「魍魎の匣」
京極夏彦さん著。
作中に、登場人物が書いた小説が挿入されるんですが、それが効果的というか。
不可思議な雰囲気を盛り立てて、非常に良い感じです。
その小説は、一人称なんですが、その語り口に惹きつけられます。
本編と、どんな関わりがあるのか…ということにも、興味がかき立てられます。
「姑獲鳥の夏」の続編ですが、前回は冷たく感じた京極堂さんが、屈折してはいるものの優しい人だということがよくわかりました。
そして、前回は、たしか関口さんの一人称小説だったと思うのですが、今回は、関口さんの一人称と、三人称とが混じった形式でした。
関口さんの一人称は、私にはちょっと読むのが辛くて…。
今回は、三人称が混じっていることで、随分読みやすくなりました。
それでも、関口さんの一人称の部分は所々、読むのがしんどかったですけどw
実は、読み終わったのは、2週間以上前です。
なかなか、感想が書けなかったのですが。
今、振り返ると、強烈に印象に残っているのは、挿入された小説。
このお話の一番はじめに引用されている部分の
それを見ると匣の娘も
につこり笑つて、
「ほう、」
と云つた。
という部分。
すごく映像的に浮かんできます。
映画もあるそうなので、機会を見つけて見てみたいです。