「The SOUND of MUSIC」(5/9)

††キャスト††
マリア 井上智恵
トラップ大佐 鈴木綜馬
修道院長 秋山知子
エルザ 坂本里咲
マックス 勅使瓦武志
シュミット 大橋伸予
フランツ 青山裕次
シスター・ベルテ 佐和由梨
シスター・マルガレッタ 矢野侑子
シスター・ソフィア あべゆき
ロルフ 飯田達郎

リーズル 谷口あかり
フリードリッヒ 笠原知也
ルイーザ 今井利奈
クルト 廣瀬孝輔
ブリギッタ 石井日菜
マルタ 内田花音
グレーテル 西山寿菜

男性アンサンブル
池田英治/井上隆司/佐藤季敦/北山雄一郎/高橋基史/天野誠/奥田直樹/柳隆幸

女性アンサンブル
黒崎綾/倉斗絢子/吉村和花/松本菜緒/佐々木杏珠/長寿真世/吉田千恵/伊吹悠

コンダクター 平田英夫



座席は、1階下手サイドブロック、2列目。
みなさんの表情がよく見えました。

歌の順序などは、映画とは違う(というより、映画が違う)と聞いていましたが、成る程、舞台だとこうなるんだなーと思うことが多かったです。
それでも、初めのうちは、歌を聴くだけで泣いてしまうという状態で、大変恥ずかしかったです。

なんといって、大好きなミュージカル。
どのシーンでも、映画のシーンが甦ってきて、困りました。

以下、ネタバレ含みます。
歌の順序や、映画と違うところ等ありますので、ネタバレが嫌な方は、お読みにならないで下さいね。


1幕冒頭は、修道院のシーンから。
シスター達のハレルヤが、ものすごく素敵。
また、シスター達が客席に下りて歌って下さるので、歌に包まれる感じで、本当によかったです。

マリアが山で歌うシーンは、映画と比べると狭い…。
でも、夜が明けていく様子はとっても綺麗でした。

シスター達の「マリア」も大好きな歌。
マリアのことを好きだというシスター(マルガレッタ?かな?)が、ぷっと頬を膨らませたりするのがかわいいです。
天使にラブソングを」で、キンキン歌ってたあのシスターみたいw

「私のお気に入り」は、その後、修道院長とマリアとで歌います。
このシーン、修道院長の茶目っ気たっぷりな様子がかわいかったです。

トラップ家に向かうときの「自信を持って」かな?邦題がわからないけど。
この歌は、ジュリー・アンドリュースが自分を鼓舞している!っていう感じが大好きなんですけど、井上さんはそこまで不安そうじゃなかったかな。

トラップ家で、大佐と子ども達に出会うところ。
綜馬さんだー、格好いいー、とひとしきり感動。
厳しい顔つきで、表情筋、固まってませんか?って感じです。

そして、自己紹介の後(大佐が去ってから)、いきなり「ドレミ」!
少しずつ、うち解けていく子ども達が、良いです。
特に、リーズルは、絶対、マリアになつかないぞ!って感じがありあり見えて。
それが、ちょっとずつ、心を開きつつある感じでした。

「もうすぐ17歳」なのかな?やっぱり邦題がわかりませんが。
この歌は…日本語訳が、難しいなー。
「いまsixteen、もうすぐseventeen」って座りが悪いですよね。
ロルフ、若々しくないぞw
リーズルに、キスするのはかわいかったですw

お祈りするマリアの後ろで慌てるリーズルがずっこけるの、上手かったw
思わず笑ってしまいましたよ。
ここで、「ひとりぼっちの羊飼い」
成る程、「ドレミ」で歌を習っているから、一応、みんな歌える…という設定なんだ。
トラップ大佐は、でてきませんでした。

エルザ(シュレイダー夫人)とマックスを連れて、帰ってきた大佐。
マリアを解雇しようとして…という辺りは、映画と同じです。
でも、カーテンの遊び着は、映画よりかわいい生地でしたw
この歌は、泣けました。
大佐が歌い出すのは、ちょっと唐突な感じもあったけど…。

