「赤毛のアン」

††キャスト††

アン・シャーリー 林香純
マシュー・カスバート 日下武史
マリラ・カスバート 木村不時子
ステイシー先生/スローン夫人 大和貴恵
ギルバート・ブライス 有賀光一
ダイアナ・バリー 山西里奈
レイチェル・リンド夫人 中野今日子
バリー夫人 横山幸江
スペンサー夫人/パイ夫人 原田真理
ブルーエット夫人 金原美喜
マクファーソン夫人 村瀬歩
店員ルシラ 松本菜緒
ジョシー・パイ 吉良淑乃
プリシー 小澤真琴
ベル 成松藍
ティリー 古田しおり
ルビー 菅谷有希
フィリップス先生 鈴木周
郵便配達アール/チャーリー 鈴木智
農夫セシル 近藤聡明
牧師/駅長 玉真義雄
キット 高橋徹
ジェリー 名児耶洋
ムーディー 笹岡征矢
トミー 笠松哲明



オフステージトークイベント実施日でした。
イベントも目当てで行ってきました。



この日の初見は、ステイシー先生。
あと、プリシーも変わっていました。
気がつかなかったけど、マクファーソン夫人も変わっていたんですね…。



とりあえず、ステイシー先生から。
1幕は、スローン夫人ですが。

婦人ボランティアのシーンで思ったのは、背が高いぞー?
リンドさんと並ぶと、リンドさんがすごく小さく見えます。
牧師さんと並んで、ほぼ同じくらいの身長。
ヒールのある靴かもしれませんが、それにしても背が高い!
歌は、声楽風で、やや籠もり気味ですが、素直な声質だと思いました。


2幕でのステイシー先生。
アンやダイアナなど、子ども達が憧れる先生らしい、優雅で上品な感じの先生。
と、思いきや、踊り出すと、動きにキレがあって…実はまだまだ子ども達と年齢の近い先生という感じです。
原作で、アンやギルバートがクィーン学園を卒業後、教師になりますが、ステイシー先生も同じくらいの年齢じゃないでしょうか。
アンが先生になったときは、きっとこんな風なんだろうな…と思える先生。
子ども達の前では、大人びて見せているけど、実はまだまだ少女の部分も持っている感じ。
ただ、基本、レディではあります。


大和さんは、アムネリスにもキャスティングされていたと思うんですが、ちょっと楽しみかも。
歌の迫力とかは、ステイシー先生でははかれないですし、深い悲しみの演技などもわかりません。
でも、ステイシー先生の歌はよかったですし、何より、品のあるたたずまいと動きがよかったです。
おてんばな部分が見えても、優雅さが損なわれないので、王女としては相応しいのではないでしょうか。
…なんて、思いながら拝見しておりました。




続いて、アンについて。
すっかり固さはなくなって、林さんのアンになっていたように思います。


グリーンゲイブルズに着いて、マリラと対面するときの笑顔が、笑いを取っていました。
「にっこり」という感じではなくて…、「にん!」という感じの笑顔。
私の勝手なイメージでは、伊藤四郎さんの「にん!」のイメージなんです。


ブルーエット夫人のところでの、「何故?こんなところに」の「何故?」が凄く辛そう。
マリラの「やめなさい」に対しての「何故?」に聞こえます。
このシーンでは、「本当のことだけを話したわ」のあとのマリラの反応に涙を誘われました。
気持ちを抑えて、アンから目を逸らすのが辛いですね。


グリーンゲイブルズに帰ってからのアンとマシューのダンス。
アンの元気いっぱいの笑顔がいいです。
そして、抱きつかれたあとのマリラの一瞬の躊躇いがいいなあ。


リンド夫人との言い争いは、すごーく面白かったです。
「けしてけして、けしてーーーーー」の癇癪爆発が、それらしく見えました。
「大変な満足を覚えましたから」では、鼻息「ふんっ!」って吹き出しがみえるような演技で笑えました。
そして、アンと同レベルで怒ったり、アンにあっさり同情してしまったりするリンド夫人が、本当にかわいかった。


ギルバートの頭を殴る時は力強く。
本当に痛そうに見える迫力でした。
ギルバートとの関係でいうと、なんだかんだ言って、ギルバートのことが気になっているのが見えました。
ジョシーがいらつくのもちょっとわかるような、気になり方。
口では、「ギルバートを憎むわ」といいながら、実は…みたいな感じです。
ちょっと調子のってるんじゃないわよーって感じがしました。



ギルバートは、前回もよかったと思っていましたが、更に更に、よかったです。
何がいいって、歌が。
前回は、声が出ていてよかったーって思ったんですが、今回は、歌に心がこもっていてよかった!


