「オペラ座の怪人」25周年記念公演

オペラ座の怪人
25周年記念公演 in London
at the ALBERT HALL


記念公演の映画を見てきました。

公式サイト http://operaza25.jp/ によると、関西での上映は、大阪梅田と京都二条のTOHOシネマズのみ。
時期はずれていて、10/28(金)までが梅田、11/5(土)からの1週間が二条。

土日は、どの日も仕事あり。
上映時間も、10:00〜、14:00〜、18:30〜とかなり厳しいです。
昼間は仕事があるから行けないし、夜も平日だとちと間に合わぬ。
しかも、終了時間は、21:40だしw

そこで、金曜日にちょっとだけ早めに帰らせて貰って、梅田まで出かけてきました。
途中、京都駅で途中下車して、ちらっとだけ「国民文化祭・前夜祭」に出演された「マンマ・ミーア」のキャストさんの舞台を見てから(^^)


四季の公式サイトでは、16:55〜17:20頃の登場とありましたが、実際はもうちょい早かったです。
私が京都駅に着いたのが、16:50で、大急ぎでイベントスペース方向へ向かったんですが、すでに、「ダンシング・クィーン」が聞こえてるー!
音を頼りに辿り着くと、ダイナモスの三名とアンサンブルさんが舞台で歌って踊っていました。
人垣の後ろから、樋口さんだけしっかり、出雲さん、八重沢さんはちらちらとかいま見で、拝見。
あっという間に終了し、そのまま大阪へ…と思ったら、京都劇場前付近に人だかりが?
もしかして、樋口さんとかがまだいたり?といそいそとそちらに向かうと…。

壁に沿うように進んでいく人は、荒川さんじゃないですか。
その後ろだったか前だったかには脇坂さん。
他にも、四季の俳優さんらしき人たち。
これは、もしかして、佐野さんも?とちょっと先の方へ進んでみると、いらっしゃいましたー。
ちらりと笑顔が見えた佐野さん。
格好良かったですvv

そんないいこともあったし、気分良く、大阪へ。
TOHOシネマズはだいたいの位置は知っていたけど、実際に行ったことがなかったので、ちょっと迷いそうでしたが、上品そうな奥様二人連れについていったら辿り着けました。
そうじゃないかと思ったんですが、この奥様達も『オペラ座』鑑賞でした。
…うん、明らかに、金曜日のこの時間帯、『オペラ座』を見に来た人たちは、他の映画を見に来た人たちとちょっと雰囲気が違ってたのでしたw
おかげで助かったーvv





††キャスト††
オペラ座の怪人 Ramin Karimloo
クリスティーヌ・ダーエ Sierra Boggess
ラウル・シャニュイ子爵 Hadley Fraser
カルロッタ・ジュディチェルリ Wendy Ferguson
ムッシュー・フィルマン Barry James
ムッシュー・アンドレ Gareth Snook
マダム・ジリー Liz Robertson
ウバルト・ピアンジ Wynne Evans
奴隷頭(ハンニバル)/羊飼い(イル・ムート) Sergei Polunin

メグ・ジリー Daisy Maywood
ジョセフ・ブケー Nick Holder
競売人 Earl Carpenter
ムッシュー・レイエ Philip Griffiths
ムッシュー・ルフェーブル Simon Green
ドン・アッティーリオ(イル・ムート) Stephen John Davis
パッサリーノ(ドンファンの勝利) Gardar Thor Cortes
フィルマン夫人 Heather Jackson

衣装係 Ellen Jackson
親友(イル・ムート) Rosemary Ashe
ヘア・ドレッサー(イル・ムート) Peter Land
宝石商(イル・ムート) Andrew Halliday
消防署長 Mark Oxtoby





公式によると、ファントムのラミン・カリムルーは、『レミゼ』25周年記念公演のアンジョ。
ラウルのヘイドリー・フレイザーは、グランテール。
奴隷頭(鞭男)と羊飼いのバレエ・ダンサー、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル・ダンサーだそうです。

