです。
「秘密の打ち明けっこ」で、泣くところも、計算ずくで、エルファバを誘導するようではなかったし。

これまでのグリンダは、魔法の才能はないけれど、人をうまーく動かす才能の持ち主という感じでしたが。
そして、勿論、無意識的にであれ、自分の才能に気づいていて、周りを思うように操っていた感じでした。
でも、山本さんのグリンダは、そういう計算をする感じじゃなくて、そういうところが「普通の女の子」に見えたのでした。

ところどころで、台詞の間が早いなと感じました。
もうちょっと溜めたほうが気持ちが伝わったり、笑いが取れたりするんじゃないかな。
鏡に映った自分に思わず見とれるとか、早過ぎて、ちょっとわかりづらかったかなとか、思いました。
エルファバをベッドに投げ飛ばすのも、振り回す感じがちょっと弱い。
「あたしのこと、グリンダって呼んでいいわよ」も、さらっと言ってるのが気になります。
…というか、ここは、普通に気になるんですけど。
他の愛称を言おうと思ったけど思いつかなくて、そのまま「グリンダ」なのか、本名は「ガリンダ」だけど特別に「グリンダ」と呼んでいい、という意味なのか。
知っている人がいらっしゃったら、教えてほしいです。


■江畑エルファバ
いつもは、「W&I」でちょっと声が出ていないなあと思い、「自由を求めて」で圧倒されるんですが。
この日は、「W&i」から声がよく出ていました。
歌いにくい音域なのかなーと思っていたので、声の幅が広がったのかな?
…と思ったのですが、そうではなかったのかも。
というのは、「自由を求めて」や「闇に生きる」などで、ちょっと声がしんどそうだったので。
決して、声量不足、というわけではないのですが、江畑さんの圧倒的な迫力が、この日はありませんでした。
今までのイメージは、1幕終わりで、客席みんなが「ふぅー」と息をつく感じ。
あまりの迫力に、息をするのも忘れるというか…。
とにかく、圧倒されるんです。

でも、この日は、普通に「よかったねー」という感じで。
決して、不満足ではないのですが、期待値が高かっただけに、ちょっと残念でした。

その他では、ピンクの髪飾りをつけられて、鏡に見入るところとか、よかったです。
あと、「勉強しなきゃね」が、優しくて。

駅のシーンで、フィエロに合図を送るところ、いい感じでした。
私はますます緑色だけど」とかも、ちょっと面白みがあって、そういうところ、可愛かったです。


■齋藤ネッサ
歌については、強・強・強…という印象。
そして、体は不自由だけど、意外と気ままに育てられた感じ。
歩けないから、いろんなモノを諦めなくてはならなかったネッサ。
それが、唯一(じゃないかもしれないけど)執着したのがボック…かな、と思っていたのですが。
すごく喜怒哀楽がはっきり見えるネッサで、我慢して生きてきた感じは見えませんでした。
勿論、常識はしっかり持っているので、人前では我が侭だったりしませんが、本質的には、何でも思い通りになると思っていそう。
そんな、ネッサに感じました。


■八重沢マダム
なんとも言えない凄みがあって、逆らえない怖さがありました(^^;
お茶目な感じより、こわーい感じが強い。
そうだ、ターニャだ…と思ったら、すごくしっくり来てしまったw


■松島フィエロ
「Good News」では、帽子を深くかぶっているので、顔がよく見えません。
…というか、見た瞬間にわかったのって、李フィエロだけですね。
もし、李フィエロを見ていなかったら、北澤さんでも岡田さんでも松島さんでも、絶対、私ではそこにフィエロ役の人が混じっていると気がつかなかったと思います。
基本的には、グリンダ様に触って「やったー」ってやっていたり、女性を押し出したり、同じ動きなんですけど。
李さん、なんであんなに目立っていたんだろう…w

さて、フィエロ登場シーンでは…。
他のフィエロと比べて、体つきががっちりしてるのが気になります。
そして、全般に、真面目に感じるのは…何故だ?

