「三文オペラ」('14/9/20マチネ)

会場は、新国立劇場・中劇場。
ほぼ1年ぶりの会場です!

昨年は、新宿駅で、京王新線への乗り換えで迷いました。
今年は、その轍を踏まぬよう、しっかり事前に調べました!

調べましたが、いまいちよく分からず、結局出たとこ勝負。
そして、やっぱり迷いました…。

矢印通りに進んだ筈なんですけどね。
ぜったいぐるぐる廻っていただけだと思われる(^^;

早めの新幹線に乗っておいてよかったです。


三文オペラ

作:ベルトルト・ブレヒト
作曲:クルト・ヴァイル
翻訳:谷川道子
演出:宮田慶子
音楽監督島健


††キャスト††
メッキース(メッキー・メッサー) 池内博之
ジョナサン・ジェルマイヤー・ピーチャム 山路和弘
シーリア・ピーチャム あめくみちこ
ポリー・ピーチャム ソニン
ブラウン(タイガー・ブラウン) 石井一孝
ルーシー・ブラウン 大塚千弘
酒場のジェニー 島田歌穂

<泥棒たち>
コインのマサイヤス 亀田佳明
鉤指のジェーコブ おかやまはじめ
イード 原慎一
鋸のロバート 大森いちえい
枝垂れ柳のウォルター 金成均
ジミー 今國雅彦

キンボール牧師 チョウヨンホ

<乞食たち>
フィルチ 片岡正二郎
第一の乞食 上杉陽一
第二の乞食 川口高志
第三の乞食 遠藤広太
第四の乞食 稲葉俊一
第五の乞食 大里秀一郎
第六の乞食 寺内淳志

<娼婦たち>
年取った娼婦 田中利花
ヴィクセン 小見美幸
ドリー 大須賀裕子
ティー 木村晶子
モリー 枝元萌
第二の娼婦 北澤小枝子

<警官たち>
スミス 佐川和正
警官1 窪田壮史
警官2 伊藤総


三文オペラ」は、「ベガーズ・オペラ」とほとんど同じだと思っていました。
ドイツ語に訳されただけだと思っていたのです。
今回、この舞台を見ようと思った理由は、「ベガーズ」が懐かしかったのと、歌穂さんが出演されるのと。
実際、見てみると、所々違うところもあり、改めてプログラムを読むと、「ベガーズ・オペラ」は原作扱いでしょうか。
「ベガーズ」から200年後のロンドンが舞台の、お芝居でした。

オープニングでは、「ドスのメッキースの殺しのバラード」がキャスト全員で歌われます。
曲目紹介では、(モリタート)とありまして…こちらも、改めて、記憶のどこかにひっかかる…。
なんだったかなあと、必死で脳みそを絞って思い出しました。
悪の教典」の主人公:ハスミンが口ずさんでいた歌でした。
何となく聞いていたせいで、曲の印象が残っていないのが残念です。

このオープニングでは、メッキース以外は、名も無き人々が歌っている感じ?
あとから出てくるキャラクターとは違っている人が多かったので、そんな印象です。
(歌穂さんは、同じキャラクターだと感じましたが)

ここで目立っていたのは、原慎一郎さん。
出演されているのも、ロビーで知ったぐらいで、何より、原さんのお顔も知らなかった私。
知っている情報は、背が高いことと、歌がお上手なこと。
たしか「アナ雪」のクリストフだったかと?
しかし、歌い出されたら、圧倒的にいい声で、絶対この人!と思いましたもの。

そのあとは、ピーチャムの所にフィルチがやってきて、乞食商売についての説明。
三文オペラ」のピーチャムは、乞食達に衣装を貸し出して、うまく儲けるための設定を与えていました。
言ってみれば、乞食達をプロデュースしている人。
そのせいか、そこまで悪い奴という感じはしません。
観客にいろいろと説明をしてくれますし、なんとなくいいおっちゃん風でもありました。

メッキースとポリーの結婚式は、他人の馬小屋で。
盗んできた家具で飾り立て、盗んできたごちそうで宴会。
部下に対して、非常に冷たいメッキース。
マサイヤスなんかは、明らかに反感を覚えているふうです。
何で、この人が首領なんでしょ?と不思議になってしまいます。
初めのうちは、馬小屋で結婚式ということに不満を持っていたらしいポリーも、部下達とメッキースの関係を悪くしないように気を遣って無理にはしゃいでいる風でした。
なんとなく、暴力男というか…なんで、この人に惚れたのか、よくわからんわ。

結婚式には、警視総監のブラウンも参加して、警察と手を組んでいるメッキースの黒い力が見えます。
しかし、人間的な魅力はあまり感じられないのです。

結婚したあと、ピーチャムの元へ報告に行くポリー。
ここのシーンはぶっ飛んだかんじのポリーが可笑しかったです。

そして、何故か、このあたりで「第一幕のフィナーレ」という曲が。
しかし、舞台は続き、ジェニーがメッキースを裏切るところで、休憩に入りました。
ジェニーとメッキースの若い時を歌うところは、好きです。
既に、恋愛感情を超えた、同等の存在という感じです。


ここで一息をついて、改めて考えると…ルーシーがまだ出ていない!
結構、ポリーが活躍していたので、ここからルーシーが活躍するのか?


そして、はじまる休憩後(二幕と言えないのが面倒です^^;)
牢獄に入ったメッキース。
友達を裏切った形になるブラウンはとっても困っています。

ポリーとルーシーが鉢合わせしてもめているところは、可愛らしく可笑しく…。
ルーシーもポリーも、よく似たキャラで、おばかな小娘です。
大人の魅力は、ジェニーに全部いっている感じです。

警官・スミスをうまく騙して脱獄したメッキースは、再びジェニーに裏切られて牢獄へ。
それでも、ジェニーに恨み辛みをいわないあたりは、二人の関係の特別さを感じさせます。

牢獄で、スミスを買収しようとしますが、手持ちの金がなく。
部下達に用意させようとしますが、「なんで、全財産を差し出さなきゃならないんだ?」
全くその通りですよね。
それをうまく宥めるでもなく、「お前が持っていても意味がないだろう」と言い放つあたり、人の心が分かっていないなあ…。

絞首台に向かう途中、歌っていくメッキース。
この歌は、音程が合っているのかいないのか、すごく不安定に聞こえて、居心地が悪かったです。
そういう風に作っているのだろうけど…。

最後は、女王陛下の恩赦で、何故か貴族にまでなってしまうメッキース。

…ベガーズもこんなんだったっけ?

見終わったあとには、ポリーは変わった子だったなあー、ルーシーは可愛かった、メッキースは見た目はいいけど男が惚れる男じゃないね、ブラウンはもうちょっと威厳が欲しい、ジェニーは格好良かったなあ!という感想。
お芝居そのものの感想が、ちょっと無い感じ…。

「ベガーズ」の印象で見に行ったのが悪かったでしょうか。
もう一度見たら、感想は変わるかもしれませんが…。

とりあえず、「三文オペラ」より「ベガーズ・オペラ」の方が私は好きかなー。



こちらは、三文オペラの紹介動画。