「豆の上で眠る」

豆の上で眠る
湊かなえ:著

豆の上で眠る


このタイトル、子どもの頃に読んだおとぎ話からかな?と手に取りました。

本物のお姫様と結婚したい王子様。
しかし、どんなに探してもどこか「本物」ではないお姫様達。
諦めかけた王子様。
ある雨の夜、一人の女の子が、訪ねてきました。
びしょびしょにぬれた女の子は、「私は本物のお姫様です」といいます。
一計を案じた王子様の母上のお妃様。
ベッドの上に豆を置き、敷き布団20枚、毛布20枚、羽布団20枚重ねます。
翌朝、起きてきた女の子に、よく眠れたかとお妃さまが尋ねると…。
「なんだかわからないけど、固いものがあって、体中あざだらけ。ひどい目にあいました」
と答えた女の子。
その言葉を聞いて、この女の子こそ本物のお姫様だと認めたお妃様。
王子様とお姫様は結婚して幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

というお話だったと記憶しています。


「豆の上で眠る」
こちらも、小3の時に行方不明になり、2年後帰ってきた女の子を、その子の妹が「本物の姉」だろうかと疑いつづけるお話です。

このお話、主人公の妹も切ないけど、疑われる姉も切ない。
血のつながりだけが家族ではない。
血のつながりがあっても家族の輪からはずされたら…。

一番つらいのは、妹か、姉か。
自分の立場がどちらでも、耐えられないなあ…。