「もう一度」と大佐が歌ったときに、この人が、もう一度、歌を歌おうと感じるまでのものがここにあったんだなあと思って。
ただ、子ども達…。
歌はいいんだけど、演技は、もうちょっと、かなあ。
歌い出すと、いい声だなあとか、思うんですが、演技はまだまだ固いです。
…まあ、子どもだからなあ…。

パーティでは、庭でダンスのまねごとをする子ども達…ではなくて、お客様達がテラスにでて、人がいなくなった広間で踊る子ども達でした。
そこで、マリアと大佐のダンス。
その後、エルザではなく、ブリギッタから、自分の気持ちを教えられるマリア。
そして、お別れの歌は、エルザのお願いで、披露されるものでした。

リーズルが「シャンパンを飲んでみたいわ」と言って、エルザがグラスを渡す。
でも、大佐に「いい?」と聞くと、大佐は「ダメ」
この、「ダメ」がなんだかかわいくて、笑ってしまいましたw

あと、お別れの歌は正面でみたらきっとかわいいんだろうな。
サイドからだと、いまいちですw
そして、鳩時計は「ぽっぽー」でした。

修道院に戻ったマリアを励ます院長。
「すべての山を登れ」はやはりいい歌です。
秋山さん、とっても力強く。
ここも、泣かされました。
なんだか、自分も励まされた気がしましたよ。


2幕。
オーヴァチュア?
生オケはいいですよねーvv

マリアがいなくなって、元気のない子ども達。
「歌を歌おうか」と元気良く「ドレミ」を歌いだす大佐。
なんか、キャラ違うぞーw

でも、子ども達が「サウンド・オブ・ミュージック」を歌い出すと「その歌はダメだ」
マリアを思い出すからでしょうか?
でも、そうだとしたら、マリアが考えた「ドレミ」の方がはるかに…。
なんで、「サウンド・オブ・ミュージック」はダメなんだろうな?

帰ってきたマリア。
この辺は映画のイメージそのまま。

そのあと、エルザと大佐が話し合うシーンがありますが。
エルザと大佐が、結婚しないのは、映画とはちょっと違います。
二人の主義の相違。
お互いに歩み寄れない部分があって、一緒には生きられないと二人で決めていました。

結婚式のシーンも、シスター達のコーラスが綺麗でした。
ここの、「マリア」大好きーvv

新婚旅行から帰った二人は、もうしっかりご夫婦。
井上さん、ちょっと貫禄ありすぎw

音楽会は、「エーデルワイス」に泣かされました。
そして、「ラスト、一緒に歌わなくていいの?」とか映画じゃないって!
でも、オーストリア国民として一緒に「祖国よ永久に」って会場中の人が歌っていたら…と想像すると感動。
もちろん、大佐の祖国への思いも伝わってきて、「祖国よ」という言葉に重みを感じたのでした。

お別れの歌も、会場の人みんなに、オーストリアに、「さようなら」を言ってるんだなあと、涙でした。

逃亡は、まさかのロルフ!
最後に株を上げたなw

山を越える一家と、修道院で「すべての山を登れ」を歌うシスター達。
やはり、この歌はよい…。
気持ちよく、感動させていただきました。

だがしかし。
どうしても、映画のイメージが払拭できず。
あまりにとんとんと話が進むので、気持ちが付いて行きにくい。
なんと言っても、2時間半の舞台。
よくここまでコンパクトにまとめたなあ…と思います。

もともと、舞台はこうだったのかしら?
映画で、ロケとかを多用したから長くなったのかな?

わかりませんが、ちょっと駆け足の印象が残りました。
子ども達がでることもあるし、しかたのないことなのかな?