ファントムの人は、アンジョの時より格好良く感じました。
グランテールはちょっと覚えていないけど、ラウルはめちゃめちゃ格好良かった。
そしてそして、鞭男は、すごすぎ。映像で見ても、すごさ、めちゃわかります。

そんなわけで、以下、簡単な?映画感想です。
(ネタバレがありますので、映画未見の方はご覧になりませんようー)


まず、冒頭。
「日本語詞:浅利慶太」のクレジットにびっくり。
でも、これ、よかったです。
何故かというと…字幕を全く見なくてもよかったから。

映画『オペラ座の怪人』の時は、訳が違ったので、結構字幕に気を取られてしまい、歌や映像を堪能しきれなかったのです。
でも、今回は、字幕はほぼすべて頭に入っていますから、歌と音楽とに集中できました。
ロングになったときに、字幕が俳優さんとかぶって見えなくなったのが残念だったくらいです。

演出はところどころ違っていました。
音楽のテンポも違っていて、新鮮。

オペラ座』は『レミゼ』とは違って、公演形式。
レミゼ』はコンサート形式でしたよね。
でも、『オペラ座』は公演風なので、セットもあるし、演技もしっかりあります。
ただ、大道具は置けないので、後ろの幕などは、映像。
ハンニバルの背景や、オペラ座の緞帳も映像です。
大道具としては、両サイドの階段と、劇場の本当のボックス席。
あとは、クリスの楽屋のテーブル、支配人のオフィスのテーブルなど、小道具が運び込まれる感じ。

でも、すっきりしていてそれはそれでよかったです。
階段は重厚感がありましたし♪
もちろん、本物のボックス席で歌うラウルとか、すごく良かったですし。

オケは、舞台奥の2階部分というか…。
そしてその付近には、上下に稼働する通路。(ファントムがクリスを連れて行くあの通路)
これが、オペラ座天井付近の通路にもなって、ブケーがそこを通っていたりするのが、良かったです。
ここで、ブケーが殺されるところもしっかりあったのがすごかった。


さて。
感想、どう書いたらいいでしょ。
書きたいことはいっぱいあるんですが…。

やっぱり舞台進行に沿って書くのが、書きやすいかな?


ハンニバル
踊り子さんの数が多くて、豪華でした。
そして、ここの奴隷頭さんが、本当に素晴らしかった。
踊りの優雅さ、ジャンプの高さ、回転は全くぶれない。
一つひとつの動きに、息を呑む感じです。
羊飼いもこの方らしいけど、奴隷頭の方がダンスの素晴らしさを堪能できます。
ここは本当にオススメ!な見所。

カルロッタは、オペラ歌手らしい体型で、可愛い。
「Think of Me」はしっかり演技もしていたと思うけどなあ。
そのあと、「よくあること?」からの演技は、本気で怖がっていてヒステリックで…。
見慣れた四季のカルロッタの演技とはちょっと違います。
「やめますわ」は傲慢な感じに見えますが、ここでは、やっていられないわ!感があふれていました。

そのあとの、クリスの歌は…。
はじめは「なあに、あの歌?」といった感じで、くすくす嗤っていた人たちも、中盤から、目を見張った感じ。
フィルマンさん(だっけ?)が「この子でいくか?」というのは、代役がいないから、とりあえず歌えるこの子で我慢…という感じなのです。
それくらい、はじめのクリスの歌は、自信なさげで、声も出ていないし、震えてるし…。
それが、ある一点からふっと焦点があって、見事に歌を聴かせる…といった感じの作り。
でも、実際は、ブレスがかなり入っていたり、マイクに雑音が入ったりで…、この歌は、ブレスが入りやすいの?と思ってしまいました。


■クリスティーヌの楽屋
ラウルとクリスの再会の雰囲気がすごくいい。
そして、自信満々なラウルが格好いいw
ファントムの声が聞こえたときのクリスは…。
ファントムの声に酔うというよりは、まず、厳しい先生に恐縮している感じで、師弟関係が見えていいな。


■地下室
「SING! SING for ME!」がすごくよかった。
ちょっと狂気が入っている感じ?
花嫁人形はでてこないので、歌っている間にクリスは気を失い、それをお姫様だっこしていくファントム。
そのまま衣装替えはなく、作曲をするファントム…こっちの方が格好良いと思ってしまったw

