「嵐が丘」('15/5/17マチネ)

嵐が丘


††キャスト††
堀北真希 キャサリン・アーンショウ
山本耕史 ヒースクリフ

高橋和也 ヒンドリー・アーンショウ
伊礼彼方 エドガー・リントン
矢崎広 ヘアトン・アーンショウ
小林勝也 ジョウゼフ
ソニン イザベラ・リントン

戸田恵子 ネリー

陰山泰 ケネス医師
近野成美 キャシー
小林大介 ロックウッド

横山敬 アーンショウ/召使い/ジプシーの音楽家/牛乳配達人
篠原正志 召使い/ジプシーの音楽家/鍛冶屋/寺男
林田一高 ロバート/下男
小谷早弥花 フランシス/女中/若い女
鹿野真央 納付の娘/女中/ジプシーの音楽家

新嘉喜由芽 少女キャサリン/少女キャシー
柄沢怜奈 少女キャサリン/少女キャシー
坂本達哉 少年ヒースクリフ
松本海弥 少年ヒースクリフ
市ノ澤直希 少年ヒンドリー/リントン
柴入拓矢 少年ヒンドリー/リントン
大西由馬 少年ヘアトン
吉田湊 少年ヘアトン



E.ブロンテの嵐が丘の舞台。
原作は読んだのですが、個人的には姉のC.ブロンテの「ジェーン・エア」の方が好きでした。
そのせいか、やや印象が薄い…。
原作よりむしろ「ガラスの仮面」の嵐が丘の印象の方が強かった(笑)
堀北さんのキャサリンを見ていて、漫画のシーンがよみがえることもありました(^^)


舞台の感想は…ヒースクリフ、暗いっ。
自分の人生、すべてを復讐に使って、そんなんでいいの?
そんでもって、なんであんなに自分勝手なんだ。

自分勝手といえば、キャサリンもそうなんだけど、彼女のはなんか許せる。
いや、すべての元凶は彼女なんだけど。

いやいや、元凶はキャサリンの父親かな。

なんにせよ、みんなわがまますぎ。
リントン家の兄妹がすっごくまともに見えるわ。
(リントン家の兄はキャサリン旦那、妹はヒースクリフ嫁)


ヒースクリフは毒薬。
みんな、彼の毒気にあてられて歪んでいくかんじ。

唯一、キャサリンだけが、その毒も含めて彼を理解していたのかな。
そして、中毒になってしまった。

ヒースクリフもまた、キャサリン中毒といえるけど。


キャサリンは、わがままで傲慢で、生命力にあふれていて、そのくせ弱い。
見た目は可愛くてきらきらしい女の子ですが、精神は野性動物のよう。
熱演だったと思います。

ヒースクリフは、とにかく暗い。
何を考えているのかが、わからない。
なんであんなにひねてるんだろう。
隙があれば、喉笛をかっきってやろうという獰猛さを秘めた猛獣。
最後に弱さを吐露することで、やっと彼が人間らしく見えました。
時々、彼の表情について、他の人が説明する場面がありましたが、かなり高等な技術が要求されるよなぁと思っていました。
悲しそうとか、怒っているとか、そんな単純でなく、かなり細かく指定された表情を具体的に見せるのは難しいと思う。

ネリーは、声は聞き取りやすいし、歌はきれいだし(ミュージカルじゃないと思うのですが゛2曲ほど歌うのです)、登場すると明るくなるし、唯一、見ていてほっとする人でした。
戸田さん他のの舞台も、見てみたいなぁ。


セットは、せりを上手く使っていて、面白かったです。
床が見える席だと、更に楽しめたかと。
また、背景の青空がきれいでした。

音楽は、予想外の生演奏。
下手にちっちゃいオケピがありました。


重厚な舞台で、おなかいっぱいになってしまったので、マチソワはしませんでした。
でも、可能なら、数日あけて、もう一回見てみたい。
とりあえず、原作を読み返してみようかと思っています。