「おまえさん」
「おまえさん」
宮部みゆきさん著
単行本と文庫本、同時刊行!
という新聞広告を見て、早速、図書館へ。
まだ、誰も借りてなくて、一番乗りで借りることができました。
「ぼんくら」「日暮らし」に続くシリーズ。
夏に「ばんば憑き」を読んだことから、「ぼんくら」シリーズを読み返していたので、すんなり世界に入ることができました。
弓之助やおでこが、少し大人になりかかっていて、この先が楽しみ。
井筒平四郎の同僚(?)や、ご隠居さん、弓之助の兄など、キャラクターも増え、お話に広がりが出てきています。
お話自体の後味はちょっと苦いですが。
物語の発端は、人死にが出たこと。
遺体を片づけて、血の痕を清めたあとに、また地面に人型が浮き上がってきて、それをお徳さんが清めるところから始まります。
殺された男が誰なのか、何故殺されたのか。
強盗か、無礼打ちか、名刀の試し切りか。
謎が解けないままに、今度は生薬屋の主人が殺されます。
関連の無いように見えた二つの殺しですが、太刀傷が全く同じであるとするご隠居が出てきて、その線で調べていくと…。
この事件を軸に、おでこの生みの母の物語。
八百屋に包丁を持って乗り込んできた男の話。
弓之助の長兄の結婚話。
おでこの初恋物語。
いろんなお話が絡んでいきます。
お六と彦さん(正確な名前が出てこない^^;)のその後とか。
佐吉とお恵のその後とか。
これまでのお話も絡めてくるので、楽しめます。
この先も、きっとそれぞれの人々の人生を描きながら、進んでいくんだろうなあ。
新しいキャラクターで魅力ある人たちも出てきているので、更に楽しみになります。