そして、マスクを取られた後の演出(演技?)がちょっと違って。
這いずっていく前半も、怒り狂ったファントムなんですね。
で、途中で一瞬顔を見せて、クリスが顔をそむけるのを見て、打ちひしがれたように歌うファントム。
顔を見せる(見られる?)のが、舞台版(もしくは四季版?)より早くて、そのあとの流れが自然に見えました。


■支配人のオフィス
ここのラウルも格好良いなw
そして、ここでは、カルロッタの生着替え。
ついたての向こうではありますが、こういう演出、よいんじゃないのー?


■イル・ムート
殿様、やっぱり声がよいー♪
カルロッタのカエル声、オペラ歌手の巻き舌はいった感じで、なるほど、こうなったのか!と思えるような声でした。


■屋上
良い、めちゃめちゃ良い。
まず、クリスがどうしてあんなに怖がっているのかが、すごくわかるのがよい。
パニックになってるのがよくわかる。
なんだか、四季のみてると冷静に「止めないで」って言ってるようなんだもんな。

そして、全然ラウルがファントムを怖れていないと言うか…。
完全に、クリスの妄想と思ってる感じがあって、それがまた良い。
闇の世界、孤独の世界から、太陽の下に救い出すよ!というのが、本当に伝わる。
ラウルが現実世界の、光の世界の住人であるのがすごくよく伝わってくる。

そんなラウルに「私は行ったの」とファントムが存在することを必死で語るクリス。
これも、いいなあ。
ファントムのことを話すうちに、闇の魅力にとりつかれていくのも、なんかわかる。

「誰?今のは?」のあと、思わず泣きじゃくり座り込んでしまうクリスも、いいなと思った。
そのあとラウルに抱きつくのは、光に向かって走っていくようで。

本当にここのシーンはよくて、見ながら、「どうしよう、このままではファントムよりラウルがいい、になるぞ?」と思ったほど。
しかし、そのあとのファントムの登場で、しっかりファントムの苦しみ哀しみに同化させられるのだから、また、素晴らしい。

ラウルの格好良さに魅せられながら、それでもファントムに惹かれてしまう…。
まさに、クリスティーヌの心情を体験できた感じ?
ラウルが格好良ければ格好良いだけ、それをひっくり返して、ファントムに気持ちを持っていかれるのが、凄いと思いません?


■マスカレード
「踊ろうマスカレード」とちょっとダンスが違った。
これは、この公演仕様?それともWE仕様?
それはともかく…。
「FACES」の本場バージョンを見て、粘るというより、「FA-CES」の「CES」でくっきり手を開く感じかーと。
あと、クリスの衣装が、可愛く見えました。
普段は、アニメのコスプレみたい…と思っていたのですがw
似合ってるw

アゲハチョウさんも目立っていて、何だか嬉しかったです。

そして、ここでの演出の違い。
ファントムは、クリスの婚約指輪を奪わない。
ただ、見つめて去っていく…。
「SING for ME!」はあるんだけどね。


■支配人のオフィス
マダム・ジリーはファントムを怖れているんだなあ。
多少は、ファントムに同情的なのかと思っていたけど、そうでもない気がしました。
ラウルをはじめ、男性陣は、ファントムを倒そうとえらい強気。
ただ、ラウルは、化け物と戦う男の子、ではなくて、クリスをファントムの支配から完全に救い出すために戦うしかないと思ってるように感じました。
そういう意味で、ちょっと今までのラウルのイメージとは違うかな。


■墓場
クリスの歌い上げるのが凄かった。
必死で助けを求めている感じもあった。
そこに現れたファントムは…。
クリスの孤独につけ込んでるようには見えなくて。

私の勝手な思いでは、本当なら、ここで現れるつもりはなかったファントムなのに、あまりにクリスが辛そうだから姿を現してしまったように感じました。
ただ、クリスのためだけに生きているファントム…。
そんな風にこの辺りから思えるようになり、純粋にクリスを愛しているだけのファントムに見えてきました。
ふと、「ウィキッド」のなかのこんな台詞が頭に浮かんだくらいに…。

