「美女と野獣」

バックステージツアーが目的で行った公演。
当日券でしたが、6列目のサイド席が残ってました。
はじっこでしたが、程良く後方でもあって、見やすかったです。
ただ、本来の見切れ…が見えて、それは面白くもありました。

見えたもの。
セットが出入りするときに、上部に移動する照明器具。
ビー・アワ・ゲストの時に、シャンパンの書き割りを出すタイミングをはかるスタッフさん。
などw

特に、スタッフさんは、普通に歩いてらっしゃって、たぶん、見えてるとは思ってないんだろうな…な感じでしたw
それくらいの余裕でした。


さて、本編ですが…。
イベント目的で行った…のが申し訳ないくらい、素晴らしかったです。

何が素晴らしいって、野獣が。
私の「美女と野獣」の見方は、たぶん、邪道なんですが…。
私には、野獣がファントムと重なって見えて仕方ないんです。

野獣が癇癪を起こして、がおがお吼えるところは、ファントムが怒り狂ってるところ。
愛しているのに、父親の元へ返すところは、ラストシーン。

ただ、ファントムに比べると、野獣の方が純粋で若い。
そして、城の従者達から、愛されている。

みんなから、いろいろな忠告を受けるビーストは、ひとりぼっちだったファントムに比べれば幸せだなあ。
そう思うと、ビースト=ファントムではないのですけど。
でも、どちらも異形であることは同じで。

コピット版のファントム、エリックとビーストなら、かなり似ているかも。
エリックは母親からは愛されていたし、父親も彼を保護していたし。
クリスティンもエリックの醜さに驚いたけれど、最後は彼を助けようとしていたし。
エリックは、王子様にはなれなかったけど。

そんなことを考えながら、見ていました。
一番最近に見たファントムが佐野さんだったから、余計に被ったのもあるんでしょうけど。

「こんな野獣を誰が愛するものか」

という言葉が覆されていくのを見ながら、どこかで、ファントムが救われている気がしてました。


そして、ビーストが愛おしくてvv
必死で癇癪を押さえながら「お願いします」とかvv
かわいーじゃないかーvv

愛せぬならば、は、言うまでもなくなんですけど。
この歌は、本当に心に染み入って、大好きです。
佐野さんの声の調子もとってもよくて、美声も堪能できましたし。

あと、2幕最初に、ベルを助けに来るときのビースト。
おお、着替えてるじゃないか!
これは、「ベルを迎えに行くのに、この格好じゃだめかな…」とか考えて、いそいそと着替えたのかしら?とか思うと、狼との戦いのシーンなのに、ビーストがかわいくて仕方なかったです。

ベルに図書館を見せるとき、ベルを連れて行くのを忘れそうになって、ルミエールにつっこまれるのもかわいい。
従者達との絡みは、初めこそ、威張って見えるけど、実はただのワガママな子どもなんだなーってわかる。
ベルとの出会いで、少しずつ成長するビーストがかわいいです。

父親を心配するベルを、笑顔で送り出すのも、ビーストの成長ですよね。
ガストンを許そうとするのも。

そういう若々しいビーストの繊細な気持ちの変化を、佐野さんはきっちり演じてくださってました。
ファントムでもかなり佐野さん贔屓になっていたのが、今回で更に、贔屓度アップですw

ただ、王子になってしまうと、ビーストの時のイメージとあまりに違って…。
それは、まあ、アニメでもそうなんですけど。
ビーストの時がとっても、青年らしいので、王子様になったときの素顔にびっくりなんです。
意外に年齢いってるじゃん…って。(ごめんなさいっ)

でも、佐野さんのビースト、とっても素敵でしたvv
千秋楽までに、もう一度見られて良かったです。


他の皆さまについては、ベルは印象が薄かったかなあ…。
鳥原さんはお若いと思っていたのですが、メイクがディズニーぽいせいでしょうか。
なんか、もっとかわいくていいのになーと思いました。
とってもディズニーアニメのベルっぽいメイクでした。

もっと溌剌として、変わり者ベルって感じが出てもいいかなと思います。
どこがどう…というほど、この演目を見ていないんですが、なんか印象が薄いなあ…。

あ、ちょっと背が低いのかな?
ビーストやガストンと並ぶと、二人が大きく見えるのは、とっても良い感じでした。


ガストンは、野中さんらしく、どこかに柔らかさがあるように思えました。
でも、ガストンの嫌味な感じとかは、薄かったかな。


ミセス・ポットの母の愛には、今回もほろりとさせられました。
チップの岸本さんは…ロザリアしてはりましたよね?
こんなちっちゃいんや…。


林さんのモリースは、声がちょっと低音で、演技も固めかなあ。
実はかなり楽しみにしていたのですが、ちょっと期待はずれだったかな。
いかれた天才って感じがあんまりしなかったです。


バベットは、足の動きが羽根ほうきっぽくて、良かったです。


感想は、そんなところでしょうか。
今回は、ホントにビーストに全部感動持っていかれた!って感じでした。
これで、今度は佐野さんファントムとか見れると…また、いいんだけどなw