ここからは、ちょっと個別の感想。

■井上マリア
ソンダンのドレミのイメージが強烈で、あんなマリアだろうと思っていましたが。
ソンダンのドレミとはマリアはちょっと違うんだなーって思いました。

子ども達に受け入れられるかどうか、不安げで、リーズルに気を遣っているところや、大佐への思いにとまどっている所など。
自分に自信を持てなくて、いっぱい迷っている女の子でした。

一方で、コミカルな面もあって、かわいかったと思います。
ただ、初々しさ…という点においては、ちょっと。

はるちゃんだったら、どんなマリアなんだろう?と気になりました。
沼尾さんだったら…また、全然違って、面白そう。
それぞれ拝見してみたいけど、まずは、井上さんのマリアを見れて良かったなと思いますvv


■綜馬大佐
如何にも軍人さんって感じの固いイメージ。
怒った顔がとっても怖いです。

でも、その顔がふっと優しくなるときは、本当に優しい表情で。
その落差が、すごいです。

ナチスに対しては、ものすごい嫌悪感で、エルザやマックスに対しても、そこまで怒るというくらい。
でも、マリアが帰ってきたときに見せた顔は、厳冬の雪山に春が訪れたかのような…ほんわか笑顔なのです。

歌は、ちょっと音域が合わないのかなー。
低音が、出にくそうでした。
ただ、出にくそうでも、気持ちが伝わって泣かされたところは何ヶ所か。
祖国を愛する不器用な大佐でした。


■坂本エルザ
いや、素晴らしいと思いました。
男爵夫人らしい、プライドの持ち主。
マリアに対して、不安な気持ちがあるのも上手く見せているし、大佐と別れることを決意するのも、自分で決めていて。
格好いい女性だったと思いました。
映画の男爵夫人より、坂本さんの男爵夫人の方が、私は好きだなー。


■勅使瓦マックス
軽妙なマックスおじさんw
あの、とんでもない軽さはどこから来るのかw
何度も笑わしてもらいました。
勅使河原さん最高!って何度思ったか。

でも、最後は…。
どうなったんだろうなあ、マックスおじさん。


■秋山修道院
重みのある歌声で、よかったと思います。
実はお茶目な面もあって、かわいかったです。

1幕ラストの「すべての山を登れ」は本当に素晴らしかったと思います。
他の歌も、秋山さんの歌は、癖がなくて聞きやすかったなあvv


■シスター達
佐和さんの美声を久しぶりに堪能出来ましたーvv
そして、アンサンブルさんを含めて、シスター達の歌声が澄んだ、神様に届く声で素敵でした。
純粋に、コーラスの素晴らしさに感動しました。


■飯田ロルフ
ラストで株を上げましたが…。
あんまり歌のお上手さはわからず。
この後で、キャッツをみて、お兄さんの歌声にはくらくら…でしたが。
うーん。歌は1曲だけだから、わからないのも仕方ないか。

若者らしく、ナチスに心酔している…のかと思ったら、意外と打算的な台詞もあって。
だからこそ、ラストの行動に繋がるのかな?


■谷口リーズル
かわいく、16歳の女の子らしい初々しさでした。
マリアへの微妙な感情や、父親への思いなど、上手かったなーって思います。



ナチスに飲み込まれようとしているオーストリア、という時代の波を映画よりはっきり感じました。
そして、前にも書きましたが、全体に急ぎ気味で、歌が短く感じたりすることも。
マリアの結婚式も、さくさくと進んで、段取りっぽくて、ちょっと残念でした。
もっと、溜めて見せてくれてもいいのになあー。

あと、アンサンブルさんのコーラスは、シスターだけじゃなく、どこも素晴らしかったです。
綜馬さんが5月いっぱいらしいので、遠征はしませんが、こちらに来たら、また見に行きたいです。
とかいいつつ、他の演目の遠征ついでに、笠松マリアや沼尾マリアを見に行ってしまうかもですがw

見に行って良かったと思いますし、アンサンブルさんのコーラスだけでも、かなり満足な舞台でしたvv