踊り始めるとさすが。
特に、高いところから飛び降りる所など、ふわりと降りていて、音がしない感じです。
(実際に音がしていないかはわかりませんが…着地が優雅というか、ふわっとしているのです)
ターンは、キレキレ。さすが、格好いい。
でも、カカシダンスは、きっちり型にはまっていて、そこらへん、ちょっと違う感じ。
ところどころで、「リチー」(コーラスライン)を思い起こしてしまう。
なんだか、非常に力強くて、「力こぶー」って感じがしてしまいます。

歌に関しては、高音でぶれてしまったところもありましたが、よく声も伸びていたしよかったと思います。
エルファバとのデュエットで、息が足らなくなったところもありましたが、残念な歌、ということはなかったです。
やっぱり、ダンサーさんは、身体がしっかりしているから、声も訓練でしっかり出るようになるんだあ…と思った次第。

でも。
演技が、ちょっと固かった。
「僕はいつだって幸せさ」とか、「本当に僕が何も考えていないと思ってるんだね」とか、そういうフィエロのいい加減に見えるところが全然感じられませんでした。
すごく真面目な感じで、「堕落させるのが僕の役目」なんて思えない。
むしろ、「ダンスを教えるぞ!ついてこい!」的な?

「君はそのままでいいのに」はさらりと言っていらっしゃって、北澤さん系かな。
最後の「おいで」も、複雑な思いがもっと出るといいなと思います。
というか、「おいで」がちょっと命令口調で、コワイw
ナウシカの夢の中で出てくる、お父さんの「おいで」「いや、私そっちへ行きたくないの」の「おいで」みたい…ちょっと違うけど)
(「ぼくだよ」も、もっと優しいといいなあ)

ラストは、今まで見た誰よりも、カックンしていて、歩くの大変そうやなーと。
でも、最後まで、ちゃんとカックンだったのは、よかった。

松島さんと言えば、結構、面白い人、というイメージだったのですが、そういう面はあまり出てなかったように思います。
「キラキラ〜」のところが、さりげないのに笑える風だったのが上手い!と思ったのと、ターザンの「あ〜ぁあ〜」というかけ声と思い切りのよい飛び込みがよかったのとくらいでしょうか。
もっと、そういうところが出た方が、フィエロらしいのに…と思うのは、私だけ?

カテコでは、面白い松島さんで、にまにまされているのとか、お茶目な感じとか、すごくよかったんですが。
そういうところがフィエロでも出るといいのに…と思ってしまいます。
フィエロの時、ずーっと真面目な感じで、その「にまにま」を何故、カテコでしか見せぬーー!と突っ込みたかったです。
(ま、そんな風に思うのは私だけかも知れませんけど)


■その他
アンサンブルさんでは、斎藤さんだけは確実に見分けられるようになったと思います。
顔が見えなくてもあごのラインでわかる(^^
あごに特徴があるせいですかね?
あと、グリンダに命綱つけるアンサンブルさんの衣装を覚えたので、いつか、田井さんが交替されたら、次は見分けられるかもしれませんw
え、そんなことはどうでもいい?

じゃあ、エルファバを見て気絶する女学生。
ブーツっぽい靴だけど、足首あたりがぺろーんってなってて歩きにくくないのかあーと思いました。

エメラルドシティのショーで、真ん中の人、ジャンプが高かった。
…そこが、フィエロ枠ですか?とか思って見ていました。

アンサンブルさんに関しては、質が高止まりで安定している感じがあって、よいですね。
松下陛下は、気のいいおじさん、と黒幕の顔が見事に使い分けられていてよかったです。


ウィキッドは、見終わって「ハズレ」と感じることがありませんが、今回もそうでした。
ただ、江畑さんの絶好調の時に、もう一回見たいです。
できれば、とことんはじけている「おばか」グリンダとペアで見たいな。<7月24日追記>
フィエロとエルファバのラブシーン。
がっぷり四つに組んで、力業でしたw
こんなに、力強いラブシーンも滅多にないです。
両者とも、もうちょっと、観客にドキドキを感じさせて欲しいものですw