「希望荘」

「希望荘」

希望荘

著:宮部みゆきさん


杉村三郎シリーズ、第4弾。

これまでと、趣が変わりました。
短編連作です。

今のところは、それぞれ独立しています。
でも、事件は完全に解決してはいなくて、少しずつ、波乱の種を含んでいそう・・・。

このまま終わるかもしれない。
でも、ここから大きな事件に繋がるかもしれない。

「木暮写真館」をちょっと思い起こすかなー。


杉村さんは、変わらないイメージ。
桃子ちゃんとは、定期的にあっているみたいでよかった。
しかし、元・奥様はどうしているのか。

杉村さんにも非はあったよなーって、前作を読み返したときは思ったけど、やっぱり納得いかん!

ので、こちらにもすっきりした決着がつくといいなあと思います。
思うけど、きっとつかないんだろうなー。


あ、肝心の本の感想がなかったか。


なんだか、いろいろもやもやしますね。
最初の事件は、人は死なないし、厳密には事件じゃないけど。
なんだか、嫌な気持ちにさせられるお話でした。

その他のお話も、被害者の家族、加害者の知り合い、その周辺で生きる人々、それぞれの身勝手な思いと、誰かのためにという思いとで、どぷんとした重苦しさがありました。

杉村さんの周辺の人達は、ちょっとお節介だったりしてほっとするんですが・・・。

杉村さんは、依頼からもたらされた重苦しさをどうやって抱えていくんでしょうか。
ちょっとしんどいだろうな・・・と。
小説の中の人だけど、そんな風に思ってしまいます。

誰か、杉村さんを支えてくれる人がいるといいのに。


さっきは、「木暮写真館」みたいだと書きましたけど、「三島屋変調百物語」にも似ている気がしています。
おちかちゃんには、いろんな人がいてくれるけど、杉村さんにはそういう人がいないので、大丈夫かなあと、心配になってしまうのでした。