石盤事件のあとのソロ、反省するところから、素直に謝ろう…と決心する気持ちの移り変わりがよくわかりました。
ちゃんと、台詞になってた。


アンと競い合うことを決めたデュエットでも、ふっと気持ちが折れるのがちゃんと伝わってきます。
歌詞でもわかりますが、歌詞だけじゃなく、ちゃんと気持ちが伝わってくる歌。


あと、フィリップス先生にいたずらを仕掛けたあと、プリシーのおかげで難を逃れたときの「助かったー」とか、
アンを初めて見て、「あれ誰?」と聞かれて「知らない」と答えるのとか、
石盤事件の時にみんなを席に戻らせるために「戻れ」と言ってる言葉とか、
よかったです。


特に「戻れ」が格好良かったー。


アイスクリームの場面では、にっこりジョシーのサンドイッチを拒否するのがいいです。
そして、座ってアンを見つめている目が優しい。
スプーンレースでは、最後にアンを見て満足そうににっこり笑うのがすごくかわいいです。
アンは気がついていないのですが。
そして、身だしなみを整えてアイスクリームをアンに持っていくときの笑顔と、そのあとの、落差。
いたたまれない…という苦り切った表情を走り去っていくときの様子がかわいそうです…。


野外観察の時、ステイシー先生が捕まえた虫をそっと受け取る動作も、虫に対する思いやりが見えます。
そして、空に帰す時の動きも優しくてよいです。
あ、そうそう、このときのステイシー先生と子ども達の身長バランス。
小学校の先生と子ども達に見えるのが、素晴らしいですよw


学芸会の歌は、コーラスの中でもよくギルバートの声が聞こえていました。
コーラスの中で聞こえる有賀さんの声、ソロよりも好きなんですよね。


ラストシーンは前回同様、ゆったりとした間で、心にしみわたりました。
「勉強は続けるんだろう」という言葉にある思い。
呼び返されて、にっこり微笑んで手を取り合うときの思い。
そして、帰っていくときの間。
いいなあと思います。



マシューとマリラは、いいコンビネーションで、特に、ギルバートと絡むところの二人が好きです。
マリラを意識して、マシューが「君の脳味噌の調子は」などと声をかけるのに対し、びくっと反応するマリラが面白い。
普段はマリラ優勢なのに、ここでは、逆転してるのがよいです。


マリラとリンド夫人の絡みも好き。
子どもの頃からの友達…というのがよく伝わってきて。
アンは、二人の子供時代を「私の想像力にも限界があるのよ」といいますが、きっと仲良しだったんだろうなあ。


マリラは、毎回、様々な場面で原作のモノローグを思い出します。
お祈りの前の一瞬の間とか、アンに抱きつかれたときの間も。
リンド夫人に謝りに行くときの「よろしい!一緒に来なさい」なんかは、マリラのユーモラスな性格のでているところですし。


婦人ボランティアのシーンで、孤児院から来た子どもが井戸に毒を投げ込んだ…という話題がでているとき、牧師さんが十字架を握りしめ、祈りをささげる演技をしているのに今更気がつきました。
そして、ここの、牧師×アール×セシルの男声コーラスが気持ちよかったです。
牧師さんは前からお上手だと思っていましたが、アールも上手くなったなあーと思いました(偉そうですみません)


ダイアナは、名前を誉められて恥じらう感じや、アンの大仰な言葉遣いに感心しているところなど、本当に「いい子」だなあと思わされます。
おっとり感が、ダイアナらしくて、だんだんはまってきました。


ルシラの歌は、好きです。
でも、「ピッチフォーク!……今頃?」の間は、もう一拍あるほうが、好みです。



全般として、感想はこんな感じです。
イベントの感想は、別に書きます(^^)