「THE 39 STEPS」

助けた美女は国際スパイ!?
事件の謎解く秘密の暗号(コード)は
THE 39 STEPS!

サスペンスの名手、アルフレッド・ヒッチコック監督による映画『三十九夜』を元に作られた本作。
原作にはないユーモアも加えられ、見事に演劇へと昇華されています。
スリルとスピード感に溢れた第一級のサスペンスは超一級のコメディとして生まれ変わりました!
主人公ハネイのほか、謎の美女アナベラ、殺人者、牛乳屋、警官、駅員…この物語に必要な139役を演じるのはたった4人。
一見不可能とも思えるこの設定が可能になったとき、あなたは舞台が起こすマジックを目の当たりにするでしょう!!


以上、チラシよりw

舞台は、1935年のロンドン。
舞台を見に行って出会った美女を家に連れて帰る。
その美女がスパイで、イギリス航空局(←字あってるかな?)の機密を盗んだ左手の小指の先のない男から、秘密を守ろうとしている…。
ところが、彼女がハネイの部屋で殺され、ハネイも狙われることに。
美女を殺したのはハネイだと警察に追われ、一方で小指の先のない男の仲間たちからも狙われ…。
美女が残した暗号が「39のステップ」
ハネイは、秘密を守り、また、殺人の疑いを晴らすことが出来るのだろうか――。



††キャスト††


石丸 幹二
高岡 早紀
浅野 和之
今村ねずみ


会場はシアターBRAVA!
この日の座席は、下手ブロック、九列目です。

会場に着くと、原作映画の『三十九夜』のDVDとプログラムを声高らかに販売されていました。
DVDは、「残り四本です! あ、あと二本になりました! …いま売り切れましたー」
プログラムは、「本日、千秋楽です。プログラムはここにあるだけになります。是非、今の内にどうぞ!」

DVDは悩む間もなく売り切れたから良いとして。
プログラム…どうしよう?
いつもは、役者さんのお名前を確認するためにも買ってるんですが…。
今回は、4名だし、4名ともお名前ははっきりわかっているしなあ。
舞台を観て、すごーく感動したら買おうかな。
でも、そのときには売り切れてるかもしれないんだよなー。

などなど。
ちょっと悩みましたが、そこそこプログラムはありそうだし、幕間に決めよう!と思って、座席へ。

そうしたら、既に舞台上に一人の男性が。
ちょうど、DVDの説明をされていました。

ヒッチコック監督の原作映画のDVDはロビーで500円で販売中です!」
…って、さっき売り切れたって言ってたで?
この話を聞いて「いやぁ、うち買おうかなvv」って思ったらどうするんだろうw

それはおいといて。
このあと、クイズが出題されまして、それに正解した人にこのDVDがプレゼントされるそうな!
既に売り切れてますからね!
これは、意外にレアですよw

クイズは「ヒッチコック監督映画は数多くありますが、そのうち3本を答えてください」
手を挙げたのは、一人だけで、見事正解。
DVDをゲットされました。

次のクイズは「今回の出演者はたった4名ですが、全員同じ血液型です。さて、何型でしょう」
こちらの景品は、出演者のサイン入りプログラム。

さっきと違って、手を挙げる人の多いこと!
しかも、身を乗り出してる人もいるしw

答えは「A型」で、見事、女性がサイン入りプログラムをゲットされていました。


この時に、4名が139役をすること。
でも、石丸さんは主役で、1役しかしないから、3人で138役するのだということなどの解説もあり。
これ、大事な説明ですよねー。
この説明があってこそ、笑いが生まれる面もある…と私は思いましたw

とにかくそんなこんなで、開演です。



始まってみると、高岡さんもたぶん、3役くらいしかされていないです。
ですから、残りをすべて浅野さんと今村さんが演じていらっしゃるわけ。

警官が登場しなければならないシーン、乗客だった一人が、席を外して早変わりw
警官と乗客が同時に登場するときには、2種類の帽子を交互にかぶって、台詞を言う。

この同時に二役っていうのは、他でもあって、どうやるんかなーっ思ってるから余計に面白い。

ラスト近くで、トレンチコートを半身で着て…というのも、あ、二役するんだwと読めるのが、また面白いんです。

4人しかいないからねw
ここは、どうやるん?って思ってみてると、そう来たか!って感じなんですよ。

2幕の後半で、宿屋の夫婦のもとに、ハネイを探しに来る男たち…。
まず、今村さんが探しに来た男を演じ、それに答えそうになる宿の主人・浅野さん。
でも、宿の奥さん・今村さんは、ハネイのことを庇っているので、ご主人言ったらダメだよーって見ていると…。
その場で、今村さんが宿の奥さんに役代わり。
ご主人に「言わないで置きましょう」って言って、ご主人も「そーだーねー」
その台詞の後に浅野さんが、ハネイを探しに来た男に役代わり。

