「Wicked」3/6ソワレ



この日の座席は、C席センター。
大阪のC席は、かなり高い位置から見下ろす感じです。
役者さんの表情なんかは、やっぱりちょっと見づらいですね。

そのせいもあるんでしょうが、全般として、ちょっと「物足りないなあ」という感想を持ちました。
何がどう、というわけではないんですが…。

なんとなく、「物足りない」

舞台の完成度としては、決して悪くないです。
ウィキッドとして、一定以上のレベルを維持していると思います。
アンサンブルさんのコーラスは、それぞれの声も良く伸びていて、全体としても良くまとまっていて、良かったですし。

前回、かなり前方で見たのと、無意識のうちに比較しているんだろうなーと思います。
前方で見るのと、2階席最後方で見るのとでは…そら、「物足りない」ですわなw


■苫田グリンダ
土曜のマチソワのソワレだったせいでしょう。
オープニング「Good News」の高音がとっても苦しそうでした。
やっぱり、マチソワとか、負担だよね〜。
お客としてはありがたいけど、役者さんのためには1日1公演がいいんだろうなあ。

苫田さんのグリンダは、ちっちゃいです。
ボックと並んで、遜色ない…。

そして、善い魔女になってからのグリンダは、聖女らしさとか威厳とか、そういうのが感じられて、そういう意味において善い魔女としての才能がある…と思いました。
コミカルな部分も、崩しすぎず。
「Popular」の「らーらーらーらー」は、崩してましたけどw

「Popular」といえば、鏡を覗き込んで「ハーローvv」が、ホントに自分にうっとり…という感じで、笑いを取っていました。

「For Good」は気持ちが入ってましたが…ここも、若干、高音が苦しそうだったなあ。

カテコでは、投げキッスしたり、両手をふりふりしたりが、とってもかわいかったですvv


■木村エルファバ
いろいろ聞いていたので、どきどきでしたが、歌に関しては、声もよくでていたと思いますし、濁りなく響いて聞きやすい声だったと思います。

個人的に大笑いだったのが、「大嫌い」でグリンダの真似をして「はーいはいはいはい」と手を挙げた後、蹴りを入れるシーン。
ここって、蹴っ飛ばすというイメージだったんですが、木村さんは明らかに蹴りを入れてましたw
その堂に入った姿に、思わず大笑いしてしまいましたw

台詞は、まだ固い感じです。
聞いていて、言いにくそうだなあ…とか、力が入ってるなあ…とか、思うことが多かったです。
ちょっと江畑さんの台詞の言い方に似てるかな?
自然にしゃべってる…という感じはあまりしませんでした。

あと、苫田さんとの身長差故でしょうか。
なんとなく、エルファバの方が立場が上…というか、上から見下ろしている感じ。
二人が抱き合うところとか、どうしても、エルファバに抱きついてるように見えてしまいます。

「For Good」の前の「そうね。勉強しなきゃね」とかも、上から目線に感じたなあ。

あ、あと、妙に気になったのが、エメラルドシティに行く前の駅でのシーン。
グリンダが「ディラモンド先生をしのんで、先生の名前を付けるわ」とか言うところで、フィエロを肘でつんつん。
「ほら、何か言って!」というフォローという感じなんですが。
ここの場面で、フィエロとエルファバの距離感って、そんなに近いかな?
ちょっと、エルファバが馴れ馴れしいというか、フィエロと既にかなり仲良しというか、そんな風に見えました。

木村さんのエルファバは、全体としてかなり気が強い感じ。
そして、あんまりコンプレックスを持っているようには思えませんでした。
勿論、まったくコンプレックスがない…というわけじゃないんですけど。
幼い頃から排斥され続けてきたエルファバの辛さとか、そういうものが見えなかったかなあ。

「No Good Deed」の「ネッサ…ディラモンド先生」は、気持ちがこもっていて良かったです。
でも、登場シーンの「フィエローーーー」はその直前のグリンダの「フィエロー」が切なさで勝ってましたw
比べるものじゃないでしょうけど。
あと、ここのエルファバはいつもは怖い魔女なんですけど、その怖さはあまり感じなかったかなあ。

