蛍狩り

「蛍狩り」と書くと、なんだか風流な感じがします。

滋賀県守山市ではこの時期、「守山ほたるパーク&ウォーク」というイベントを行っています。

http://www.moriyamahotaru.com/index.html


蛍を育てて、守り、自然な形で鑑賞する…というイベント。
で、合ってるかな?


詳しくは知らないけど、守山運動公園に「ほたるの森資料館」があって、その周辺で蛍を鑑賞できるらしい、ということはずっと知っていました。
行ってみたいけど、きっと混んでいるだろうから、行かなくてもいいかーと思っていたんですが、機会があって、ちょっと行ってきました。


いやあ、やっぱり人が多かった。
特に、川沿いの遊歩道は、入場者の列ができていて、ディズニーランドのアトラクション待ちか!ってくらい。
もともと「行かなくてもいいか」な私ですから、「並んでまではいいよ…」とすっかりやる気を失っておりました(^^;

そこで、行列の遊歩道は回避し、その外回りの道をぶらぶら。
こちらも、そこそこの人波でしたが、とりあえず歩いたり止まったりは、自分の意志でできるくらいには普通の道。
混み混みの遊歩道の方をのぞき込みつつ、ぶらぶら。
遊歩道からは「いっぱいいるー」「きれー」とわいわいがやがや。
そーなん?とそちらに目をやると、微かに明滅する光が見えました。

ちょっと遠いけど、蛍だなあ…。
それなりに満足して帰ることにしました。


駐車場へ向かう途中、ふと「そういえば、グラウンドの裏にも川があったなあ?」とそちらに足を向けました。
シャトルバス乗り場に向かう道だったため、こちらも結構な人混みです。

資料館前まで来たところで、グラウンド横(目的の場所よりだいぶ手前)で、ふわりと光が舞いました。

蛍です。
それも、一つではなくいくつもの光。
やっぱり遠いですが、先ほどよりゆったりと見ることができました。



帰り道、思ったのは、
あの淡い光は、暗闇の中でなければ、楽しめないなあということです。


源氏物語』の「蛍」では、光源氏が御簾の中に蛍を放って、玉鬘の美しさを見せるという場面が描かれていますが、そのためには一体どれほどの蛍が必要だったのでしょう?
そして、蛍が美しく見えた平安京の闇はどれほど深かったのでしょう?

蛍の光の明滅は、ゆったりとしていて、平安時代の人々の時間の流れを感じさせます。
蛍を見た、ということより、蛍を通して古き時代を実感できたことが、なんだか嬉しかったです。

そういえば、昨夜は闇夜でした。
だからこそ、蛍の光も美しく見えたのでしょう。

そんな中で、「蛍、あそこだよ」と懐中電灯で照らす人たちも少なからずいて、「ああ、無粋だな」なーんて、「粋な人」風に思ったり。


自分にちょっと笑いながら、楽しく帰途についたのでした。