こんな感じなのがいっぱいで、おもしろーいvv


あと、大道具(小道具?)を使って笑いを取るのも、お約束だけど好き。
「この車に乗れ」
「…どの車?」
この時点で、舞台上には、なーんにもないんですね。
そのことに気がついた男たちが「この車だ」と言いながら、椅子を並べて車に見立てるとかw

こういう笑いもいくつかあって、笑いましたw


風の表現に、自分で、服やマフラーをばたばたさせるのもおかしかったです。
特に、電車の屋根に飛び乗ったハネイと追跡する警官の、ばたばたw
チラシやポスターにあるかんじで、コートの裾を手で掴んで、いかにも風にはためいているようにみせるのが、ツボでした。

ばたばたとさせているのを見て「あれ?何やってるんだろ?」と思っていたら、「電車の屋根に飛び乗ったわ!」で爆笑でしたw


そのほか、背中に刺さったナイフをぐいっと手前に引くと、ぎゅっと握りしめていた手が開くとかw


窓から脱出するときの窓枠(ただの木枠)をうまく通り抜けられないと、その窓枠自体を動かせて、通り抜けるとか。
(最初は、窓枠設定なので、窓の位置はあまり変えないようにして、通り抜けようとしていたのですw)


人間で、岩や渓谷、いばらの枝などを表現するのは…非常に無理があり、それが笑いになっていました。


窓の外を見ると、街灯の下に二人の怪しい男…。
という場面は、昨年のダウンタウンフォーリーズでも見たような表現。
ハネイが外をみると、街灯を持って、照明の下に現れる怪しい男たち。
ハネイがカーテンを閉めると、急いで街灯を持って、袖に隠れる男たち。
ここは、大笑いじゃなく、くすっと笑う感じでしたけど。


あと、影絵とかも使っていたし、とにかく、いろんな手を使ってる感じ。


最後の「5人目」も、4人という前提がはっきりしているからこその笑いですよねw
4人しかいない。
それを全面に出すことで、笑いを生み出す…。

もちろん、その笑いは、テンポよく役代わりをしていくからこそ、生まれるんです。
いやあ、面白かったし、舞台らしい舞台で、ホントに良かったですw



ただ…。
私、本当に139役なんかなーって、舞台を観ながら、数えていたんです。


おかしい、私には49役しか見つけられなかったw


草も岩も、渓谷も、それぞれひとつに数えたしー。
警官も、それぞれ別の人として数えたんですけど。


もしかして、のべ139役なのかしら?
ミスターメモリーも、1幕と2幕で、2役と数えられてる?

さらに、声だけの役も、1役とカウントされているのかしら?


それにしても、90役も少ないなんて…、なんつー迂闊w
次回、再演があったら、是非,139役すべてを見つけたいと思います!



あと、この日は大千秋楽ということで、皆さまからご挨拶がありました。

浅野さん、今村さん、高岡さん、石丸さん。

1月5日から練習が始まって、ようやく終了。

浅野さんは「正月気分も何もなく」始まって大変だったと仰っていました。

今村さんはラストのMR.メモリーの長台詞を言いかけ、高岡さんから「もういいってー」と止められ。

高岡さんは「やりきった満足感です」と仰ってました。

そこへ「機会があればまた」と石丸さん。
高岡さんは「えーー、大変だよぉ?」

「年を取ってからだと無理だから、やるなら早い内に」だそうですw

あと、石丸さんは「ようやく、こんなに早口で話さなくてよくなります」とも仰ってました。
うん、たしかに、石丸さんのイメージはゆったり紳士的〜ですから、今回のようなハイパーは大変だったかも。

だからこそ、おもしろいのも、あったと思われますw


あと、完璧邪道な感想として。
セットが、上下にボックス席を設置している、そう、オペラ座の怪人風のセットだったんです。
1幕で上手ボックスに立つ石丸さん…ああ、そこは、ラウルの席ね!
2幕では、下手ボックスに立つ石丸さん…ファントムの席よ!そこ!

ちなみにこのボックス席は、オペラ座よりもしっかりした作りでしたw