「For Good」は…実は、今までになくエルファバに裏を感じたりもしました。
手紙を受け取って、「フィエロのことなのね!」とグリンダに言われたときの顔!
「私たち、二度と彼の顔を見ることは出来ないわ」
嘘じゃないんだけど。でも、本当でもない。
フィエロが森で言いかけていた「グリンダと君はいつか…」という言葉の続きが、手紙にはあったんだろうなあ。
そして、既にここでグリンダを騙すことを決心したエルファバに見えて…ちょっと。
「今度はあなたが悪い魔女と呼ばれるわ。あなたにはみんなに愛されたままでいて欲しいの」
という言葉もねー。
なんだか、「そうじゃないと、『私が』困るのよ」みたいな裏を感じて。
うわ、このエルファバ、ひどいやつ…と、思いました。初めて。
そんな風に思ってしまったせいか、「For Good」は、ちょっと冷めた気持ちで聞いてしまいました。

この辺りは、前方席で観ると全然感想が変わるかもしれません。
しばらくは予定がありませんけどw


■勝間ネッサローズ
登場したときから気になっていたのは、眉間のしわ。
…あくまでも、オペラグラスで見ていただけなので、実際に眉間にしわが寄っていたか…絶対じゃないのですが。

眉間にしわが寄っているように見えたのですよね。
父親から銀の靴を受け取るときは、嬉しそうなんですけど、ちょっといじわるっぽい。
エルファバが何も貰えないことにたいして、優越感めいたものを感じてるように見えました。

「まあ、私に何をくれてもね…どうせ似合わないんだし」というエルファバの言葉に、同情めいた感情を見せてはくれなかったです。

その後、エルファバが力を使ってしまったときの様子も、かなりひどく叱りつけている感じで。
なんというか、「妹」という風には見えなかったなあ。
少なくとも、ネッサがエルファバに頼っている…という風には見えませんでした。

「エルファバ!ここではしないって約束したでしょう!?」

この言い方が、すごくきつくて。
むしろネッサの方が「姉」のように感じました。

モリブル先生から、エルファバが認められたときも、初めは、顔をしかめたまま。
最後に、エルファバと目を合わせたときには、全開の笑顔でした。
笑顔を見るまでは、「ネッサはエルファバが認められたことが口惜しいの?」と思っちゃいました(^^;
笑顔を見せたので、一応、喜んでいるんだなあ…と思いましたけど、その笑顔が全開すぎて、ちょっとネッサらしくないように感じました。

…あ、ネッサらしいっていうのは、私が好きなネッサという意味ですね。
本当にネッサらしいっていうのは、どういうのかなー?
とにかく、私の好きなネッサというのは山本さんのネッサなのでw
小粥さんのネッサも、実は苦手だったんだっけな。

ダンスパーティへ行く前のネッサ。
ここで、ネッサの歌を聞いたわけですが…。
ちょっと、びっくりでした。

地声そのまま?
もうちょっと、歌声にして欲しいかも(^^;

まあ、座ったまま歌うのは、確かに声が出にくいので、多少仕方ない部分はあるんでしょうけど。
でも、あまりに…その、ごめんなさい、辛口になりますが、酷かったです…。
一昔前の、ボイトレしたのか?って感じのアイドルのように…。

2幕で、提督になったネッサも、エルファバなんか眼中にない感じで。
だからこそ、「一人にしないで」がいまいち可哀想に感じられず。

退場時、車椅子を押していくのは、腰を曲げて重そうに押して退場。
その姿勢にどんな意図があるのか、わかりませんけど、気になりました。

もうちょっと、エルファバにも優しいネッサだといいなあ…。
ネッサは山本さんが、やっぱり好きです。


■岡田フィエロ
格好いいーvvと聞いていたので、楽しみにしておりました。
でも、C席からだと、その格好良さが堪能しきれずです。

普通にいい人に思えたかも。
歌は、北澤さんより李涛さん寄りの歌い方でしょうか。

ダンスは、キレがあるとかまではわかりませんでした。
ただ、止めポーズのときに、ちょっと癖がある感じ。
ピタ!と止めるのではなく、止める直前、ピッと動きが入る…。
うーん、上手く伝えられません(^^;


■伊藤ボック
気になったこと、ひとつだけ。
2幕の「お前も!お前の妹も!」で、ネッサにはナイフを突きつけないんだ。
そうかー。


■雲田ディラモンド先生
こちらもひとつだけ。
2幕でエルファバと再会したときの先生は、必死で話そうとしていたんだなあと。
それでも言葉がでてこなかったんですね。


■松下オズ陛下
やっぱり、いい人に見えるから、実は…というのが生きるなー。
と、思いますw


そんなわけで、全体に、うーん、なところは少ないのですが、それでも、どこかでもの足りない…でしたw
アンサンブルのコーラスは、とっても素敵でしたよ。
重なりますけど。
そして、モリブル先生については特に前回と同じような感想なので割愛ですw