「偉大なる、しゅららぼん」


偉大なる、しゅららぼん
万城目学さん著


万城目さんと言えば、「鹿男」「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」。
それぞれ、奈良・京都・大阪を舞台とした、ちょっと不思議な世界の話です。
(大阪は厳密には、不思議、ではない?)

そして、「しゅららぼん」は、滋賀の架空の町が舞台になった不思議なお話。
読む前は、彦根のちょっと北側と思っていたのだけど、実際は、米原と長浜の間にある「石走」という市が舞台でした。
石田三成の居城であった佐和山城の遺構を分け合った、彦根藩と石走藩のお城。
現実的に言えば、井伊の傍にもう一人、有力譜代大名をおくとは思えないんだけどねw

お話は、石走の有力者・日出家に、湖西からやってきた涼介を中心に、進みます。
どうも、涼介は不思議な力を持っているらしいんですが、その力が何なのかは初めのうち明かされません。
そして、涼介の同じクラスには、棗広海という日出家にとってのライバルの家の息子がいて、こちらも謎めいていて。

ラストは、反則だろう!という展開ですが、やりきれない思いと、それでも最後に少し救われる思いとがあります。
とりあえず読み終わって、竹生島にいっぺん行ってみたいな!と思いました。