「ただ、彼女を愛しているだけなのよ…」


ドン・ファンの勝利
クリスが…クリスが、ドン・ファンを誘惑するような蠱惑的な演技をしている!
全然「可哀想なあの羊」って感じじゃないよー。
ファントムに気がついてからの必死な感じの演技も良かったです。

フードを取られてから、一瞬逃げようとするファントム。
それでも、戻ってきて指輪をはめるファントム。
ここもちょっと演出が違ったところ。

そのあと、地下室へ向かうのは舞台だと船ですが、この公演では橋桁を引きずられて行きました。
この方が、クリスの抵抗感がはっきりみえてよいかも。


■地下室
三重唱はもちろん良かったです。
ラストのキスも、ファントムもクリスの頬を撫でたりしていて、良かった。
縄を切ってから、ラウルとクリスがすぐに抱き合うわけではないのも良かった。
ファントムが間に入って、ラウルに「二人して出て行け」と言っている感じで。

でも、なによりよかったのは、この後から。
オルゴールと共に歌いながら、そっとオルゴールの猿の顔を手で覆う。
それが、ファントムの人生を象徴しているようで。
そのまま泣き崩れるファントムの後ろに戻ってきたクリス。
気がついて、立ち上がり、「クリスティーヌ、I Love You…」と最後に言葉をかける。
このときの演出もちょっと違って…。
クリスは下手から登場するんです。
だから、二人が向き合っているとき、客席に見えるファントムの顔は、左側。
そのせいもあったのかもしれないですが…。

私には、そのときのファントムが、本当にピュアで、ただクリスへの思いだけに生きている人に見えました。
すべての仮面を脱ぎ捨てた、本当の自分でクリスに向き合っているように見えたんです。

すべての仮面。
それは、もちろん、常に身につけていた仮面もですが…。
醜さ、というコンプレックス。
そのほか、様々な、彼が鎧のように纏っていたもの。

それらを全部脱ぎ捨てて、まっすぐに、思いを告げた。
そんな風に感じて、とても美しい光景に見えました。

そして、クリスは…。
ファントムの手を取って、涙を流しながら、その手を押し抱くようにして、去っていきました。
いつもの演出だと船の上で、新たな旅立ちのように歌う歌を歌いながら。
階段の上で待つラウルも、クリスの思いとファントムの思いをしっかり受け止めているようで。
ファントムの想いも継いで、この先クリスを守り続けるのだという、そんなふうにも見えました。

ラスト、消えていくファントムには、いつもは、仮面が彼の実体で、結局生身の彼は、「ファントム」であったという思いを抱いていたのですが。
今回は、もしかしたら、仮面を脱ぎ捨てた彼は、どこかで、仮面無しで生きているかも知れない…と初めて思ったのでした。


■カーテンコール(というかエンディング)
現れたALW、誰かに似ていると思ってみていたんですが、ドランクドラゴンの塚地さんに似てません?
そう思ったら、もう、塚地さんにしか見えなくなっちゃいましたよ(^^;;

そして、サラ・ブライトマンと4人のファントム。
このうち、左から二人目のファントムが、すんごい歌うまで、「何、この人!?」と思ってしまいました。
一番右の人は、荒川さん風味もあり、どこか沢木さん風でもある?と感じましたが、ちょっと自信ないです。
一番左の人も歌お上手でした。
右から二人目の人は、初代バルジャンだったそうです。ひゃー。

サラは、CDと比べると、やっぱり高音がでなくなったのかな?
ブレスたっぷりすぎて、ちょっと残念。
あと、初代ファントムも来てたけど歌ってはくださらず。

4人のファントムと、今回のファントムの5人で「夜の調べ」を歌っているのも聞き応えがあり、良かったーvv
でも、一番は、やっぱりこの公演のラスト。
もし可能なら、二条にも行けるといいなあ。
二条も、金曜公演があるなら、翌日の土曜は仕事がないから(たぶん)休みをちょっと貰って行けるといいなーと目論んでおります。
そのときは、見にくくても前の方の席で迫力ある画面をみたいですw