「白ゆき姫殺人事件」

「白ゆき姫殺人事件」
 湊かなえ

白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)


良質のミステリー、と何処かの記事で読んで、興味を持ちました。
お伽噺をモチーフにしたお話が好きなのもあって。


被害者は、とても綺麗な女性。
勤めていた会社のヒット商品「しらゆき石鹸」とかけて、「白ゆき姫」とネット上で称されています。

物語の構成は、「告白」と似ていて、章ごとに語り手が変わります。

第一章は、被害者の同僚で後輩の女性。
彼女が、知人のフリージャーナリストに、事件について電話で話した一部始終が内容。
章末には、「参考資料○ページ」と記されています。
この章の参考資料は、電話を受けながらジャーナリストがネットに書き込んだつぶやき。
「マンマロー」というサイト?ツイッターのようなもの?

第二章からは、ジャーナリストが取材で出会った人たちの証言。
被害者の同期の女性が、犯人ではないかと疑われています。
ジャーナリストは、同期の女性の周辺人物に取材をしていきます。
まずは、会社の同僚達。
かつての同級生や、故郷の人々、父母。
ここでの参考資料は、週刊誌の紙面だったり、ネットの呟きだったり。


読み終わって、成る程〜でした。
うまく作者の掌の上で転がされた感じ。

しかし、事件が起こって、どんどん見えてくる人の本性が、とても悲しいお話でもありました。