「モルフェウスの領域」

モルフェウスの領域
海堂尊さん著。

コールド・スリープの技術が確立し、その技術で眠りについた少年。
このコールド・スリープは、永遠のものではなく、5年という期限付き。
冬眠のようにゆっくりと深い眠りに落ち、ゆっくりと眠りから覚めるという技術です。

主人公は、コールド・スリーパーの少年を見守る職員です。
機器の管理や、記録など、ひとりでほとんどの業務を行っている女性。

この女性が、目覚めたあとの少年を守るために、いろんな方策を考えていきます。

少年が目覚めるまでが前半。
こちらは、ほぼ、女性の語りのみ。
曾根崎伸一郎氏とメールのやり取りをしたり、東城大病院に赴いたり。

ちらりと曾根崎薫くんが登場するのは、いつものゲスト出演でしょうか。
そして、主人公の女性・凉子さんが、アフリカのある国で出会ったというよっぱらいの外科医は…。
天才的な手腕と口の悪さとからして、渡海先生じゃないかと思うのですが。
ここではちらりとしか語られていませんが、凉子さんは、ジェネラルルージュの伝説の事故に巻き込まれ、速水医師に出会ってるようでもあります。

いつものことながら、本編と今のところどう繋がるかわからない、細かい設定につい気を取られます(^^;

コールド・スリーパーの少年は、佐々木アツシ君。
ナイチンゲールの沈黙」に登場した少年です。

目覚めたあと、彼をサポートするのは如月さん。
性急さというか強引さが少し無くなって、できる看護師長さん!という感じになってました。

田口先生も登場。
あんまり変化はなさそうです。

東城大学病院はいったん潰れてしまって(!)、救命センターは再興できなったそうで…。
速水先生と花房さんはどこにいったのかなあ…。

関係ないけど、大学病院が潰れたのは、やっぱり桜宮小百合さんの復讐?
見事、成功したってことかな。
で、なんとか再建した…と。

…いけませんね、ついつい、行間の物語を追いかけてしまいます。
本編のコールド・スリープについての話は、「医療ミステリー」というにはちょっと違うような気がします。
凉子さんが必死で探した答え(モルフェウス−コールド・スリーパーの少年に凉子さんがつけた愛称−を救うための方策)は、わかったものの、実現する方法が、すごいというか、それってあり?
ラストシーンから、5年後の物語が気になります。

きっと、直接は語られないでしょうが、他の作品の行間に出てくるだろうと思うので、読み落とさないようにしないとw