「壁抜け男」('14/3/13マチネ)

††キャスト††
デュティユル 飯田洋輔
イザベル 坂本里咲
部長・刑務所長・検事 青木朗
八百屋・娼婦 佐和由梨
デュブール医師・警官2・囚人・弁護士 明戸信吾
B氏(公務員)・警官1・看守1・ファシスト 金本和起
C氏(公務員)・乞食・看守2・裁判長 川原信弘
画家 永井崇多宏
M嬢(公務員) 戸田愛子
A夫人(公務員)・共産主義者 久居史子
新聞売り 有賀光一

この日の座席は、下手ブロック6列目の真ん中くらい。
自由劇場は7列目から段差があるので、6列目はちょっと見にくいところもあるかな?と思っていましたが、とても見やすい席でした。
特に、新聞少年の「ごうかーい、義賊ーの怪盗ーガルガール♪」客席に降りて来られるところは、扉から出て行かれるまで見送ることができて、幸せでした。
カーテンコールは上手にお立ちになるので、そこだけ残念でしたが、それ以外は、大満足でした。

勿論、大満足だったのは舞台全般についても同じです。
飯田さんのデュティユルは2週間前より切なさが増したようで、病院からの帰り道のソロが胸に迫りました。
もともとここの歌、好きなんですけどね。

明戸さんの警官は相変わらず可愛いし。
特にツーステップになっていないステップが可愛くて大好きです。
自転車のライトを「かちっ」と点けるところもいいですよね。
あ、やっぱり金本さんのツッコミ(ロングトーンの警官2をこづくところ)は神保さんに比べると弱めでした。
神保さんへのツッコミの激しさはすごかったですけどもw

M嬢はソロの「胸焦がす…う・う・う」の腰でリズムを取るところがレベルupしていた感じ。
あと、本心からではなくにっこり笑うときの笑顔がめちゃくちゃ可愛いです。
にっこり笑って、そのあと心の中で舌を出している感じ、そのギャップがいいですよね。
「受難のマリア」でデュティユルに「連れ去って」というあたりは、たぶん、本心からの笑顔なんでしょうが、そちらはなんとも言えない含みがあって怖いです(笑)

そして公務員といえば…私、この日までB氏とC氏を間違えていました。
B氏って眼鏡かけてインテリ風じゃないですか。
で、イメージとして看守2で裁判官だと思っていたんですよね。
でも、この日、B氏があごひげを蓄えていらっしゃることに気がつき、自分の間違いを知りました。
確かに、B氏、めっちゃ背が高いですよね。
しかし…金本さん、B氏の時と、看守・警官の時と、ファシストの時で、全然顔が違って見える…。

もう一つ、この日に気がついたこと。
デュティユルの釈放を求めるデモで、メガホンを持っているのって青山さんですか。
帽子を深くかぶっていらっしゃるから分からなかったんですよーと一応言い訳。
如何に私が一部新聞少年しか見ていないかが分かります(^^;;


そして、新聞少年さんですが。
「商人のワルツ」での「新聞はいかがです?」からの「ほかほか」が前回と違いました。
前回は、両手で二つ折りの新聞を持って、「ほかほか」に合わせて揺らしていたのですが、今回は左手に新聞を持って右手全体で紹介している感じ。
こういう細かく変えてこられるところが、見ていて楽しいですよね。
そして、袖にはけていかれるときに、娼婦さんと腕を組んでいくところがすごく好きです。
足取りもすったかすったかしていて、合わせていいなあと思います。

「ごうかーい♪」では、一箇所、ちょっとテンポがずれたかな?というところもあって、さすが難しいんだなあ…と思ったり。
その後の客席降りでは、下手ブロックに笑顔を振りまいてくださったので、最高に幸せでしたが(*^▽^*)

デュティユルが脱走するところに行き合わせるときは、ぶつかりそうになってびっくり。
その後、変装したデュティユルを見送るところは、軽く帽子のつばに手を当ててご挨拶。
「どうぞ、スタジオ♪」のあと、スイッチを切ったときの満足そうな顔(ちょっとどや顔w)がとっても可愛かったです。

裁判では、ファシストには押され気味で、娼婦には優しく(上手く言えて良かったね!)的な満足な表情で、共産党員の声に押されてのけぞってしまったり。
検事が「死刑にしろ」と言ったときの(まさか、そんな求刑をするとは!)という驚きの顔もいいです。
裁判官の「死刑はやりすぎだ」には「そうだー」とかけ声。
デュティユルの「イザベルを救ってください」には「ええ!」。
いや、確かにキャラ的に似合わないけど、ここは「よっしゃ!」とか、そんな感じじゃないの?とちょっと笑ってしまいましたが。

口笛バレエは、新聞少年だけじゃなく、みんなすごく良いですよね。
あったかくて、大好きです。

そして、フィナーレ。
物語を終えた役者達が、楽しく、それぞれ見せ場を演じている感じで楽しいです。
うーん、言葉足らずですね。
なんとなく劇中劇っぽいというか。
役者達が、「壁抜け男」という演目を演じて、最後は、その役者達が素で楽しんでいる…という役者さんたちを、四季の俳優さん達が演じている感じなのです。

だから、それぞれの人が登場したときにリアクションしているのは「有賀さん」ではなく、「新聞少年を演じていた、とある役者さん」という感じ。
そして、新聞少年役の人は、それぞれの人にリアクションしていて楽しんでいる感じです。
部長に「あほ・あほ・あ本当にごもっとも」と言うときとか、「あほ」って言うのを楽しんでいる気がします。
医師が出てくると「よっ、登場しましたね!」的なリアクションで。
自分の出番が来ると、いそいそと裏にスタンバイして、「ごうがーい♪」と元気良く飛び出す。
周りに手をぶんぶん振るのも、新聞少年を演じた役者さんとしての演技な感じ。
皆さんが一緒に「ごうがーい」って歌うのも良いですよね。
続くデモでは、それぞれ皆さんがセンターでご挨拶されているのを、それぞれに押しのけていくのが楽しいです。
新聞少年も、綺麗にお辞儀して、で、突き飛ばされるのが可愛い。
娼婦の歌で、画家さんと組んでダンスしてセットの後ろを通って上手に移動されていくところ、「あ、踊ります?」的な画家さんとのやり取りが楽しいです。
M嬢が登場すると、M嬢の真似をして腰を振ってみたり。
デュティユルが登場すると、今回も同じように飛び上がって足裏あわせしてましたが、前回、デュティユルが腰に手を当てて足を交互に上げるところを一緒になさっていたんですが、今回はそれはなし。

この日は、「人生は素敵」を二回歌って終了でした。
いつか、このラストの「人生は素敵」と客席に向かって歌われるときに新聞少年の前に座って見たいなあ…。
この歌で、いつも「どんな人生も素敵なんだよ」と幸せになれるんですが、一度でいいから新聞少年の声が降ってくる席でその幸せに浸ってみたいのでした。